プロゴルファー渋野日向子選手が全英女子オープンで歴史的優勝を果たした伝説のパター、PING「SIGMA2 ANSER」。
あなたのパッティングに革命を起こす可能性を秘めたこのパターは、ただ構えるだけで「今日は沈む」という自信が湧いてくる不思議な魅力があります。
多くのゴルファーが悩む「3パットの恐怖」や「ショートパットでの手の震え」を解消するために生まれた SIGMA2 ANSERは、驚くほど柔らかい打感とボールを芯で捉える安定感を両立。
フェースに組み込まれた二重構造ペバックスインサートが、まるでボールが「くっついて転がる」ような気持ちいいインパクトを実現し、距離感を抜群に合わせやすくしています。
「パターに変えただけでスコアが5つも縮んだ」「ついに3パットがなくなった」―実際のユーザーからこんな喜びの声が続出しています。
SIGMA2シリーズ最大の特徴は、グリップエンドから付属レンチで長さを無段階調整できる革新的機能。
「少し短いかな」「もう少し長ければ…」というパターフィッティングの悩みを一気に解決し、あなただけの完璧な長さで構えられます。
伝統的なAnserスタイルながら現代的な技術を搭載し、シルバーとブラックの2色展開で好みに合わせて選べるデザイン性も魅力で、アマチュアからツアープロまで幅広く支持されています。
もう「パッティングだけで崩れる」日々とはおさらば。あなたもSIGMA2 ANSERを手にして、グリーン上の自信と安定感を手に入れませんか?
今回は「パター迷子」を終わらせる、SIGMA2 ANSERの魅力と性能を徹底レビューします。
このパターがなぜ多くのゴルファーから「買って正解だった」と絶賛されているのか、その秘密に迫ります。
特徴スペックまとめ
まずは PING「SIGMA2 ANSER(シグマ2 アンサー)」 パターの基本スペックを表にまとめます。
発売当時のメーカー公式情報やショップデータから、主要な特徴を整理しました。
メーカー | PING(ピン) |
---|---|
シリーズ | Sigma 2(シグマ2) |
発売日 | 2018年12月14日 |
新品価格 | 34,100円 |
中古最安値 | 12,000円 |
中古最高値 | 20,000円 |
ヘッドの形状 | ピン型 |
ヘッドの素材 | 17-4ステンレススチール(ボディ)+ ペバックス樹脂インサート(フェース) |
ヘッドの重量 | 350g |
ネックの形状 | クランクネック |
シャフトの素材 | スチール |
ロフト角 | 3 |
シャフトの長さ | 32~36インチ |
※中古最安値、中古最高値は2025年5月時点
ここまでスペックや口コミを紹介してきましたが、実際に自分で試して感じたことを率直にレポートします。
筆者は普段からピン型パター(Anserタイプ)を愛用しており、SIGMA2 ANSERには発売当初から興味津々でした。
今回改めて34インチのプラチナム仕上げモデルを入手し、練習グリーンとコースで数ラウンド使用してみました
長さ調整機能
SIGMA2 ANSERパター最大の特徴の一つが、グリップエンドにレンチを差し込んで回すだけでシャフト長さを自由に調節できる機能です。
標準の調整範囲は32~36インチで、付属レンチをプラス方向に回せば長く、マイナス方向に回せば短くなります(※競技中に調整しなければルール適合)。
従来の長さ調整パター(31~38インチ対応)より構造がシンプル&軽量化され、見た目も違和感がありません。自分に合った長さ(例えば「34.5インチ」など微調整)にセッティングできるため、「長さが中途半端で合わない」という悩みを解消できます。
シリーズ展開
SIGMA2シリーズは全10モデル(左右あり)と豊富なラインナップで、ブレード型の「Anser」はその代表的モデルです。
カラーは光沢のあるプラチナム仕上げ(シルバー)と、マットなステルス仕上げ(ブラック)の2種類。ヘッド形状自体は同じですが、好みの見た目で選べます。
いずれもソフトな打感と調整機能を備え、ストロークタイプはややアーク(インサイドインの弧を描く軌道)に適した設計です。
フェースインサート
ヘッド前面のフェース部分には、「二重構造のペバックスインサート」という特殊な樹脂製フェースが埋め込まれています。
外層は消しゴム並みに柔らかく、内層はタイヤ並みに硬いという二層構造で、「柔らかい打感なのにしっかり音が出る」ことを実現しています。
