2025年発売の注目パター L.A.B. Golf「OZ.1i(オージー・ワン・アイ)」 は、PGAツアープロのアダム・スコット選手が監修した話題作です。
独自技術「Lie Angle Balance(ライ角バランス)」によるゼロトルク設計で、ストローク中にフェースが勝手に開閉しない安定感が最大の特徴。形状は半月型のミッドマレットで、同社の大型マレットDF3やMEZZ.1に匹敵する高い慣性モーメントを持ちながら、ブレードパターに近い操作性も兼ね備えています。
「安定感と操作性のいいとこ取り」を狙った革新的パターと言えるでしょう。
さらに、このOZ.1iモデルではL.A.B.初のステンレスインサートを採用し、硬めの打感と速い転がりを実現。
まさにテクノロジーとツアープロの感性が融合した一本です。
本記事では、OZ.1iパターの詳しいスペックや特徴、他モデルとの比較、ツアープロや一般ユーザーの評価、そして筆者自身の試打インプレッションまで徹底解説します。
購入を検討している方の不安や疑問を解消し、このパターの魅力と実力を余すところなくお伝えします。
読み終える頃にはきっと「次のラウンドで試してみたい!」と思えるはずです。それでは早速、OZ.1iの全貌に迫っていきましょう。
OZ.1i パターの特徴・スペック
OZ.1iは、L.A.B. Golfが2025年2月にリリースした最新OZシリーズの一つで、同社初となる半月型(カマボコ型)のマレットパターです。
ヘッド前方に大きな穴や突起がないソリッドなデザインが特徴で、「大きすぎず小さすぎない」絶妙なサイズ感となっています。
ブレード型に慣れたゴルファーでも違和感なく構えられる伝統的シルエットを保ちつつ、L.A.B.独自のライ角バランス技術により抜群の直進性と安定感を実現しています。
また、アダム・スコット選手の要望から生まれたスタイリッシュな外観も相まって、性能面・デザイン面ともにツアープロからアマチュアまで注目を集めています。

引用:OZ.1 / OZ.1i
以下にOZ.1iの主なスペックをまとめます。
| メーカー | L.A.B. Golf(ラブ・ゴルフ) |
|---|---|
| シリーズ | OZ.1シリーズ |
| 発売日 | 2025年2月3日 |
| 新品価格 | 121,000円~ ※カスタム仕様は132,000円 |
| 中古最安値 | 70,000円前後 |
| 中古最高値 | 110,000円前後 |
| ヘッドの形状 | マレットタイプ |
| ヘッドの素材 | 6061アルミニウム(ボディ)+303ステンレス(フェースインサート) |
| ヘッドの重量 | 約360g(標準ヘッド) ※カスタムで軽量ヘッド・重量級ヘッドの選択可 |
| ネックの形状 | センターシャフト(標準) / ヒールシャフト(別モデル「OZ.1i HS」にて選択可) |
| シャフトの素材 | スチール(Premiumステンレスシャフト・黒仕上げ) |
| ロフト角 | 3°(実効ロフト) |
| シャフトの長さ | 33〜35インチ |
※新品価格はメーカー希望税込価格、中古価格は2025年11月現在の相場です。
OZ.1iは上述のように高慣性モーメント設計と適度なサイズ感を両立している点が特筆されます。
特に、多少芯を外してヒットしてもヘッドのブレが極めて少ない高い許容性(ミスヒット耐性)は、このパター最大の武器です。
また、構えたときにターゲットに合わせやすいシンプルな外観も魅力で、ヘッド上部には視認性の良いサイトライン(ガイドライン)が1本入っており、ボールとカップを真っ直ぐにとらえやすくなっています。
さらに、本モデルではL.A.B.初となるインサートをフェースに搭載。ステンレスインサートによって生まれる打感は硬めで打音はやや高めですが、その分インパクト直後のボール初速が速く、スムーズな転がり出しを実現します。
「パットをショートしがち」というゴルファーには、この前に押し出すような強い転がりが武器になるでしょう。
一方で、ヘッド前方に重量を配分する独自設計により、ブレード型パターのような適度なフェースローテーション(インパクトまでにフェースが自然と開閉する動き)も感じられるよう工夫されています。
これは「ヘッドが勝手に動きすぎるオートマチック感」を抑え、あくまで自分の感覚で操作できる余地を残すための設計です。
