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パターの距離感は「歩測」が9割!3パットを撲滅する基準の作り方

「今日は距離感が合わない…」
「スタートホールで大オーバーして、そこから怖くて打てなくなった」

そんなふうに、その日のパッティングが「運任せ」になっていませんか?

多くのゴルファーが「距離感=センス(才能)」だと思い込んでいます。
しかし、それは大きな間違いです。

距離感は、「歩測」と「振り幅」の方程式を使えば、誰でも機械的に作ることができます。
センスのあるなしに関わらず、今日からすぐに実践できる技術なのです。

この記事では、感覚に頼らず、論理的に距離を合わせるプロの技術を伝授します。
これを読めば、あなたのパッティングは「イチかバチかのギャンブル」から「計算できるゲーム」に変わりますよ。


目次

【結論】距離感は「感覚」ではなく「歩測」で作るもの

アマチュアゴルファーが距離感を合わせられない最大の理由は、「見た目」だけでなんとなく打っているからです。

カップを見て「あそこまでこれくらいかな?」と感覚だけで打つのは、目盛りのない定規で線を引くようなもの。
その日の体調や視覚効果(錯覚)によって、簡単に狂ってしまいます。

一方、パターの上手い人やプロは、見た目だけで打っていません。必ず「歩測(距離)」×「基準の振り幅」という計算式を持っています。

「10歩なら、右足の小指まで引く」

この自分だけの基準さえあれば、どんなゴルフ場に行っても、どんなに緊張していても、距離感は大きく狂いません。

今日から「感覚派」を卒業し、「計算派」になりましょう。それが、3パットを撲滅する唯一にして最短のルートです。


なぜあなたのパターは「距離」が合わないのか?

では、なぜあなたの距離感は日によってバラバラなのでしょうか?

その原因は主に3つあります。これらを理解せずに練習しても、穴の空いたバケツに水を入れるようなものです。

原因症状対策
基準がない日によって距離感がバラバラ「歩測」と「振り幅」をリンクさせる
芯を外す思ったより転がらない(ショート)芯で捉える練習(輪ゴムドリル等)
リズムが悪い大オーバーや大ショートメトロノーム等で一定テンポを刻む

1. 自分の中に「基準」がないから

あなたは「平らなグリーンの5mは、どれくらいの振り幅で打ちますか?」と聞かれて、即答できますか?

もし「これくらい…かな?」と答えに詰まるなら、それが距離感が合わない最大の原因です。

自分の中に確固たる「基準(物差し)」がないため、毎回その場の雰囲気で打ってしまっています。

これでは、たまたま合う日はあっても、合わない日に修正することができません。「右足の外側まで引いたら5m」といった明確な基準を持つことが、安定したパッティングの第一歩です。

2. 芯(スイートスポット)で打てていないから

いくら振り幅が完璧でも、パターの芯(スイートスポット)を外してしまえば、ボールに力が伝わらずショートします。逆に、たまたま芯に当たると、今度はオーバーしてしまいます。

「今日はショートが多いな」と感じる日は、距離感のズレではなく、単に芯を外しているだけの可能性が高いです。

距離感を語る前に、まずは毎回同じ打点で捉える技術が必要です。これは自宅のパターマットで、芯に当てる練習(輪ゴムドリルなど)を繰り返すことで養えます。

3. リズムが毎回バラバラだから

「パンチが入る(急加速)」や「緩む(急減速)」は、距離感を狂わせる諸悪の根源です。振り幅が同じでも、ヘッドスピードが速ければ飛びますし、遅ければ飛びません。

上手い人のストロークを見ると、どんなに短いパットでも長いパットでも、「イチ、ニ」というリズムが一定です。

メトロノームアプリなどを使って、自分にとって心地よいテンポ(例:毎分70〜80拍など)を見つけ、常にそのリズムで振るように心がけましょう。リズムが整えば、距離感は驚くほど安定します。


【実践編】朝の練習グリーンで完了!「基準」の作り方

ここからは具体的なノウハウです。ラウンド当日の朝、練習グリーンで必ずやってほしい「基準作り」の3ステップを紹介します。

これをやるだけで、その日のスコアが劇的に変わります。

ステップ1:平らな場所で「10歩」を歩測する

練習グリーンに着いたら、まずはボールを打たずに、平らな場所を探してください。
そして、カップから離れていき、「通常の歩幅で10歩(約7〜8m)」の地点にボールを置きます。

この時、カップに入れる必要はありません。とにかく「上り下りのない、平らなライン」を見つけることが最優先です。傾斜があると基準が作れないので、慎重に場所を選んでください。

ステップ2:カップを見ながら「素振り」で距離を合わせる

ボールの横に立ち、カップ(10歩先)をじっと見つめます。そして、ボールを見ずに、カップを見たまま素振りを繰り返してください。

人間の脳は非常に優秀です。ターゲット(カップ)を見て「あそこまで届け」と念じながら素振りをすると、自然と脳が適切な振り幅を弾き出し、体に指令を送ります。

「これくらいの強さかな?」という感覚が手に伝わってくるまで、何度も素振りをしてください。

ステップ3:その「振り幅」を自分の体で覚える

「よし、これくらいだ」という感覚が決まったら、その素振りの振り幅を目視で確認します。
テークバックした時、ヘッドはどこにありますか?