このインサートによりソフトなフィーリングとクリアな打球音を両立しているのがSIGMA2シリーズ共通の特徴です。
その他スペック
ロフト角3度・ライ角70度といった基本スペックは標準的。
シャフトはスチール製が基本で、グリップはPING伝統の細身「PP58」や少し太めの「PP60」「PP62」など複数の標準グリップから選べました。
ヘッド重量350gに対しソール(底面)には固定ウェイトが内蔵されています。
ブレード型としては平均的な重量バランスで、調整機能付きでも総重量は約530~560g程度と一般的なパターの範囲に収まっています。
以上が基本スペックです。続いて、このパターの性能を各項目で評価していきましょう。
パターの特徴(6項目レーダーチャート評価)
次に、SIGMA2 ANSERの性能を6つの観点で5段階評価(★5点満点)してみます。
評価項目は 操作性、ミスヒット耐性(やさしさ)、打感、重量バランス、重心設計、価格 の6つ。
それぞれの項目について、筆者の考える評価とその理由を詳述します。
※評価は当モデルの特性を踏まえた相対的なものです(★5=非常に優れる、★3=平均的、★1=劣る)。各項目の感じ方は個人差がありますが、参考指標としてご覧ください。
1. 操作性(★4/5)
操作性は高評価の★4。SIGMA2 ANSERは伝統的なピン型ブレードパターらしく、構えたときの取り回しやすさ、フェースの開閉のコントロール性能に優れています。
ヘッドの見た目はコンパクトでターゲットに対しスクエアに合わせやすく、ストローク中もヘッドの挙動をプレーヤーが感じ取りやすいです。
適度な重量感とヒール側にオフセットしたクランクネックの設計により、インサイドインの弧を描くようなアーク式ストロークをとても自然に行えるのが長所です。
一方、直進性を重視してストレートに引くストロークにはやや不向きです(フェースバランスのマレット型ほど勝手に真っ直ぐは動かない)。
操作性の高さゆえに自分のストロークの癖がそのまま出やすい面もあります。
つまり良くも悪くも“思い通りにヘッドを動かせる”クラブなので、上級者には狙ったタッチを再現しやすく◎ですが、初心者が乱暴に扱うと方向性がばらつく可能性があります。
そのため満点の★5には僅かに届かず★4評価としました。しかし総合的には非常に扱いやすく、自分でコントロールする楽しさを感じられるパターと言えます。
2. ミスヒット耐性(やさしさ)(★3/5)
やさしさ(ミスヒット耐性)は★3と平均的です。これはSIGMA2 ANSERがブレード型ゆえの宿命とも言えます。
大型マレット型パターに比べるとヘッド後方の慣性モーメント(MOI)が小さく、ヒールやトゥ寄りに打点がずれた際の許容範囲はそれほど広くありません。
芯を外すと打感や打音に変化が出て、距離感も多少落ちます。
ブレード型なので極端にミスに強いクラブではない点は認識しておく必要があります。
とはいえ、本モデルはフェースの樹脂インサートやヒール・トゥの重量配分設計により、同じブレード型の中では比較的ミスに強い部類です。
実際ユーザーからは「打点が多少ずれても距離ロスが少ない」「引っかけミスが思ったほど出にくい」といった声もあります。
インサートによってフェース中央部の重量を削減し両端に配分しているため、昔ながらのピン型より慣性モーメントが向上していることが伺えます。
その効果で「3パットが無くなった」というユーザーもいるほどです。
総合すれば、マレットほどの安心感はないがブレードとしては易しいという評価になります。
芯で打つ技術はある程度要求されますが、大きなミスさえしなければパットを安定させるポテンシャルを持っています。
3. 打感(フィーリング)(★5/5)
打感の評価は文句なしの★5満点。SIGMA2 ANSER最大の特徴である「二重構造インサート」による打感の良さは多くのゴルファーから絶賛されています。
実際にボールを打ってみると、最初のインパクト時には「柔らかく吸い付くような感触」が伝わり、その直後に「トゥン」という独特の音が響きます。
まさに“柔らかいのに音が出る”フィーリングで、これは他社パターにはなかなか無い感覚です。
特にショートパットではインサート外層の柔らかさが際立ち、ボールに「くっついて転がる」ようなソフトヒットが可能です。