OZ.1iはただ真っ直ぐ転がるだけでなく、プレイヤーのフィーリングも大事にしたバランスの良いモデルと言えます。まさにブレードパターの繊細な操作性とマレットパターの高い安定性を融合した一本です。
パター性能の評価
OZ.1iの性能を6つの観点から5段階で評価し、それぞれの理由を解説します。以下のレーダーチャート評価は筆者およびレビュー情報に基づく主観的な目安です。

操作性:5/5(◎)
操作性はマレット型としては非常に高いレベルです。
ヘッドサイズが適度にコンパクトで構えやすく、ストローク中に「ヘッドが大きすぎて振りづらい」という違和感がありません。ライ角バランス設計によりフェースが自然とスクエアを保つため、自分でフェースを返しやすくコントロール性能も良好です。
「ブレードに近い感覚で操作できるマレット」という狙い通り、繊細なタッチ出しも可能で距離感調整がしやすいでしょう。
ミスヒット耐性:5/5(◎)
直進安定性は文句なしの満点評価です。
OZ.1iは慣性モーメント(MOI)が非常に高く、オフセンターヒット時のヘッドのブレやねじれが極めて少ない設計です。
同社の大型マレットDF3やMEZZ.1 MAXと同等の安定性を備えており、とにかくミスに寛容。実際に芯を外してヒットしてもカップまでラインに乗って転がっていく場面が多く、ショートパットの心強い味方になります。
「パットの安定感を最優先したい」というゴルファーには最高レベルの安心感を与えてくれるでしょう。
打感:3/5(○)
打感はステンレスインサート採用により硬めでシャープです。
インパクト時には「カチッ」としたしっかりめの手応えと高めの打音が感じられます。
このフィードバックの明瞭さを「心地よい」と評価する声も多く、ボールの転がり出しが速いため距離感も合わせやすいメリットがあります。
一方、オデッセイのようなソフトインサートの柔らかなフィーリングを好む方には少し硬すぎると感じるかもしれません。
そのため万人向けというより好みが分かれる打感ではありますが、「しっかりしたインパクト感が好き」「球足をもう少し伸ばしたい」という方にはピッタリのフィーリングです。
重量バランス:4/5(○)
全体重量約540gとパターとしてはかなり重めですが、重量配分のバランスが優れているため振り心地は良好です。
ヘッドの慣性モーメントが高く重心設計も緻密なため、ストローク中にヘッドのブレや余計な動きを感じにくく、一度慣れればむしろ安定感が心地よいでしょう。
標準の2°シャフト前傾タイプでは適度にヘッドが走る感覚もあり、振り子のようにスムーズにストロークできます。
とはいえやはり一般的なパターより重量級であることは確かなので、最初は少し重さを感じるかもしれません。
しかしライ角バランスのおかげで重さの割に無理なくストロークできるという声が多く、重量を武器にできる設計と言えます。
重心設計:5/5(◎)
L.A.B. Golfならではの重心設計の妙が光ります。
ヘッドの重心とシャフト軸を正確に一致させたライ角バランス構造により、ストローク中のトルク(捻れモーメント)を徹底排除。
これによりフェース面が常にストローク軌道に対してスクエアを保ち、方向性のバラツキが大幅に減少します。
さらに半月型ヘッド前方に重量を配したことで、ブレード型のような自然なフェースローテーションも確保する絶妙なバランスです。「ヘッドの動きすぎを抑えつつ、自分で操作もできる」という理想的な重心配置がなされています。
安定性と操作性を高度に両立した重心設計は本モデルの最大の強みでしょう。
価格:3/5(△)
唯一ネックとなるのが価格の高さです。新品で約12万円(税込)という価格設定は、一般的なオデッセイやテーラーメイドのパターの2倍以上。
シャフトやグリップも高品質なものが標準装備されており、性能面を考えれば納得の値段ですが、やはり気軽に試し買いできる価格ではないのは事実です。
また日本では取扱店が限られていることもあり、中古市場でもまだ値崩れしにくく高値傾向です。
ただし裏を返すとリセールバリューが高いのも事実なのかなと思います。
ただし「パターはスコアの40%以上を占めるクラブ」と考えれば、投資する価値は大いにあります。最新テクノロジーとツアープロ監修のプレミアムモデルゆえ、価格面は割り切りが必要でしょう。
他の人気パターとの比較
