MENU

スパイダー ツアーX トラスヒール TM1 徹底レビュー|「安定感」と「操作性」を両立

ゴルフのスコアメイクにおいて、パッティングが鍵を握ることは間違いありません。

どんなにドライバーが飛んでも、アイアンでピンに絡めても、最後のパットが入らなければスコアは縮まりません。
特に、平均スコア80台を目指すような中級者から上級者にとって、「あとちょっとで入ったのに!」という悔しい経験は、常にパッティングの課題として残ります。

多くのゴルファーが、グリーン上で二つの大きな悩みを抱えています。

一つは、「繊細なタッチを出したいから、ブレードパターを使いたいけど、ミスヒットした時の許容性の低さが怖い」というもの。もう一つは、「マレットパターの安定感は欲しいけど、ラインを繊細に出しにくい、操作性に欠けると感じる」というものです。

つまり、「安定性」と「操作性」という、パターに求める二つの最も重要な要素が、これまで相反する関係にあったのです。

このゴルファーの永遠のジレンマを、テーラーメイドが最先端技術で解決しました。

それが、今回ご紹介する「Spider TOUR X TRUSS TM1(スパイダー ツアーX トラスヒール)」です。

このパターは、人気のSpider X形状というマレットパターの圧倒的な安定感に、鉄橋などに使われる「トラス構造」をネックに組み込むことで、ブレードパターのような繊細な操作性をプラスした、「良いとこどり」の設計が特徴の最終兵器です。

この記事では、ゴルフ歴20年、平均スコア80台の筆者がこの革新的なパターを徹底的に分析します。

技術的な裏付けから、ツアープロの使用実績、そして忖度なく集めた一般ユーザーの「良い点」と「悪い点」まですべてを公開します。

この記事を最後まで読めば、あなたがこのパターを投入することで、パッティングの悩みを克服できるかどうか、明確な答えが見つかるはずです。

目次

特徴・スペック:融合された二つの「最強技術」

Spider TOUR X TRUSS TM1は、テーラーメイドの長年のパター開発の歴史と、最新の構造工学が融合したモデルです。まずは、このパターがどのような技術的な土台の上に成り立っているのかを、詳細なスペックとともにお届けします。

Spider TOUR X TRUSS TM1 詳細スペック表

引用:Spider TOUR X TRUSS TM1 トラスヒール

このパターの基本的な仕様を、簡潔に表にまとめました。

テーラーメイド スパイダー ツアーX トラスヒール TM1 詳細スペック
     
メーカーTaylormade
シリーズSpider TOUR X
発売日2024年3月8日
新品価格45,540円
中古最安値30,880円
中古最高値33,900円
ヘッドの形状ネオマレットタイプ
ヘッドの素材304SS(ステンレススチール)+カーボンコンポジット、TSSウェイト、HYBRAR®ダンパー
ヘッドの重量355g
ネックの形状TRUSSホーゼル
シャフトの素材スチール
ロフト角3
シャフトの長さ33〜34インチ

※中古最安値、中古最高値は2025年12月時点

搭載技術の深掘り解説

このパターがなぜ特別な性能を発揮するのか、その秘密は三つの主要な技術にあります。専門的な言葉をなるべく使わず、分かりやすい例えで解説します。

Spider X形状:安定感の土台

Spider TOUR Xがベースとしているのは、実績ある「Spider X」形状です。これは、大きなマレットパターほどヘッドが大きくない「ネオマレットタイプ」に分類されます。

このヘッドの形が持つ力は、「ミスを許す力」の源です。パターにとって非常に大事な慣性モーメント(MOI、ブレにくさ)が高く設計されています。慣性モーメントが高いというのは、例えるなら、フィギュアスケートの選手が手を広げている状態に似ています。

重いおもり(=TSSウェイトやヘッドの構造)を外側に配置することで、回転やブレが起きにくい、つまりまっすぐ進もうとする力が強くなるのです。これが、打点が芯からずれても、ヘッドがねじれずにボールを目標に押し出してくれる、安定性の土台を築いています。

TRUSSホーゼル:橋の構造がヘッドのグラつきを防ぐ

このパターの最も革新的な部分が「TRUSS(トラス)ホーゼル」です。トラスとは、鉄橋や体育館の屋根など、非常に頑丈な構造を作るために使われる三角形の骨組みのことです。

普通のパターのネック(シャフトとヘッドをつなぐ部分)は一本の棒やシンプルなカーブですが、TRUSSホーゼルは、このネック部分を三角形の骨組みでしっかりと支えています。

なぜこんな形が必要なのでしょうか?