渋野日向子プロも「柔らかい打感が好きで、ボールがくっつく感じがするからショートパットが怖くない」とコメントしています。
柔らかい打感ながら音も手応えも適度に感じられるため、距離感を出すのが非常に容易です。ユーザーの口コミでも「タッチが抜群に合わせやすい」「パターがうまくなった感じがする」と評判で、距離感の向上や3パット撲滅に貢献したという声が多数あります。
一方で、打感の好みは個人差があります。非常にソフトで低音の打音なので、「もう少し硬い打感や高い打球音が好み」というゴルファーには物足りなく感じる可能性もあります。
しかし近年のゴルファーはソフトなフィーリングを好む傾向が強く、初代ホワイトホット(Odyssey)に匹敵する柔らかさとの評価もあるほどです。
総じてSIGMA2 ANSERの打感は現代の標準から見ても最高レベルに心地よく、多くの人に受け入れられるでしょう。
4. 重量バランス(ヘッドの重さ・振り心地)(★4/5)
重量バランスは★4と高めに評価できます。ヘッド重量350gはブレード型として標準的ですが、長さ調整機構の追加による重量増加を抑える工夫や、グリップ側で重量配分がなされているため、実際に振った感覚は非常に安定しています。
SIGMA2 ANSERを構えると、ヘッドの重さはしっかり感じられる一方で極端なヘッドヘビーではなく、全体的にバランスよく振り子運動を行える印象です。
標準グリップの「PP60」や「PP62」はやや太めで重量もあるため、装着するとカウンターバランス効果で一層安定感が増します。
この絶妙なバランスにより、ストローク中のブレが少なく方向を出しやすいメリットがあります。
インパクトでもヘッドの挙動が安定しており、芯でヒットしやすいフィーリングです。
特に振り心地が自然で「無理にヘッドを動かさなくてもスムーズにストロークできる」という声が多く、重量配分の良さが伺えます。
満点ではなく★4に留めたのは、やはりブレード型ゆえに慣れないうちはヘッドが開閉しやすく、ストロークテンポによってはヘッドが走り過ぎてしまう場合もあるためです。
超高慣性の重いマレット型に比べれば、人によっては「もう少しヘッドの重さが欲しい」と感じることもあるでしょう。
しかし平均的なヘッド重量とバランス設計のおかげで、幅広いゴルファーが違和感なく振りやすい最適なバランスに仕上がっていると言えます。
5. 重心設計(ストローク適性・ターゲットユーザー)(★4/5)
重心設計の評価は★4です。SIGMA2 ANSERは伝統的なヒール・トゥバランスのピン型パターであり、フェースバランス(重心が真下)ではなくトウダウン(先端が下がる)気味の重心となっています。
具体的には、水平にバランスさせるとヘッド先(トウ)側が4時〜5時方向に下がる程度のトウ・ハングです。
これは「ややアークを描くストローク」にマッチする重心設計で、フェースの開閉を伴う自然なパッティングを促すものです。
この重心設計により、インパクトでフェースが適度にローテーションしやすく、ボールに順回転を与えやすいメリットがあります。
スムーズな転がりと方向性の両立を狙ったPing独自の伝統が感じられます。またヒール・トゥに配分した重量のおかげで慣性モーメントを確保し、芯を外しても極端にはブレないよう配慮されています。
ただし、重心が深く後方にある大型マレット型ほどの直進安定性はありません。
ストロークの軌道矯正をクラブに任せたい人には向かず、あくまでプレーヤー自身のストロークを活かすための重心設計です。
言い換えれば、このAnserは使いこなせば思い通りの転がりを実現できますが、自分のストロークタイプがクラブに合っていないと性能を引き出しにくいとも言えます。
幸い、SIGMA2 ANSERはストローク適性が極端ではなく、多くのゴルファーにマッチしやすい「ややアークタイプ」です。
実際ストレート系ストロークのユーザーからも「それでも距離感が合うので扱いやすい」との声が出ているほど許容範囲は広めです。
重心設計面でのデメリットは小さいため★4とし、幅広いゴルファーのニーズに応えるバランスの良さを評価しました。
6. 価格(コストパフォーマンス)(★4/5)
価格の評価は★4。定価ベースでは3万円台とパターとしては中価格帯ですが、性能や付加機能を考えるとコストパフォーマンスは良好です。