OZ.1iと他の代表的なパターモデルの性能・価格を比較してみましょう。
今回は同社の他モデルであるDF3(大型マレット)とMEZZ.1(コンパクトマレット)に加え、他社の人気マレットパターとしてスコッティ・キャメロン Phantom X5、オデッセイ 2-Ball Tenをピックアップしました。
各モデルの「打感」「操作性」「ミスヒット耐性(安定性)」「価格」を◎(優れる)・○(標準)・△(劣る)の3段階評価で比較し、それぞれ主な特徴と使用プロをまとめています。
| モデル名 | 打感 | 操作性 | ミスヒット耐性 | 価格 | 使用プロ(例) |
|---|---|---|---|---|---|
| L.A.B. Golf OZ.1i | 硬めでシャープ △ | ブレード級に扱いやすい ◎ | 非常に高い安定性 ◎ | 高価(約12万)△ | 神谷そら(JLPGA) |
| L.A.B. Golf DF3 | ややソフトでマイルド ○ | 大型ヘッドでやや重い △ | 抜群の安定感 ◎ | 高価(約11万)△ | J.J.スパウン(PGA) |
| L.A.B. Golf MEZZ.1 | 中間的なしっかり感 ○ | コンパクトで良好 ○ | 高い安定性 ○ | 高価(約10万)△ | ルーカス・グローバー(PGA) |
| Scotty Cameron Phantom X5 | やや硬めだが上質 ○ | 高MOIながら良好 ○ | 高い安定性 ○ | 一般的(約6万)○ | パトリック・キャントレー(PGA) |
| Odyssey 2-Ball Ten Triple Track | 非常にソフト ◎ | ヘッド大きめで自動感 △ | 超高い安定性 ◎ | 手頃(約3万)◎ | シェーン・ローリー(PGA) |
各モデルとも特徴がありますが、OZ.1iはその中でも安定性と操作性のバランスが際立っています。
大型ヘッドのDF3は安定性こそ抜群なもののヘッドが大きく重いため操作性では劣りますし、逆にコンパクトなMEZZ.1は操作しやすい半面、MOIではDF3に及びません。
その点OZ.1iは「DF3並みの直進性」と「MEZZ.1並みの扱いやすさ」を兼ね備えた存在と言えます。
打感に関しては、Odyssey 2-Ballのようなソフトさとは対照的にOZ.1iは硬派な打感ですので好みは分かれるところですが、Scotty Cameron Phantom X5などの打感が好きな方には違和感なく受け入れられるでしょう。
また価格面では、L.A.B. Golf製パターはいずれも高級帯である一方、高品質な素材と唯一無二の技術が盛り込まれています。
対してオデッセイ等は手頃な価格で手に入る魅力があります。使用プロを見ても、DF3でメジャー優勝を果たしたJ.J.スパウン選手や、Mezz.1で復活優勝を遂げたルーカス・グローバー選手など、L.A.B.パターの性能はトッププロの実績で証明されています。
OZ.1iもアダム・スコット選手のお墨付きデザインということで、ツアーレベルで戦えるポテンシャルを持ったパターだと言えるでしょう。
L.A.B. GOLFの他のパターについては、以下でも詳細紹介しておりますので、気になる方はご確認ください。


ツアープロの使用例とコメント
OZ.1iは発売直後からプロの間でも注目されており、共同開発者のアダム・スコット選手自身も長尺バージョンにこのOZ.1シリーズのヘッドを取り入れて使用しています。
スコット選手は「自分の理想とする形状とフィーリングを実現するためにL.A.B.とコラボできて興奮した」と語っており、その完成度に大きな満足感を示しています。
実際、彼は従来使用していたヘッドをOZ.1に切り替え、ライ角バランス技術と相まってパッティングの安定感が向上したと言われます。
また、米男子ツアーではJ.J.スパウン選手がL.A.B. Golfのパター(DF3)を手にメジャー大会で優勝し、ルーカス・グローバー選手も同社のMezz.1パターへのスイッチ後に驚異的な復調を遂げました。
これらの成功が追い風となり、近年ツアーでL.A.B.パター使用者が増えています。米女子ツアーでも2024年の開幕戦でキム・アリム選手がL.A.B.パター(長尺タイプ)を使用して優勝し、続く大会でイエリミ・ノ選手もLABパター(Mezz.1 MAX長尺)で優勝するなど、「ゼロトルクパター」がプロの間で連勝する現象も話題になりました。