それは、パターのインパクトの瞬間、特に芯を外した時に、ヘッドに予期せぬ「グラつき」や「ねじれ」の力が加わるからです。このグラつきこそが、ショートパットの決定力を奪う最大の敵です。
TRUSSホーゼルは、このねじれを物理的に、驚くほど抑え込みます。

これにより、ブレードパターで慣れている繊細な操作を可能にしつつ、マレットの安定性を壊さないという、まさに「魔法の技術」が実現しました。

TSSウェイト:ボールをすぐに転がす秘密兵器

ヘッドには、TSS(TaylorMade Swing Weight)ウェイトと呼ばれる重りが組み込まれており、これはヘッドの前方、つまりフェース(ボールが当たる面)の近くに配置されています。

この設計は、パターの重心を前に出す「フォワードCG(重心)」設計を採用していることを意味します。
重心が前にあると、ボールに当たった瞬間に、ボールに余計なスリップ(滑り)やホップ(跳ね上がり)を起こさせず、打出し直後からスムーズな「順回転」をかけやすくなります。

ボールがすぐに順回転を始めることで、グリーン上での転がりの安定性が増し、距離感のバラつきが劇的に減ります。ロングパットでの3パットを防ぎ、「とにかく寄せる」能力を高めるために、この転がりの質は最も重要な要素なのです。

パターの特徴:レーダーチャートと詳細な技術分析

Spider TOUR X TRUSS TM1の持つ特徴を客観的に把握するため、主要な性能を六つの項目で評価し、その理由を深く掘り下げていきます。

5段階レーダーチャート評価

このパターは、技術の融合により、全体的に非常に高いバランスを示す点が最大の魅力です。

評価項目評価 (5段階)
操作性4/5
ミスヒット耐性5/5
打感4/5
重量バランス5/5
重心設計4/5
価格3/5

各項目を評価した理由や説明

操作性(4/5):繊細なラインの出し入れが可能

このパターはマレット形状でありながら、操作性が高い評価を得ています。

その鍵は、TRUSSホーゼルの中でもTM1(トラスヒール)という形状を採用している点にあります。

TM1は、ネックの接続部分がヘッドのヒール側(かかと側)に寄っています。
これにより、ストローク中にブレードパターに近い形でフェースの開閉(トゥハング角7度)を行いやすく設計されています。完全にフェースの開閉を行わない「直線番長」タイプとは異なり、繊細なラインの出し入れや、意図的なフックライン・スライスラインの打ち分けにも対応できる柔軟性を持っています。

マレットの安心感がありながら、ブレードのような感覚で球を操作したいゴルファーには最適な設計です。

ミスヒット耐性(5/5):ブレない安定性のダブル効果

この項目は、TM1が最も強みを発揮する部分であり、最高評価に値します。

前述の通り、ベースとなるSpider X形状が持つ高いMOI(慣性モーメント)だけでも十分な安定性がありますが、TRUSSホーゼルがこの安定性をさらに物理的に強化しています。

ネック部分が完全に固定され、ねじれに対する剛性が極めて高くなるため、ボールがフェースのトゥ側(つま先側)やヒール側(かかと側)に当たったとしても、ヘッドの向きが変わるのを徹底的に防ぎます。

一般ユーザーのレビューでも、「安定感は抜群。少々、打点がずれても大丈夫」という高い許容性を示す声が確認されています。

打感(4/5):距離感を合わせやすいソリッドな感触

TM1の打感は、柔らかさと芯の強さを両立しています。フェースには「PURE ROLL(ピュアロール)インサート」が搭載されており、これは5mm厚の柔らかい素材(アイオノマー)と、芯を作る硬い素材(アルミニウム)を組み合わせた複合素材です。