他社のプレミアムパター(スコッティ・キャメロンなど5~6万円台)に比べれば半額程度で手に入り、長さ調整機能というユニークな付加価値も備わっています。
発売から年数が経った現在では新品在庫がセール価格で出回ることもあり、新品でも実売2万円台前半~中盤で購入できる場合があります。
また中古市場では状態によりますが1万円台前半~後半で入手可能で、良品を安く手に入れれば非常にお得です。
こうした価格面のメリットは★5に値する部分ですが、一方でピン型パターとしてはオデッセイなど競合他社の一部モデルが2万円以下からあることや、最新モデルではない点などを考慮し★4としました。
つまりSIGMA2 ANSERは「高すぎず安すぎず」の価格帯で、その性能を考えれば十分に値段以上の価値を提供してくれるパターです。
初めての一本としても手が届きやすく、中上級者がサブ用やコレクションとして購入するにも負担が少ないでしょう。
以上6項目の評価を総合すると、PING SIGMA2 ANSERパターは打感と調整機能に優れ、操作性も高いバランスの良いモデルと言えます。
大きな弱点はなく、伝統のピン型に最新技術が融合した完成度の高い一本です。
それでは、他の代表的な「ピン型パター」と比較するとどのような位置づけになるのか、次の項で見てみましょう。
他の人気ピン型パターとの比較
伝統的なピン型(ブレード型)パターは各メーカーから発売されており、名器と呼ばれるモデルが多数存在します。
ここでは PING SIGMA2 ANSERと、同ジャンルの人気モデルである Odyssey White Hot OG #1(オデッセイ ホワイトホット OG #1)、Scotty Cameron Newport 2(スコッティ・キャメロン ニューポート2)、TaylorMade TP Hydro Blast Juno TB1(テーラーメイド TPコレクション ハイドロブラスト ジュノ TB1)を比較してみます。
各モデルの打感、操作性、ミスヒット耐性、価格、ツアープロの使用率について、相対評価を◎○△の3段階でまとめました(◎=優れている、○=平均的、△=やや劣る)。
同じブレード型とはいえ微妙な違いがありますので、参考にしてください。
モデル名 | 打感 | 操作性 | ミスヒット耐性 | 価格 | ツアー使用実績 |
---|---|---|---|---|---|
ピン シグマ2 アンサー | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
オデッセイ ホワイトホット OG #1 | ◎ | ○ | ○ | ◎ | ○ |
スコッティ・キャメロン ニューポート2 | ○ | ◎ | △ | △ | ◎ |
テーラーメイド TPコレクション ジュノ TB1 | ○ | △ | △ | ◎ | △ |
※上記はあくまで相対評価の一例です。感じ方には個人差があります。
表から分かるように、SIGMA2 ANSERは総合力の高さが光ります。 特に打感の良さと扱いやすさで◎評価を獲得し、価格やミスヒット耐性でも平均以上を確保しています。
同じくインサート搭載のOdyssey #1も打感の柔らかさでは負けず劣らず◎ですが、操作性やフィードバックの点で一歩譲る印象です。
一方、Scotty Cameron Newport 2は操作性や構えやすさで群を抜いて◎、プロから絶大な信頼を得るモデルです。
ただし価格の高さとミスヒットにシビアな点でアマチュアには△となっています。
TaylorMade Juno TB1は性能的には堅実ながら突出点が少なく、伝統モデルほどの存在感はまだ△という評価ですが、価格面の◎や打感の良さでカバーしています。
こうして比べると、SIGMA2 ANSERは「全体的にバランスが良く、弱点の少ないピン型パター」と言えます。
特に打感の良さと長さ調整機能という独自性は他モデルにない強みです。
一方で絶対的な直進安定性では大型マレット型に劣るため、どのモデルが自分に合うかはプレーヤーの好みや技量次第とも言えるでしょう。
次章では、このSIGMA2 ANSERを実際に使用しているツアープロの例を紹介します。
トップ選手たちがこのパターをどう評価し、どんな戦績を上げているのかを見てみましょう。
ツアープロの使用例とコメント
PING SIGMA2 ANSERは発売当初からツアープロにも使用され、いくつかのビッグタイトルを手にしています。