国内では、神谷そら選手(JLPGA)らが一時OZ.1iパターをバッグに入れていたことが知られています。
神谷選手は「構えたときにターゲットに真っ直ぐ合わせやすく、打ったときの音は硬めだけど打感自体は違和感なく馴染んだ」とコメントしており、その直進性と構えやすさを評価していました(※神谷選手は後に他モデルを投入していますが、本パターをテストした経験があります)。
アマチュア顔負けの繊細なタッチを求めるツアープロたちがこのパターを選ぶ背景には、「肝心な場面で信頼できる一本」という安心感があるのでしょう。
総じて、トッププロたちの使用例からもOZ.1iを含むL.A.B.パターの性能の高さが伺えます。
プロの間で「勝負どころで頼れるパター」として選ばれている事実は、我々一般ゴルファーにとっても大きな信頼材料です。
一般ユーザーの口コミ・レビューまとめ
では、実際に一般ゴルファーからの評価はどうでしょうか。
ゴルフショップ店頭や通販サイトに投稿された口コミや、SNS上の反応を調べてみました。
総合的な評価としては非常に高評価が目立ちます。
特に多く挙がっている良い点
「とにかく安定していてラインに乗せやすい」
やはりライ角バランス効果でフェースが勝手に開閉せず、打ち出し方向がブレにくいことを実感するユーザーが多いようです。「ショートパットで緊張しても、このパターなら真っ直ぐストロークするだけで入る感じがする」といったコメントもあり、パッティングの安心感が格段に増したという意見が多数見られました。
構えやすさ・方向合わせの容易さ
半月型ヘッドのシンプルなサイトラインが「ボールとカップを結ぶイメージを出しやすい」と好評で、「初めてセンターシャフトを使ったが真っ直ぐ置きやすく違和感がなかった」という声もありました。
見た目の高級感や独特の形状も「思ったより構えやすく、むしろカッコいい」とデザイン面を褒める意見が多いです。
打感については賛否両論ありつつも、「芯を食ったときの打感と転がりが癖になる」という肯定的な意見が目立ちます。「インサート無しのモデル(OZ.1)よりも明らかにボール初速が出て、カップまでしっかり届く」という感想や、「硬めだけど嫌な衝撃ではなく、芯に当たった快感がある」という声もありました。
特に距離感の向上を挙げるユーザーが多く、「いつもショートしていた下りのロングパットがちゃんと打てるようになった」といった具体的な効果を報告する人もいます。
その他、「サイズ感がちょうど良い」というコメントも散見されます。
過去のDF2.1やMezz.1 MAXのような大型ヘッドだと構えに違和感を覚えた人でも、「OZ.1/OZ.1iのほどよい大きさなら構えやすかった」という評価があります。
「大きすぎず小さすぎないヘッドで方向が合わせやすい」と感じるユーザーが多いようです。
悪い評価
価格面
一番多いのは価格面のネガティブです。
「さすがにパター1本にこの値段は高い」「気になるけど試すハードルが高い」という声は根強く、購入を迷う大きな要因になっています。また「日本では試打できる場所が少なく、人柱になる覚悟が必要だった」といった意見もあり、入手性や試打環境の限られさがデメリットに挙げられています。
打感の硬さ・打音
打感の硬さ・打音に関する指摘もあります。
「インサート付きなので予想はしていたが、やはり打音は『カツン』と大きめ」「もう少しマイルドな感触の方が好き」という声が一部で見られます。特にオデッセイのような柔らかい打感から乗り換えたユーザーの中には、「最初は音と感触に戸惑った」という人もいるようです。
ただ「使っているうちに慣れてきて、今ではこのシャープな打感が気持ちいい」と後に肯定的に捉えているケースも多く、慣れの問題という面もありそうです。
重さ
重量の重さについては、「最初持ったときズッシリ感じた」という意見はありますが、「振ってみると重さを感じにくい」「重いおかげで余計な手の動きが減った」という肯定的な声の方が多い印象でした。
ただ「長時間練習すると腕が疲れた」という人も一部いるので、非力な方や振り心地の好みによっては注意が必要かもしれません。
総じて、一般ユーザーの口コミから浮かび上がるのは「高性能だが高価格」「硬めのフィーリングは好み次第」という点です。