これにより、ボールをヒットした際に、柔らかすぎず、固すぎない「カツッ」という心地よい打音とともに、ボールをしっかりと押し出している感覚が指先に伝わります。

このソリッドな打感は、繊細な力加減をパターに伝えやすく、特にロングパットでの距離感を構築する上で大きなアドバンテージとなります。

重量バランス(5/5):ショートパットに効く完璧なバランス

クラブの総重量は、34インチで約540gから550g程度であり、グリップにはSuper Stroke Pistol GTR 1.0(約82.5g)が採用されています。

この比較的重めのグリップとヘッド重量のバランスが非常に秀逸です。

パターの重量バランスが優れていると、ストローク中の手元の動きが無意識に抑制され、より大きな筋肉を使った安定した振り子運動がしやすくなります。

この完璧なバランスは、特に緊張するショートパットにおいて、手先の微細なブレを減らし、ストロークの再現性を高める効果を生み出します。

ユーザーレビューでも「グリップを含め全体的なバランスが良い」という高評価が寄せられています。

重心設計(4/5):転がりの質を追求したフォワードCG

前述したTSSウェイトによるフォワードCG(重心前方設計)は、ボールの順回転を促進する上で非常に効果的です。多くのパターは、寛容性を高めるために重心を深く設計しますが、TM1はやや前方重心に設定することで、転がりの質を優先しています。

これにより、インパクト直後のボールの無駄な浮き上がりや滑りが抑えられ、ボールがすぐに芝の上を噛んで力強く目標に向かって転がり続けます。

これは、グリーンのスピードや芝の目に左右されにくい、安定したボールの転がりを生み出し、中距離・長距離パットにおける距離のバラつきを減らします。

価格(3/5):最新技術への正当な投資

新品価格は3万円台後半と、一般的なパターの中では高価な部類に入ります。最新の複合素材、Spider Xのヘッド設計、そして革新的なTRUSSホーゼルという特殊技術が搭載されていることを考えると、価格は技術に見合ったものと言えます。

しかし、注目すべきは中古市場での動向です。発売から間もないにもかかわらず、中古価格は最安値が約30,880円、最高値が約33,900円と高値で安定しています。

これは、性能の評価が高く、需要が強いことの証拠であり、資産価値が高いと判断できます。スコア改善というリターンを考えれば、価格は決してデメリットではないでしょう。

どんな人におすすめ?:「安定感」と「操作性」を諦めないゴルファーへ

この「Spider TOUR X TRUSS TM1」が、あなたのスコアメイクを劇的に変えてくれるのは、以下のような特定のニーズを持つゴルファーです。

ブレードパターのタッチが好きだが、ミスヒットに悩む上級者

あなたはラインを繊細に出す技術を持っていますが、緊張する場面で芯を少し外した時の許容性の低さにフラストレーションを感じたことがあるはずです。

TM1は、TRUSSホーゼルによってヘッドの開閉がしやすい操作性を保ちながら、Spider Xの高いMOIによってミスヒットを許容する「安全装置」を搭載しています。

つまり、自分の技術を活かしつつ、ギアの助けも借りたいと考える上級志向のゴルファーに最適です。

ショートパットで、ヘッドのブレやねじれが出てしまう中級者

短い距離でボールを押し出してしまったり、引っ掛けてしまったりするのは、インパクト時にヘッドが微細にねじれていることが大きな原因です。

特にプレッシャーのかかる場面では、この微細なねじれが顕著になります。TRUSSホーゼルは、このねじれを物理的に防ぐ設計です。

「トラスのおかげでショートパットが特に良い」というレビューは、この物理的な剛性強化が、決定力の向上に直結していることを示しています。

距離感のバラつきを抑えたいアベレージゴルファー

パッティングのスコアを削るには、ロングパットでの3パットを減らすことが最優先です。

TM1は、TSSウェイトによるフォワードCG設計のおかげで、ボールに一貫した順回転を与えます。これにより、強く打っても弱く打っても、ボールがグリーン上を滑らずにスムーズに転がり続けます。

