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パターの持ち方はどれが正解?ミス傾向で選ぶ「運命のグリップ」5選

「プロみたいにクロスハンドにした方がいいのかな?」
「今の握り方で合ってるのか自信がない…」

そんなふうに、パターの持ち方で迷子になっていませんか?

雑誌やYouTubeを見れば「最新の〇〇グリップが最強!」といった情報が溢れていますが、試してみてもしっくりこないこと、ありますよね。

実は、パターの持ち方に「万人に共通する正解」はありません。
あるのは、「あなたの今のミスを消してくれる正解」だけです。

この記事では、代表的な5つのグリップを「どんなミスに効くか」という視点で解説します。これを読み終える頃には、あなたの悩みを解決してくれる「運命のグリップ」が必ず見つかるでしょう。


目次

【結論】パターの持ち方は「自分のミス」を消すものを選べ

パターの持ち方を選ぶ基準は、「カッコいいから」でも「流行っているから」でもありません。「自分のミスを打ち消してくれるかどうか」これに尽きます。

なぜプロゴルファーは、頻繁に持ち方を変えるのでしょうか?
それは、その時々の調子やミスの傾向に合わせて、薬を変えるようにグリップを調整しているからです。

「最近、引っかけ(左へのミス)が多いから、左手首を固定できるクロスハンドにしよう」
「パンチが入って距離が合わないから、右手の感覚を消せるクロウグリップにしよう」

このように、グリップは「ミスの処方箋」なのです。一つの持ち方に固執する必要はありません。今のあなたの症状に合った薬(グリップ)を選べば、劇的にスコアは改善します。


【診断】あなたの悩みはどれ?ミス傾向別おすすめグリップ

では、具体的にどのグリップを選べばいいのでしょうか?
あなたの現在の悩み(ミスの傾向)から、最適なグリップを逆引きで探してみましょう。

悩み(ミス傾向)おすすめグリップ特徴
引っかけ(左)クロスハンド左手首固定、肩の回転で打てる
押し出し(右)逆オーバーラッピング右手の感覚重視、操作性が高い
パンチが入るクロウグリップ右手の悪さを封印、繊細なタッチ
手首をコネるアームロック左腕と一体化、オートマチック

左へのミス(引っかけ)が多い人

おすすめ:クロスハンドグリップ

「大事な場面でどうしても左に引っかけてしまう…」
そんなあなたには、左手を下(ヘッド側)、右手を上にして握る「クロスハンド」が特効薬です。

通常の握り方だと、インパクトで右手首が返ってしまい、フェースが閉じて左に飛びやすくなります。しかし、クロスハンドは左腕とパターが一直線になりやすく、構造上、左手首をコネにくくなります。

左サイドの壁を作って、肩の回転だけでストロークできるようになるため、引っかけのミスが激減します。
ジョーダン・スピースをはじめ、多くのプロが採用している信頼性の高いグリップです。

クロスハンドグリップについて詳しく解説した記事もあるので、読んでみてください。

右へのミス(押し出し)が多い人

おすすめ:逆オーバーラッピング(基本)

「狙ったところより右に出てしまう」「ボールがつかまらない」
そんなあなたは、基本の「逆オーバーラッピング」を見直すか、ここに戻るのが正解です。

これはショットの握り方に近く、右手が下に来るため、右手の感覚(操作性)を活かしやすいのが特徴です。
右手を適度に使ってフェースをターンさせることができるため、ボールをしっかりつかまえて、右へのプッシュアウトを防げます。
「やっぱりこれが一番しっくりくる」という人が多いのも事実。
変に難しく考えず、右手のひらの感覚でボールを包み込むように打つと、方向性が安定します。

距離感が合わない(パンチが入る)人

おすすめ:クロウグリップ

「ショートパットでインパクトが強くなってしまう(パンチが入る)」
「ロングパットの距離感がノーカンになる」

そんなイップス気味の症状には、「クロウグリップ」が劇的に効きます。

右手でグリップを握り込まず、ペンを持つように添えるだけのスタイルです。右手の悪さ(余計な力みや操作)を物理的に封印できるため、インパクトが驚くほどスムーズになります。

「打ちに行く」動きがなくなり、ヘッドの重みだけで振り子のように打てるようになるため、繊細なタッチが出せるようになります。近年、ツアープロの間で爆発的に増えているのも納得の性能です。

手首を使いすぎてしまう人

おすすめ:アームロック / 合掌グリップ

「どうしても手首をコネてしまう」「手先で打ってしまう」
そんな悩みには、物理的に手首を固定する「アームロック」や、左右均等に握る「合掌グリップ」がおすすめです。

アームロックは、長めのグリップを左前腕にピタリと密着させて固定します。左腕とクラブが完全に一体化するため、手首を折る動きが物理的に不可能になります。

一方、合掌グリップは両手のひらを合わせて挟むように握ります。左右の手の高さが揃うため、肩のラインが水平になりやすく、きれいな振り子ストロークが身につきます。どちらも「オートマチック」に打ちたい人には最適です。


【図鑑】代表的なパターの持ち方5選と握り方のコツ

ここでは、代表的な5つのグリップの具体的な握り方と、それぞれのコツを解説します。気になったものを、次回の練習で試してみてください。

1. 逆オーバーラッピング(基本)

最もポピュラーで、パターグリップの基本形です。ショットの「オーバーラッピング」とは逆に、左手の人差し指を右手の指(小指や薬指)の上に重ねます。

【握り方のコツ】
左手の人差し指を、右手の指の隙間にしっかりと乗せて「一体感」を作ることが重要です。両手で隙間なくグリップを挟み込むイメージを持ちましょう。

右手のひらがターゲット方向を向くように握ると、フェース面の管理がしやすくなります。まずはこれから始めて、違和感があれば他のグリップを試すのが王道ルートです。

2. クロスハンド(左手下)