ただし性能面に関しては概ね絶賛されており、「このパターに替えてから明らかにパット数が減った」「買って良かった、値段以上の価値があった」という満足度の高いレビューが非常に多いのが印象的でした。
OZ.1iは購入者の期待にしっかり応える実力を備えたパターと言えるでしょう。
筆者の試打インプレッション
筆者はゴルフ歴20年・平均スコア80台のアベレージゴルファーですが、実際にOZ.1iをコースと練習グリーンで試打してみました。そのリアルな感想をお伝えします。

引用:OZ.1 / OZ.1i
まず構えた第一印象は「意外なほどすんなり違和感がない」ということ。
私は普段ピン型ブレードパターを使っているのですが、OZ.1iを初めて手にしたときもヘッド形状に戸惑いはありませんでした。センターシャフト系はフェースが自分にまっすぐ向くので構えづらいのでは…と懸念していましたが、黒いヘッドに一本のサイトラインがクッキリ見えて、ボールとラインを一直線に合わせやすかったです。
適度なヘッドサイズのおかげで「ヘッドが勝手に動いてしまう」感じもなく、狙った方向にスクエアに置ける安心感があります。
ストロークしてみると、噂どおりフェースが勝手に開閉せず終始安定しているのを感じました。
私のやや不安定なストロークでも、フェースが変に開いたり被ったりせず、常にターゲットに向いたまま振り子運動できる感覚です。実際、5~6mの中距離パットを何球か打ってみて、明らかに打ち出し方向のブレが減り、カップに蹴られる惜しい球が増えた印象があります。芯を外したショットでもヘッドがグラつかないので転がりもほとんど乱れず、「多少ズレても入ってしまいそう」と感じるほどの許容性でした。
正直、今まで使ってきたどのパターより直進性の高さは抜群です。
肝心の打感については、やはり硬めでカチッとした感触ですね。
最初の1球は「おっ、結構音が高いな」と驚きましたが、不思議と嫌な硬さではありません。芯でヒットしたときには心地よい金属音とともにしっかりとした手応えがあり、「芯を食った!」と実感できます。
私はこれまで軟らかい樹脂インサートのパターも使いましたが、それと比べるとOZ.1iは明確なフィードバックが得られるので、打点のズレやタッチの強弱が掴みやすいです。
強いて言えば、夜間の静かな練習グリーンなどでは打音が響くので少し気になるかもしれません。しかし屋外ラウンドでは全く問題なく、むしろパチンと前に転がる爽快感が心地よく感じられました。
距離感に関しては、最初の数球こそいつも通り打ったつもりでオーバーさせてしまいましたが、すぐに慣れました。
ステンレスインサート効果で初速が速い分、今までショートしていた下りのパットがちょうど良くカップまで届くようになりました。
私は下りのロングパットでよく弱く打ってしまう癖があるのですが、OZ.1iに替えてから「しっかりヒットしても大丈夫」と思えるので心理的に安心です。逆に上りや重いグリーンではタッチを緩めすぎないよう注意が必要ですが、転がりがスムーズなので強く打ちすぎてもラインから外れにくい印象です。
重量については、手に持った瞬間は「重いな」と感じましたがストローク中は重さをさほど意識しませんでした。それどころか重めヘッドのおかげでストローク軌道が安定するメリットを感じます。
私の場合、軽いパターだと手先でヒョイっと上げてしまいがちなのですが、このパターはヘッドの重みでゆっくり一定のテンポで引けるので、結果的にストロークが安定しました。ラウンド中もショートパットで緩むミスが減り、終始安定したテンポで打てたのは重量バランスの効果だと思います。
総合的に、「これは手放せないかも」と思わせてくれるパターでした。実は半信半疑で試したのですが、ラウンド終盤にはすっかり打感にも慣れて、むしろ“真っ直ぐ転がってくれる信頼感”の虜になりました。
普段ブレード派の私でもすんなり受け入れられ、「これならマレットに替えてみてもいい」と思えたほどです。ショートパットの安心感とロングパットの距離感向上を両立できたのは初めての経験でした。
唯一気になる点を挙げるなら、やはり値段でしょうか…。性能に対する満足度は非常に高いものの、この価格なので「絶対にパット数を減らすぞ!」という強い決意が無いと購入の決断は難しいかもしれません。
ですが、パターほどスコアに直結するクラブは他にありませんし、何より入れごろ外しごろの1mパットが入る喜びはプライスレスです。