  • 「右足のつま先の前」ですか?
  • 「右足の小指の外側」ですか?
  • 「靴1足分外側」ですか?

その位置を覚えてください。

もしそれが「右足の小指」なら、「今日のグリーンの速さでは、10歩=右足小指」というのが、あなただけの絶対的な基準になります。これを覚えたらもう迷うことはありません。


コースでの応用!「基準」を使った距離の計算式

基準(例:10歩=右足小指)ができたら、あとはコースでそれを応用するだけです。
複雑な計算は必要ありません。シンプルな「足し算」と「引き算」で攻略できます。

基本は「足し算」と「引き算」だけ

ボールからカップまで歩測をして、その歩数を基準に当てはめます。

  • 15歩の距離なら?
    「10歩の基準(右足小指)」+「ちょっと大きく(靴半分くらい)」振る。
  • 5歩の距離なら?
    「10歩の基準(右足小指)」の半分くらいの振り幅で振る。

このように、厳密に「何センチ引く」と決めるのではなく、基準をベースに「プラス・マイナス」する感覚でOKです。
基準という「ゼロ地点」があるからこそ、微調整が可能になるのです。

上り・下りの計算方法

傾斜がある場合も、全て「歩数」に換算して計算します。

  • 上りの場合
    見た目の距離に、傾斜分をプラスします。
    「見た目は10歩だけど、上りがキツイから+3歩だな」→ 「13歩」打つつもりで構える。
  • 下りの場合
    見た目の距離から、傾斜分をマイナスします。
    「見た目は10歩だけど、下りが速いから−3歩だな」→ 「7歩」打つつもりで構える。

全てを「平地の距離」に変換してから、基準の振り幅を当てはめるのがコツです。
これなら、「上りだから強く打とう」としてパンチが入るミスを防げます。


どうしても合わない時に!「感覚」を磨く特効薬ドリル

基準を作っても、どうしてもタッチが合わない日や、感覚がおかしくなってしまう日はあります。
そんな時の緊急処置として、即効性のあるドリルを2つ紹介します。

カップを見ながら打つ「ルックアップ奏法」

ジョーダン・スピースなどのトッププロも実践している方法です。

通常はボールを見て打ちますが、このドリルでは「カップ(ターゲット)だけを見て」打ちます。

ボールを見ていると、どうしても「打ち方」や「振り幅」に意識がいきがちです。

しかし、カップを見続けることで、脳に入ってくる視覚情報(距離)と、手の感覚(タッチ)がダイレクトに直結します。「あそこまで投げる」という感覚でストロークできるため、距離感のズレが強制的に修正されます。

ロングパットの距離感が全く合わない時に、ぜひ試してみてください。

右手一本で転がす「手投げ感覚ドリル」

パターを持たず、ボールを右手(利き手)で持ち、下手投げでカップに向かって転がします。
ゴミ箱にゴミを投げるような感覚です。

この時、どれくらいの振り幅で、どれくらいのスピードで腕を振りましたか?

その「腕の振り感」こそが、あなたが本来持っている距離感です。手で転がした時のイメージをそのままパターのストロークに落とし込むことで、失っていた距離感を取り戻すことができます。

スタート前の練習グリーンで、パターを持つ前に数球転がしておくと効果的です。


よくある質問(Q&A)

Q. 歩測をするのが恥ずかしいのですが…

A. 恥ずかしがる必要は全くありません。むしろやるべきです。

上手い人やプロゴルファーを見てください。全員必ず歩測をしています。
歩測をせずに見た目だけで打つ方が、同伴者からは「距離感を合わせる気がないんだな」「適当に打っているな」と思われてしまいます。

スロープレーにならないよう、キビキビと歩けば全く問題ありません。
堂々と歩測をして、自分の距離感を信じて打ってください。その姿は、間違いなく「上手いゴルファー」のそれです。

Q. グリーンが速い日と遅い日で基準は変える?

A. いいえ、自分の「基準の振り幅」は変えません。

ここが非常に重要なポイントです。
「今日は速いから、基準の振り幅を小さくしよう」とすると、スイング自体が緩んでミスになります。

変えるのは振り幅ではなく、「転がる距離の計算」です。

  • 速い日:いつもの「10歩の振り幅(右足小指)」で打つと、12歩転がる。
    →「今日は+2歩転がる日だ」と認識する。
  • 遅い日:いつもの「10歩の振り幅」で打つと、8歩しか転がらない。
    →「今日は−2歩の日だ」と認識する。

この「誤差」を朝の練習で把握し、コース上の計算に組み込むのがプロの調整法です。
自分のスイング(基準)は常に一定に保つことが、安定感を生み出します。


まとめ:距離感は「計算」できれば武器になる

パターの距離感は、生まれ持った才能ではありません。
正しい手順を踏めば、誰でも手に入れられる「技術」です。

  • 朝の練習グリーンで、平らな10歩を見つける。
  • 10歩に対応する「自分の振り幅」を決める。
  • コースでは歩測をして、基準の振り幅を足し引きする。

これだけで、あなたのパッティングは劇的に変わります。

「センスがない」と嘆く前に、まずは次回のラウンドで「10歩の基準」を作ってみてください。
パッティングが「運任せのギャンブル」から「計算できるゲーム」に変わり、3パットの恐怖から解放されるはずです。

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