特に有名なのは渋野日向子プロとこのパターの組み合わせでしょう。
渋野 日向子(しぶの ひなこ) – 2019年 AIG全英女子オープン 優勝
渋野プロは2019年に世界を驚かせた「スマイリングシンデレラ」。
プロ1年目に出場した全英女子オープンで、日本人42年ぶりとなる海外メジャー優勝を達成しました。
その快挙を支えたのが他ならぬ SIGMA2 ANSER(プラチナム仕上げ, PP62グリップ) です。
渋野プロはアマチュア時代からこのパターを愛用し、プロデビュー後もエースパターとして使い続けました。
渋野プロ自身、「柔らかい打感が好きで、ボールがフェースにくっついている感じがする。ショートパットも怖くありません」とSIGMA2 を称賛しています。
実際、彼女は2019年国内メジャー「ワールドレディスサロンパス杯」で初優勝した際もこのパターを使用し、「4日間通してパットが良かった」とコメントしています。
渋野プロの平均パット数は当時ツアー1位を記録しており、このパターの貢献度は絶大でした。
渋野選手はその後2022年頃まで同パターを使用し続け、パット巧者として数々の名場面を演出しました。
ブルック・ヘンダーソン(Brooke Henderson) – 2019年 LOTTE選手権 優勝 ほか
カナダ出身の女子トッププレーヤー、ブルック・ヘンダーソンもSIGMA2シリーズのユーザーです。彼女はブレード型のAnserではなく、同シリーズのネオマレット型「Valor(ヴァラー)」を使用して2019年米LPGAツアーのロッテ選手権で優勝しました。
Valorは大型ヘッドですが、柔らかなインサート打感と距離感の良さはAnserと共通です。
ヘンダーソンはSIGMA2 Valorでツアー通算複数勝利を挙げ、「距離感が合わせやすい」と高評価していました。このことからもSIGMA2シリーズ全般の性能の高さが窺えます。
リー・ウェストウッド(Lee Westwood) – 欧州ツアー勝利
ベテランのイングランド人プロ、リー・ウェストウッドも一時期SIGMA2パターを使用していました。
彼が選んだのはボールを拾えるユニークなマレット型「Fetch(フェッチ)」でしたが、インサートや調整機構はAnserと同じです。
ウェストウッドは2018年前後にこのFetchを投入し、欧州ツアーで上位争いを演じました。
「柔らかい打感のおかげでタッチが安定した」とコメントしており、ベテラン勢にもインサートの効果が受け入れられた例です。
上原 彩子 – 国内ツアー使用
日本人女子プロの上原彩子選手もSIGMA2シリーズの「Tyne(タイン)」モデルを使用したことがあります。
Tyneは翼のような形状の高慣性マレットですが、やはり二重インサートの柔らかさを評価していました。
上原選手は「打感が柔らかいのに転がりがいい」とコメントし、ショートパットの不安解消に役立ったと述べています。
以上のように、SIGMA2シリーズは複数のトッププロに選ばれ、勝利に貢献してきました。
中でもSIGMA2 ANSERは渋野日向子プロという大舞台での成功例があり、その影響で日本のアマチュアゴルファーにも一躍注目されました。
渋野プロの劇的なパッティングを目にして「自分も同じパターを使ってみたい!」と思った方も多かったでしょう。
なお、渋野プロは2023年シーズンから最新のPING 2023 Anser 2Dパターにスイッチしましたが、たまにSIGMA2 ANSERへ戻したりしている場面もございます。
プロデビューから数年間SIGMA2 ANSERを使い続けたこと、困ったときにこのパターに立ち返ることはこのモデルの完成度の高さを裏付けています。
一つのパターを長期間信頼して使うプロは多くありません。渋野プロにとってSIGMA2 ANSERは「勝負どころで信頼できる相棒」だったのです。
こうしたプロの実績やコメントを見ると、SIGMA2 ANSERの打感・距離感性能がプロレベルでも通用することが分かります。
次の章では、一般ユーザーの口コミや評価をまとめ、プロ以外のゴルファーにとってこのパターがどう感じられているのかを確認してみましょう。
一般ユーザーの口コミ・レビューまとめ
実際にSIGMA2 ANSERを使用している一般ゴルファーからも、多くの口コミやレビューが寄せられています。