個人的には、それを考えればこの投資は十分報われると感じました。
このパターのメリット・デメリット
最後に、O1Z.1iのメリットとデメリットを改めて整理してみましょう。
《メリット》
直進性が抜群で安定感が高い
最大のメリットは圧倒的な直進性とミスヒットへの寛容さです。
ゼロトルク設計によりフェースがブレず、オフセンターでもラインに乗せやすいのでパット数削減に直結します。
ショートパットの不安が激減し、強気にストロークできる安心感があります。
構えやすく操作性も良い
半月型の適度なヘッドサイズとセンターシャフトデザインで、ターゲットに合わせやすく構えやすいです。大型マレットのような違和感がなく、ブレードに近い感覚でフェースをコントロールできます。
安定性と操作性のバランスが非常に優秀です。
シャープな打感と転がり
ステンレスインサートによる硬めでクリアな打感は、インパクトの手応えが明瞭で距離感が合わせやすいです。ボール初速が速く、転がり出しがスムーズなのでカップまでしっかり届くパッティングが可能になります。
硬めの打感が好みの方にはたまらないフィーリングでしょう。
高い品質とカスタム性
航空機用アルミや高級ステンレスなど素材も高品質で、仕上げやデザインにも高級感があります。
長さ・ライ角・ヘッド重量・シャフト傾斜角度など細かくカスタムオーダーでき、自分にピッタリの一本に仕上げることも可能です(※別途カスタム注文)。
グリップやシャフトのオプションも豊富で、こだわり派のニーズに応えられます。
プロお墨付きの信頼感
ツアープロとの共同開発モデルであり、実際にトッププロが使用・実績を出していることで信頼感があります。
アダム・スコット選手監修という事実だけでも所有欲を満たしてくれますし、「プロも使う武器を自分も使っている」というモチベーションアップにもつながります。
《デメリット》
価格が非常に高い
最大のデメリットはやはり価格設定です。
10万円を超えるパターは市場でも最高級クラスで、気軽には手を出しにくいでしょう。
コストパフォーマンスを重視する方には大きなハードルです。
ただ、それだけの価値を見出せるかどうかが購入の分かれ目になります。
硬めの打感・打音
打感が硬く打音も高めな点は、人によってはデメリットに感じるでしょう。ソフトな打感に慣れていると最初は違和感があるかもしれません。
「インパクト音が大きく感じる」「柔らかい感触が好きな人には向かない」といった指摘もあります。フィーリングの好みが合わないと性能が良くても満足できない可能性はあります。
重量感がある
総重量が重めなので、軽いパターになじんだ人には扱いづらさを感じる場合があります。特にヘッドを走らせて打つタイプの人は最初重さに戸惑うかもしれません。
また長時間練習すると腕に負担がかかりやすい点も考慮が必要です。ただし多くのユーザーはすぐ慣れて問題にならないと言っています。
入手・試打のハードル
日本国内での取扱店がまだ少なく、実物を手に取って試せる機会が限られます。通販で購入するにしても高額なため不安があり、「試さずに買うには勇気がいる」という声も。
フィッティングサービスもありますが手間や費用が掛かるので、購入前に体験しづらい点はデメリットです。
特殊な技術への適応
ライ角バランスという特殊な技術ゆえ、慣れるまでに時間が必要な場合があります。ストローク中にフェースが動かない感覚は、人によっては「少し不思議な感じがした」との声も。
決して難しいパターではありませんが、「最初は今までの癖で打つとオーバーした」「ヘッドを返そうとすると違和感がある」というケースもあるようです。
使いこなすには従来の感覚を少しアップデートする意識が必要かもしれません。
以上のように、OZ.1iはメリット・デメリットがはっきりした尖ったモデルと言えます。ただ、多くのゴルファーにとってメリットの恩恵(パットの安定・改善)がデメリットを大きく上回る魅力があるパターではないでしょうか。
購入前のFAQ
最後に、OZ.1i購入前によくある疑問や不安点についてQ&A形式でまとめます。高額なクラブだけに「買って後悔しないかな…」と迷う方も多いはず。
ここではそんな不安を少しでも解消し、納得して購入判断ができるよう回答していきます。
- センターシャフトのパターを使ったことがないのですが、構えにくくないですか?