打つ強さに対するボールの反応が均一になるため、距離のバラつきが抑えられ、「とにかく寄せる」能力が向上します。

【注意!】完全な「直線番長」を求めるゴルファー

TM1は操作性も重視したモデルであるため、完全にオートマチックでヘッドが勝手に動くマレットパターを求めている方には、期待外れになる可能性があります。

口コミにも「直線番長ではない」という指摘がある通り、ストロークを矯正したい、あるいは一切の操作を必要としないパターを求める場合は、Spider TOUR MAXなど、さらにMOIを極限まで高めた大型モデルと比較検討する方が良いでしょう。

TM1は、あくまで自分のストロークを活かしたいゴルファーのためのクラブです。

ゴルフ歴5年、平均スコア80台の試打インプレッション()

パター選びにおいては常に「ブレードの感性」と「マレットの安心感」の間で揺れ動いてきました。

このSpider TOUR X TRUSS TM1を実際にグリーン上で試打した結果、なぜこのパターが「良いとこどり」と評されるのかを深く理解できました。

引用:Spider TOUR X TRUSS TM1 トラスヒール

構えやすさと安心感:視覚的な成功体験

まず、パターを手に取り、アドレスした時の感覚からお話しします。
従来の大型Spiderパターと比較して、TOUR Xはヘッドがコンパクトに引き締まっており、ネオマレットらしい「ラインを出しやすそう」という期待感を抱かせます。

TRUSSホーゼルは独特の形状をしていますが、ヘッドからホーゼルに至るまで全体がブラックで統一されているため、アドレス時に視覚的な違和感はほとんどありません。

むしろ、ネック周りがガッチリと補強されているのが見えるため、「このパターはどんなに芯を外してもブレないぞ」という、メンタル的な安心感をアドレスの段階で得られました。

ストロークの感覚:オートマチックなのに操作できる不思議

実際にストロークしてみると、大型マレット特有の「ヘッドの重さでまっすぐ引いてまっすぐ出せるオートマチック感」はしっかりとあります。

しかし、決定的に違うのは、ブレードパターで慣れているように、フェースを微細に開閉してラインを調整する「自由度」が残されている点です。

私が特に感銘を受けたのは、難易度の高いグリーンでの使用感です。

芝の強い傾斜や、グリーンを外したカラーからの逆目のパットなど、ヘッドに大きな抵抗がかかり、フェースが負けてブレそうになる瞬間があります。
この時、TRUSSホーゼルがまるでパッティングの「軸」のように機能し、グッとねじれをこらえてフェース面を目標に向けてくれるのを感じました。

この「マレットの優しさ」と「ブレードの操作性」の絶妙な融合こそが、このパターが市場で高く評価されている根拠だと実感しました。

スコアに直結した決定力:ショートパットの救世主

TM1の最大のメリットは、やはりショートパットの決定力に集約されます。

プレッシャーのかかる1~3メートルのパットにおいて、ヘッドのブレが極限まで抑制されます。

筆者もあえて芯を外してトゥ側で打ってみましたが、ヘッドのねじれがほとんど起こらず、ボールは目標ラインを維持して転がりました。

この性能は、技術的なミスを許容するだけでなく、ゴルファーのメンタル面を強力に支えてくれます。残り1メートルを外せない場面で、「このパターならブレない」という信頼感は、計り知れないメリットをもたらしてくれました。

「トラスのおかげでショートパットが特に良い」という一般ユーザーの口コミは、私の試打結果とも完全に一致します。

転がりと距離感:TSSウェイトの隠れた貢献

打感は、先に述べたように、柔らかい中に芯のあるソリッドなフィーリングで、ボールをしっかり打ち抜いた感覚が残ります。この打感のおかげで、タッチ(距離感)を指先で調整しやすいと感じました。