国内のゴルフショップサイトや口コミサイトを調査したところ、総合評価は非常に高く、特に以下のような良い点が頻繁に挙げられていました。
良い点(ポジティブな口コミ)
「打感が驚くほどソフトで気持ち良い」
多くのユーザーがまず感動しているのが打感です。「初めて試打した時、その柔らかさに衝撃を受けた」「インパクトでボールがフェースに乗る感覚がクセになる」といった声が数多く見られます。
ある40代男性は「打感はかなりソフトで弾き感が…笑。即購入してしまった」とコメントしており、打感の良さが購入の決め手になった例もありました。
「White Hotインサート並みに柔らかい」「まるで魔法のフェース」と絶賛する声もあり、インサートの出来映えに満足している様子が伺えます。
「距離感(タッチ)が合わせやすく3パットが減った」
SIGMA2 ANSERに替えてから明らかにパット数が改善したという報告も多数あります。
50代男性のレビューでは「とにかくタッチが抜群に合わせやすい。ワンパットの確率も上がったし、3パットがなくなった!」とのことで、距離勘の向上に驚いていました。
また別のユーザーも「このパターに変えてから平均パット数が30を切ったので大満足」と述べており、距離のロスが少なく思い通りの転がりが出せる点を高く評価しています。
ショートパットの不安が減った、ロングパットでもオーバーしすぎず寄せやすい等、距離感性能の高さがポジティブな口コミで際立っています。
「長さ調整機能が便利。自分に合う長さが見つかった」
調整機能付きシャフトへの評価も上々です。「34インチだと短く35インチだと長い…という悩みが解消した」「色々試して最終的に34.5インチがしっくりきた」と、自分にベストな長さに微調整できるメリットを実感する声があります。
特に身長やアドレス姿勢で微妙に合う長さが異なるため、調整できる安心感は大きいようです。「後から多少悩んでも自分で変えられるので助かる」という意見もあり、フィッティングに時間をかけられない一般ゴルファーには嬉しい機能です。
「構えやすく方向が出しやすい」
ブレード型パターとしての構えやすさ、方向の出しやすさも好評です。ある中上級者は「ヘッドが大きく(※他のピン型と比較して若干厚みがある)ラインが出しやすい」とコメント。
トップブレードの厚みやフェースの青いライン(インサート部のカラー)の視認性が良く、構えたときにターゲットに対し合わせやすいとのことです。
また「ギラギラしていないステルス(黒ヘッド)の方が落ち着いて構えられるので自分は黒を選んだ」という声もあり、仕上げカラーによる見やすさの好みも語られていました。総じて「さすが元祖ピン型、非常に構えやすい」という評価が多いです。
「パターが楽になった」「自信が持てるようになった」
いくつかのレビューには感動的な表現でこのパターへの感謝が綴られています。
「このパターに出会えたおかげでパッティングが楽しくなった」「出会えちゃった感満載」など、まさに運命の一本に巡り会えたかのような喜びの声も。
特にパター迷子だった方からは「大型マレットを転々として迷走していたが、渋野モデルと聞いて試したら一気に解決。
オッケー2パットが増えてスコアメイクが安定した」という報告もあります。道具に助けられる部分は確かに存在し、このSIGMA2 ANSERが自信を取り戻すきっかけになったゴルファーも多いようです。
以上のように、打感・距離感・調整機能・構えやすさといった点で多くのユーザーが満足し、高評価を与えています。
平均評価点を見ると、ある口コミサイトでは5点満点中「4.6」や、7点満点中「5.7」などいずれも高スコアを記録していました。
しかし、一方で少数ながら改善点や悪い点に言及する口コミもありました。
次にネガティブな意見も確認してみます。
悪い点・懸念点(ネガティブな口コミ)
「打感が柔らかすぎて物足りない人も」
柔らかな打感は多くの人に好評ですが、中には「個人的にはもう少ししっかりした打感のほうが好み」という声もありました。
「打感がソフトすぎて音も低いためフィードバックが物足りない」と感じる人もいるようです。例えば硬めの打感や甲高い「カチッ」というインパクト音に慣れている人には、SIGMA2 ANSERの「低音でマイルドな打音」はぼんやり感じられてしまうかもしれません。
口コミでも「高い打音を求める人には残念ながら合わないと思う」との指摘がありました。