-
ご安心ください。OZ.1iはセンターシャフトでも非常に構えやすいと好評です。
ヘッド自体が半月型でターゲットに対して真っ直ぐ構えやすく、一目でわかるサイトラインもあるので、フェース面をスクエアにセットしやすい設計です。むしろ「構えたときにフェースが自分に向かって真っ直ぐなのでターゲットラインをイメージしやすい」という声もあります。
初めてセンターシャフトを使う方でも数球打てば違和感なく構えられるでしょう。
- ライ角バランスのパターはフィッティングしないと意味がないと聞きました。本当に自分に合うでしょうか?
-
ストロークを最適化するにはフィッティングが理想ですが、OZ.1iのストックモデル(既製品)は多くの人に合う平均的スペックに設定されています。
標準ライ角69°・長さ33~35インチは一般的な構えにマッチしやすい値です。
実際、多くのユーザーがストックモデルで効果を実感しています。ただし身長やアドレス姿勢が特殊な場合はフィッティングでライ角・長さ調整するとベストです。L.A.B. Golfはリモートフィッティングサービスも提供しているので、不安な場合は活用してみるのも良いでしょう。
- 打感が硬いとのことですが、ソフトなインサートに慣れている自分でも大丈夫でしょうか?
-
確かにOZ.1iの打感は従来のオデッセイやテーラーメイドのインサート系パターと比べれば硬めです。しかし「硬い=悪い」ではありません。
硬めの打感には明瞭なフィードバックという利点があり、最初は戸惑っても使い込むほど距離感を掴みやすくなるとの声が多いです。「今までボヤけていた芯の感触がハッキリ分かるようになった」というユーザーもいます。もし打音が気になる場合はインサート無しのOZ.1(オールアルミモデル)を検討する手もあります(こちらはややソフトな打感です)。
感じ方には個人差がありますが、硬め=タッチが出しやすいと感じる人も多いので、食わず嫌いせず試してみる価値はあります。
- パター自体が重いと聞きました。非力な自分でも振りこなせるでしょうか?
-
問題なく振りこなせるケースがほとんどです。
確かに総重量は通常のパターより重めですが、ライ角バランス設計のおかげでストローク中にその重さを感じにくい特徴があります。むしろ「重さがある分、余計な力みが抜けてストロークが安定した」という声もあります。
非力な方でも、振り子運動を意識すればヘッドの重みで勝手にストロークできるでしょう。
ただ、どうしても重く感じる場合はカスタムで軽量ヘッドを選ぶことも可能です。標準ヘッドが約360gに対し、軽めヘッドならそれより軽く調整できます。ご自身の感覚に合わせてチョイスできる点も安心材料です。
- 高額なので買って合わなかったら…と不安です。投資する価値は本当にありますか?
-
投資する価値は大いにあると筆者は考えます。
確かに決して安い買い物ではありませんが、パッティングはスコアメイクの要であり、その部分を劇的に安定させられる可能性を秘めたクラブです。実際に購入者の多くが「パット数が減った」「精神的な負担が軽くなった」と満足しています。値段相応の高品質な造りや耐久性もあり、長く使える相棒になるでしょう。
どうしても不安な場合は、取扱店で試打させてもらったり、中古で試してみるのも一つの手です。
しかし在庫が少なく中古価格も高止まりしている現状を考えると、気になった時が買い時とも言えます。
上達やスコア改善への投資として、真剣にゴルフに取り組む方には決して損はしないクラブだと断言できます。
どんな人におすすめ?