左右の手を入れ替えて、左手を下、右手を上にして握ります。「逆手(さかて)」とも呼ばれます。

【握り方のコツ】
左肩を少し下げて構えるのがポイントです。左腕とシャフトが一直線になるようなイメージを持つと、手首が固定されやすくなります。

ストローク中は、右手を使わず、左手の甲でボールを押し込んでいく感覚を持つと、フェース面がブレずに真っ直ぐ転がります。最初は距離感が掴みにくいかもしれませんが、ショートパットの安定感は抜群です。

3. クロウグリップ(ペンシル)

左手は普通に握り、右手はグリップを横から、または上から添えるように握ります。右手の握り方にはバリエーションがありますが、親指と人差し指で挟む形が一般的です。

【握り方のコツ】
右手は「握る」のではなく、本当に「添えるだけ」にしてください。右手の役割は、ヘッドの軌道を安定させるガイド役です。

打つ力は左手(または肩の回転)で生み出し、右手はインパクトで何もしないこと。これができれば、パンチが入るミスとは無縁になれます。見た目は独特ですが、慣れると驚くほどスムーズにヘッドが出ます。

4. アームロック(中尺)

中尺パター(少し長めのパター)を使用し、グリップエンド側を左腕に固定して握ります。ブライソン・デシャンボーが採用して有名になりました。

【握り方のコツ】
極端なハンドファースト(手がヘッドより前にある状態)で構えるのが基本です。左前腕の内側にグリップを押し付け、絶対に離れないように圧力をかけ続けます。この「固定」が命です。

ロフトが立った状態で当たるため、転がりが非常に良くなりますが、専用のパター(ロフト角が多いもの)が必要になる場合が多いです。

5. 合掌グリップ(プレイヤー)

両手のひらを向かい合わせにし、グリップを挟むようにして握ります。左右の手の高さが同じになるのが特徴です。

【握り方のコツ】
両手のひらで、グリップを均等な力で挟み込みます。指先を下に向けて伸ばすように握ると、手首の動きを抑制できます。

両肩とグリップを結んだ三角形を崩さずに、肩の回転だけでストロークするのが鉄則です。リッキー・ファウラーのように、少し短く持つと操作性が高まります。手の一体感が強く、シンプルなストロークを目指す人に適しています。


全グリップ共通!これだけは守りたい「握りの鉄則」

どの持ち方を選んでも、これだけは守らないと入らないという「鉄則」があります。
形だけ真似しても、ここが抜けていると効果は半減してしまいます。

小鳥を包むように「ゆるく」握る

「しっかり握らなきゃ」と思って、ガチガチに力を入れていませんか?
グリッププレッシャー(握る強さ)が強すぎると、腕の筋肉が硬直し、スムーズなストロークができなくなります。
また、指先の感覚が鈍り、繊細なタッチが出せなくなります。

理想の強さは、「小鳥を潰さないように包む強さ」「歯磨き粉のチューブから中身が出ないくらいの強さ」と言われます。
誰かにパターヘッドを引っ張られたら、抵抗できずにスッと手から抜けてしまうくらい、ゆるゆるでOKです。
この「ゆるさ」が、ヘッドの重みを感じ、再現性の高い振り子運動を生み出します。

手のひらではなく「指」で握る(パームvsフィンガー)

パターは、ゴルフのクラブの中で最も繊細な感覚が求められます。
手のひら(パーム)でべったり握ると固定感は出ますが、指先のセンサーが働きにくくなります。

基本は、「指(フィンガー)」で握ることです。
指の付け根あたりでグリップを挟むように握ると、ヘッドの重みやインパクトの衝撃を敏感に感じ取ることができます。
特に右手の指先の感覚は、距離感を合わせる上で非常に重要です。
「手のひらで握り込んでいないか?」を一度チェックしてみてください。


よくある質問(Q&A)

Q. 練習中にグリップを変えてもいいですか?

A. 全く問題ありません。むしろおすすめです。

練習中どころか、ラウンド中に変えてもルール上問題ありません。
調子が悪い時や、違和感がある時にグリップを変えることは、最高のリフレッシュになります。
「前半は逆オーバーだったけど、引っかけが出たから後半はクロスハンドにしよう」といった柔軟な対応は、プロもよく行っています。
悪い流れを断ち切るための「スイッチ」として、複数のグリップを持っておくと武器になります。

Q. 太いグリップと細いグリップ、どっちがいい?

A. 「手首を使いたくない」なら太め、「操作したい」なら細めが基本です。

スーパーストロークのような「極太グリップ」は、手首の動きを抑制し、オートマチックに打てるメリットがあります。
一方、細いグリップは、指先の感覚が伝わりやすく、フェースの開閉を使って操作したい人に適しています。
最近のトレンドは「太め」ですが、手が小さい人や、感覚重視の人は細めの方が合う場合もあります。
ショップで実際に握り比べてみるのが一番です。


まとめ:グリップは「変えてもいい」。自分だけの正解を探そう

パターの持ち方は、一度決めたら変えてはいけないものではありません。
その日の体調、グリーンの速さ、ミスの傾向に合わせて、自由に着せ替えていいのです。

  • 引っかけには「クロスハンド」
  • パンチが入るなら「クロウグリップ」
  • 基本に戻るなら「逆オーバーラッピング」

まずは次回の練習で、気になったグリップを「味見」してみてください。
「あれ? なんか真っ直ぐ行くぞ」「タッチが合うぞ」という感覚に出会えたら、それが今のあなたの正解です。

固定観念を捨てて、いろいろな握り方を試すこと自体が、パッティング上達への近道になりますよ。

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