そして、TSSウェイトによるフォワードCGの効果は、転がりの質に明確に現れます。

ボールがフワッと浮くことがなく、芝の上を低く、力強く転がり続けます。特にロングパットで威力を発揮し、思った以上にボールが伸びてくれるため、ショートするミスが激減しました。

この一貫した転がりのおかげで、ミドルパットの成功率や、OKパットの範囲に寄せる精度が向上し、スコアメイクに直結しました。

他の人気パターの比較:市場での立ち位置を明確に

Spider TOUR X TRUSS TM1が市場でどのような位置づけにあるのかを理解するために、現在人気のある主要なマレットパターと比較します。

人気マレットパターとの性能比較
パターの名称打感操作性ミスヒットの耐性価格主要な特徴
Spider TOUR X TRUSS TM1安定性と操作性の最高峰ハイブリッド
PING スコッツデール PRIME TYNE 4ミドルパットの距離感が優れる安定志向
TOURA PROTO P5究極のショートパット精密設計、難易度が高い
オデッセイ Ai-ONE MILLED シリーズAI設計による高性能インサートと高い所有感
スコッティ・キャメロン Phantom X 12ブランド力、大型ヘッドでMOI重視、オートマチック

比較分析:TM1の優位性

Spider TOUR X TRUSS TM1の最大の強みは、比較表を見ても分かる通り、全ての項目でバランス良く高い評価を得ている点にあります。

多くのマレットパターは、安定性を追求するあまり操作性を犠牲にするか、逆に操作性を追求するあまりミスヒット耐性が落ちるかのどちらかに偏りがちです。

例えば、PINGのスコッツデール PRIME TYNE 4は、ミドルパットでの再現性や距離感のズレの少なさに強みがあり、安定志向のゴルファーに人気です。

また、TOURA PROTO P5はショートパットの精密さで圧倒的な実力を示しますが、その分、難易度が高いとされています。

一方で、TM1は、TRUSS技術によってネックの剛性を高め、ブレード的な操作性を維持することで、安定性と操作性を両立させました。これにより、難易度の高さを感じさせずに高い許容性を実現しています。

価格帯は、オデッセイやキャメロンといった最新のハイエンドモデルと比較しても競争力があり、提供する性能に見合う「プレミアムな選択肢」として市場での立ち位置を確立しています。

ツアープロの使用例:なぜ世界トップが信頼を寄せるのか

テーラーメイドのSpiderパターは、2008年の誕生以来、その高い安定性と寛容性から、世界中のトッププロに支持されてきました。特にSpider X形状は、ローリー・マキロイ選手をはじめとする、繊細な操作を求めるツアー選手に好まれる実績を持っています。

Spider X形状のパターは以下でもご紹介しております。

Spider TOUR X TRUSS TM1は、この実績あるSpider X形状にTRUSS技術を加えたことで、プロが求める「究極の再現性」に応えるクラブへと進化しました。

プロがTRUSS技術を選ぶ真の理由(再現性へのこだわり)

プロゴルファーは、繊細なラインの読みと、寸分の狂いもない正確なタッチを要求されます。彼らがパターに求める性能は、一般的なゴルファーが求める「優しさ」とは少し異なり、「絶対的な再現性」です。

プレッシャーのかかる場面では、プロであってもわずかな打点のズレや、ストローク中の手元の微動によって、ヘッドに微細なねじれが発生することがあります。

この微細なねじれこそが、カップインを左右する致命的な要因となるのです。

TRUSSホーゼルは、この微細なねじれを物理的な構造で極限まで排除します。ネックの剛性を高めることで、インパクト時のエネルギーロスを防ぎ、フェース面が常に目標を向いた状態でボールを押し出すことを保証します。

TM1は、プロが持つ繊細なタッチやラインの読みを邪魔することなく、クラブが裏切る心配をなくしてくれる「信頼できる相棒」として機能します。

これにより、プロは自身の技術と集中力を最大限に発揮でき、プレッシャーのかかる場面でも最高のパフォーマンスを実現できるのです。

一般ユーザーの口コミ・レビューまとめ:良い点・悪い点を徹底分析

購入を検討している読者にとって、実際に使用している一般ゴルファーの声は非常に重要です。ゴルフショップや通販サイトに投稿されたレビューを調査し、このパターの真の評価を忖度なく、良い点と悪い点に分けて解説します。