OZ.1iパターは、以下のようなゴルファーに特におすすめできるモデルです。
パットの安定感を最優先したい人
ショートパットを外してしまうことが多かったり、プレッシャー下で手が震えてフェースがブレる…といった悩みを持つ方には最高の相棒になります。とにかくストロークさえすればフェースが真っ直ぐ戻ってくる安心感は、パッティングイップスの克服にもつながるでしょう。
ラインに乗せる技術よりストロークの再現性で勝負したい人には打ってつけです。
オフセンターヒットが多い人
芯を外すミスが出ても結果が大崩れしにくい寛容さがあるので、パターフェース中央で捉える自信がない方でも安心です。
「芯でヒットしなくても距離感・方向性が大きく狂わない」ので、パッティングが苦手な初心者~中級者にも優しいクラブと言えます。
これまで大型マレットが苦手だった人
DF2.1やSpider EXなどの大型マレットを試したけど「構えづらかった」という方にも一度試してほしいモデルです。
OZ.1iはマレットの安定性を維持しつつコンパクトに仕上げたデザインなので、ブレード派でも受け入れやすいはずです。
実際ブレード愛用者のプロや上級者でも違和感なく移行できたケースが多く、マレット入門としても適しています。
硬めの打感・しっかりしたフィードバックが好きな人
インパクトの感触や音で距離感を掴むタイプの方には、OZ.1iの打感はマッチします。
「柔らかすぎると物足りない」「芯を食った感触がもっと欲しい」という方にはぴったりで、打つ快感を得られるパターです。
逆にソフトな打感が絶対条件という方にはおすすめできませんが、打感以外のメリットが大きいので試してみる価値はあります。
パター選びに行き詰まっている人
これまで色々なパターを試したがしっくり来ず、「最後の手段」としてゼロトルクパターに興味を持っている方にも是非おすすめします。
特殊なテクノロジーゆえ敬遠されがちですが、その効果は実証済みです。
特にストロークの再現性に課題がある人は、クラブの力でそれを補ってくれるOZ.1iを使うことで劇的に状況が変わる可能性があります。
高価ではありますが、その価値は十分に見出せるでしょう。
パッティングに自信をつけたい人
最後に、純粋に「パターに絶対の自信を持ちたい!」という全てのゴルファーに推奨します。
OZ.1iは性能面だけでなく、所有することで精神的な拠り所となるような安心感と誇りを与えてくれるクラブです。
大事な場面でも「このパターなら入る」と自信を持って構えられることは、スコア以上にゴルフの充実感を高めてくれるはずです。
以上のように、OZ.1iは初心者から上級者まで幅広くメリットを享受できるポテンシャルがありますが、特に安定感を求めるゴルファーやパターに悩みを抱えるゴルファーにとって救世主になり得るモデルです。
記事のまとめ
アダム・スコット選手監修のL.A.B. Golf「OZ.1i」パターは、革新的なライ角バランス技術とツアーインスパイアのデザインが融合した、唯一無二の高性能パターです。
最大の魅力である直進性と安定感は、ショートパットの不安を取り除き、オフセンターヒットさえも包み込んでラインに乗せてくれます。
同時にコンパクトなヘッド形状と適度なフェースローテーション性能により、ブレードパターのような操作性も持ち合わせています。
「フェースを真っ直ぐ保ちながら、自分の手でしっかり打てる」という絶妙なバランスが、このパターを特別な存在にしています。
硬めの打感と高速の転がり出しは、人によって好みが分かれるポイントではありますが、距離感習得やフィードバックという観点では大きな武器になります。何より、パットが入る喜びと自信を手にできる可能性が高いクラブです。
実際に多くのゴルファーがOZ.1iへのスイッチでパッティングが向上し、「もっと早く使えば良かった」と口を揃えています。
もちろん決して安い買い物ではありません。
しかし、「パットイズマネー(パットはお金に直結する)」と言われるほどゴルフスコアにおいてパターは重要です。
スコアアップを真剣に目指すのであれば、最高のパフォーマンスを発揮できるパターを選ぶことは賢明な投資と言えるでしょう。OZ.1iはそんな投資に見合うだけの価値と感動を提供してくれるはずです。
あなたがもし現在のパッティングに少しでも不満や伸びしろを感じているなら、この最新パターを手に取ってみてください。真っ直ぐ転がるボールがカップに吸い込まれる快感を味わえば、きっと「OZ.1iにして正解だった」と思えることでしょう。
ぜひ次回のラウンドでは、新たな秘密兵器とともに自信に満ちたパッティングを楽しんでください!