したがって、打感・打音の好みが合わない場合がある点は注意が必要です。
このあたりは完全に感性の問題ですが、「インパクトの手応えが穏やかなのでしっかりヒットできる人向け」という見方もありました。
「直進性ではマレット型に劣る」
これは欠点というよりブレード全般の宿命ですが、「強いて言えば大型パターほどの直進安定性はない」という指摘があります。
「どうしてもストレートに振れない」「強く打つ時にヘッドがぶれる気がする」と感じる人も一部いました。実際、以前オデッセイのネオマレット(O-Works #7など)を使っていたユーザーからは「ストロークを真っ直ぐ出すのに慣れていたので、ピン型に替えたら最初はフェースが開いて感じられた」という声も。
これは重心特性の違いによるもので、慣れるまでに調整が必要だったようです。
ただ、その方も「ナチュラルに振ると芯に当たって真っ直ぐ転がる。使いこなしたい」と前向きで、慣れれば問題ないようです。
総じて、直進性や慣性モーメントでは大型マレットに及ばない点を挙げるレビューがありましたが、それを理解して選んでいるユーザーがほとんどでした。
「価格がやや高め?」
SIGMA2 ANSERは性能相応の値付けですが、「パターに3万円は高い」と感じるゴルファーもゼロではありません。
特に初心者や予算を抑えたい層からすれば、中古でも1万円以上する本モデルより、もっと安価な中古パターや入門モデルに目移りすることもあるでしょう。
ただ実際の口コミでは価格に不満を述べる声は少なく、むしろ「メジャーを勝ったパターなのにこの価格なら安いくらい」という意見がありました。
強いて言えば、「新品定価だと他社入門モデルより高い」程度で、価格に見合った価値は十分あると皆が感じています。
「見た目の好き嫌い(青いラインなど)」
デザイン面で僅かながら意見が割れていたのはフェース面のカラーアクセントです。
SIGMA2シリーズのフェースインサートはブルー系の色味を帯びており、ソール側や一部に差し色の青ラインがあります。「シルバーとブルーの美しいデザインが好き」という肯定派がいる一方で、「フェース面に青いラインがあるのは好き嫌いが分かれると思う」との指摘もありました。
ゴルフクラブの見た目は性能に直結しないものの、アドレス時に気になる色使いは人によってはマイナスになるかもしれません。
幸いステルス仕上げモデルではインサートも黒っぽく目立たないため、気になる方は黒モデルを選ぶなどの対処が可能です。
「可変シャフトの耐久性」
調整機能付きパター特有の懸念として、「可動部の耐久性や緩み」が挙げられます。
国内ユーザーからはほとんど不満は出ていませんが、海外フォーラム等では「頻繁に長さを変えていたらネジが緩んできた」という報告もありました(※個別ケース)。
機構自体はシンプルで頑丈に作られているものの、工具の扱い方や経年劣化で緩みが生じる可能性はゼロではありません。
基本的に一度好みの長さを決めたら頻繁にいじる必要はないため、大きな問題にはなっていないようですが、「可動部分がある」という心理的不安を感じる人もわずかにいるようです。
もっとも「構造がシンプルになったお陰で全く違和感なし。
レンチを抜けば普通のグリップと変わらない」とポジティブに捉える声が大半でした。
総合すると、SIGMA2 ANSERの一般ユーザー評価は極めて高い満足度を示しています。
とりわけ「打感・距離感の良さ」「長さ調整の利便性」でゲームが変わったと感じている人が多く、悪い点は一部の好みや慣れの問題に留まっています。
皆が口を揃えて「これは買って正解」「まだまだ使い続けたい」と述べており、実利用者から厚く支持されているのが分かります。
では、実際に筆者自身(ゴルフ歴20年のアベレージゴルファー)がこのパターを試打した印象はどうだったのか、次の章でインプレッションをお伝えします。
筆者の試打インプレッション
筆者プロフィール: ゴルフ歴5年・平均スコア80台
ここまでスペックや口コミを紹介してきましたが、実際に自分で試して感じたことを率直にレポートします。筆者は普段からピン型パター(Anserタイプ)を愛用しており、SIGMA2 ANSERには発売当初から興味津々でした。
今回改めて34インチのプラチナム仕上げモデルを入手し、練習グリーンとコースで数ラウンド使用してみました。