良い点

安定感と直進性の両立が素晴らしい

多くのユーザーが、まず「安定感は抜群。少々、打点がずれても大丈夫」という、高い許容性に驚いています。

さらに、「左右にブレない」という声もあり、ミスヒットをしてもボールが目標に向かってまっすぐ転がろうとする直進性の高さが、ラインに乗せやすいという感覚を与えています。

ショートパットでの決定力が飛躍的に向上

「トラスの影響かは分からないが、ショートパットが特に良い」というコメントは、TM1の技術的なメリットを最も端的に示しています。

TRUSSホーゼルによるネック剛性の強化が、特に緊張する短い距離でヘッドの微細なブレを抑え込み、カップインの確率を格段に高めていることが、多くのユーザーによって体感されています。

全体的なバランスと構えやすさが優秀

「グリップを含め全体的なバランスが良い」という評価があり、ヘッド重量、シャフト、そしてSuper Strokeグリップの組み合わせが、ストロークを安定させていることが分かります。

また、TM1はやや小型のマレットであるため、「やや小さいが、構えやすい」とデザインへの肯定的な意見も確認されています。

柔らかすぎない打感でタッチが出しやすい

PURE ROLLインサートのおかげで、「打感は柔らかい」と感じるユーザーが多い一方で、柔らかすぎて距離感が出しにくいという意見はほとんどありません。

この「芯のある柔らかさ」が、繊細なタッチを求めるゴルファーに支持されています。

悪い点

完全なオートマチック性(直線番長)ではない

このパターが操作性を重視しているがゆえに、「直線番長ではない」という評価があります。

完全にヘッドが自動で動くタイプのマレットパターを期待しているゴルファーは、TM1の操作性の高さを、逆に「難しさ」と感じる可能性があります。

これは、あくまで自分のストロークを活かすためのパターです。

打ち方次第ではミスが出る

安定性が高いとはいえ、魔法のクラブではありません。「引っ掛け、押出も打ち方悪いと普通に出る」という率直な意見もあります。

特にTM1は操作性が高いため、手首を使いすぎるなど、ストロークに悪い癖がある場合、その癖がそのままパッティングに反映されてしまう可能性があります。

自分のストロークをしっかり管理できる中~上級者向けのクラブだと言えます。

コストの高さ

最新技術が詰まっているため、価格帯は高めです。

一部のユーザーからはコスト感について厳しい意見もあります。
ただし、前述の通り中古市場での価格安定性や性能を考慮すれば、納得できる投資と考えるゴルファーが多いです。

このパターのメリット・デメリット

これまでの分析を踏まえ、Spider TOUR X TRUSS TM1を購入する上での「良い点」と「悪い点」をまとめます。

メリット

究極のハイブリッド性能の実現

TRUSS技術によって、マレットの持つ高い寛容性(ミスヒット耐性)と、ブレードパターの持つ繊細な操作性という、相反する二つの性能を市場で類を見ないレベルで両立させています。

ショートパットの絶対的安定性

TRUSSホーゼルの物理的な剛性強化が、プレッシャーのかかる場面でのヘッドの微細なブレやねじれを排除します。これにより、ショートパットの成功率が劇的に向上し、スコア改善に直結します。

距離感の再現性

フォワードCG設計(TSSウェイト)とPURE ROLLインサートの相乗効果で、ボールに一貫してスムーズな順回転を与えます。これにより、ロングパットでの転がりのバラつきが抑えられ、3パットのリスクを減らします。

高い資産価値

中古市場での価格が安定していること(最安値約30,880円、最高値約33,900円)は、このパターの性能と人気が本物であることの証明です。リセールバリューが高く、長く愛用できるクラブです。

デメリット(納得して購入すべき点)

完全に「直線番長」ではない

完全なオートマチック性を求めて、ストロークをパターに任せたいという初心者や一部のゴルファーには向いていません。自分のストローク技術を活かし、繊細にラインをコントロールしたい上級志向のパターです。

価格帯

他の中級者向けパターと比較すると高価です。最新技術への投資と考える必要があります。購入前に、必ず試打を行い、その性能が価格に見合うものかを体感することが重要です。

購入前のFAQ

Spider TOUR X TRUSS TM1は革新的なパターであるからこそ、購入前に不安を感じる方もいるでしょう。

ここでは、読者が抱える具体的な不安を解消し、自信を持って購入できるよう後押しします。

難しすぎて、自分では使いこなせないのではないか?

心配は無用です。

TRUSSホーゼルが搭載されたTM1は、決して難しいパターではありません。
ベースとなっているSpider X形状は、そもそも非常に高い慣性モーメント(MOI)を持つネオマレットです。

つまり、もともとミスに強い、高い許容性を持つ構造が土台にあります。

TRUSSは、その高い安定性をさらに強固にしつつ、上級者が求める操作性を付加した技術です。
アベレージゴルファーや中級者が使用しても、その許容性による恩恵を最大限に享受できます。

難しさよりも、その安心感とブレにくさを感じてください。

TRUSSホーゼルは見た目が変わっているが、構えやすさに影響はないか?

アドレス時、視覚的な違和感はほとんどありません。

テーラーメイドは、TRUSSホーゼルとヘッドを一体化して美しく見せるため、TM1専用のヘッド形状を採用し、ホーゼルをブラックで統一しています。実際に多くのユーザーが「構えやすい」と評価しており、数回の練習でこの独特なネック形状は、むしろ「ガッチリと目標を向いている」というメンタル的な安心感に変わるはずです。

見た目の不安よりも、その剛性がもたらすショートパットのメリットに期待してください。

高いお金を出して買う価値があるのか?今のパターで十分ではないか?

パターの進化は、ドライバーやアイアンよりも、スコアに最も直結しやすい投資です。

もしあなたが「あと1打」を削りたいと本気で思うなら、TM1は十分にその価値があります。従来のパターでは、安定性を求めれば操作性を諦める、というトレードオフがありました。

しかし、このTRUSS技術は、その課題を解決し、「安定性と操作性の両立」という新しい領域に到達しました。
このパターは、購入資金以上のリターン(パット数減少、パットの自信向上)を約束してくれるはずです。

33インチと34インチ、どちらを選ぶべきか?

TM1は33インチと34インチの二種類の長さが選べます。

パターの長さは、ストロークの再現性に非常に大きく影響します。一般的に、身長が低い方や、ボールを体の近くに構える方には33インチがおすすめです。34インチは標準的な長さです。

大切なのは、構えた時に背筋が伸びて、自然なストロークの姿勢が取れることです。
可能であれば、店頭で実際に構えて、自分の目線や肘の位置が自然に収まる長さを選ぶことを強く推奨します。

記事のまとめ:パッティングに自信と喜びを

テーラーメイド Spider TOUR X TRUSS TM1 トラスヒールは、単なる新しいパターではありません。

これは、マレットパターの優しさに、TRUSSホーゼルという革新的な技術を融合させた、現代パッティングにおける「最終回答」です。

Spider X形状の高い慣性モーメントが生み出す安定性と、TRUSS構造によって可能になったブレードのような繊細な操作性。この二つのメリットを両立させたことで、これまでパター選びに悩んでいた全てのゴルファー、特にブレードの感性もマレットの安心感も、そのどちらも諦めたくない欲張りな中~上級ゴルファーにとって、これ以上の選択肢はないでしょう。

パターに自信が持てれば、ゴルフは劇的に楽しくなります。
ショートパットの緊張から解放され、3パットの不安もなく、自信を持ってストロークできる未来が待っています。

あなたのスコアを確実に改善し、「次のゴルフが楽しみ!」という喜びを手に入れるため、パター選びで迷ったら、今すぐこのSpider TOUR X TRUSS TM1を試すことを強く推奨します。

この究極のハイブリッドパターは、あなたの期待を裏切ることはないでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次