構えた第一印象
構えてみてまず感じたのは「見慣れたピン型だけどどこか現代的」という印象です。
トップブレード(上縁)の厚みや丸みは従来のAnserとほぼ同じですが、フェース面の青みがかったインサートが新鮮です。
プラチナム仕上げのシルバーヘッドに、バックフェースの一部とアルファベットロゴがさりげなく青で彩られており、高級感とスポーティさが同居しています。
アドレスすると青いインサートは下半分に薄く見える程度なので、それほど気になりませんでした。それよりサイトライン(スコアライン)のシンプルさが目に入り、「無駄な装飾がなくラインを出しやすい」典型的なピン型だと感じました。
グリップは標準のPP60を装着。やや太めのピストル型グリップで、握った感触は安定します。
グリップエンドに調整ネジ穴がありますが、見た目にはほぼ分からず言われなければ気付かないでしょう。
持ち重り感は、私が普段使っているオデッセイ#1W(約360gヘッド+スチールシャフト)と比べても遜色なく、「普通にちょうどいい重さ」です。
総重量は計測していませんがおそらく530g前後、バランスもD0程度に感じました。
素振りするとヒール寄りの重量配分のおかげか、フェースがスッと開いて自然に閉じる動きをします。
これは期待できそうだと感じつつ、いよいよボールを転がしてみます。
転がし始めてすぐ感じたこと
最初に10球ほど2~3mのショートパットを打ってみて、その打感に思わずにやけてしました。
「これは確かに柔らかい!」と。インパクトの瞬間、ボールがフェースに吸い付くような独特の感触があります。そして耳に届く音は「トゥン…」と表現したくなる低く短い音。
金属パターの「カコン」という音とも、軟らかすぎるインサートの「無音」に近い感触とも違う、不思議な音色です。
例えるなら消しゴムでボールを弾いたような、でも芯に芯がある響きとでも言いましょうか。
打感が良いと距離感も合わせやすいという通説通り、2m前後の距離は違和感なくポンポン入ります。芯を食った時の転がりは順回転がかかってスーッと伸びる感じ。
カップインするときもカツンではなくコトンという音で、耳にも心地いいです。
驚いたのは、芯を少し外した時でも距離のバラつきが極めて少ないことでした。
わざとヒール寄り・トゥ寄りで打ってみましたが、もちろん完璧な手応えではないものの、カップまであと10~20cmくらいのところまで転がってくれます。
従来のブレード型だともっとショートするはずなので、インサート効果+慣性モーメント向上の恩恵を感じました。
次に5~8mのミドルパットを打ってみます。ここでも距離感の合いやすさに驚きました。
一般にインサートパターは打ち出しエネルギーが少し弱く、強めに打たないと届かないと感じることがあります。
しかしSIGMA2 ANSERの場合、柔らかいのにボール初速は意外としっかり出ている印象です。
おそらくインサート内部の硬い層が効いているのでしょう。
強くヒットしなくても想定通りの距離が出せるため、無理にヒッティングにいかず優しくストロークするだけでOKでした。
結果、長めのパットでも大きなショートやオーバーは皆無で、常にカップ周辺に寄せられます。「タッチさえ合えば3パットしない」という口コミは本当だなと実感しました。
もちろん良いことずくめではなく、私が感じた注意点もあります。それは「強めにヒットするときの挙動」です。
例えば10mを超えるロングパットや下りのスライスラインなどでしっかりヒットする必要がある場面では、ヘッドが軽く感じました。
普段がやや重めのヘッドに慣れているせいもありますが、強く打とうと手に力が入るとヘッドが走りすぎてフェースが開閉しやすくなるように思います。
実際、強めに打った時に1~2球ほどカップ右に外すミスが出ました。これは私のストロークの問題ですが、ヘッドが素直に動くぶん力みには敏感かなという印象です。
逆に言えば、力まず振り子のようにストロークすれば大丈夫なので、落ち着いてストロークすることが大事だと感じました。
コースでのパフォーマンス
いよいよ実戦投入です。初使用の日はいつもと異なるパターゆえ多少慎重になりましたが、結果は上々でした。
18ホールで「29パット」を記録し、いつもより2~3打は明らかに良い結果。特に嬉しかったのは苦手としていた3~4mの微妙な距離で3回もカップを捉えられたことです。
打感が柔らかく不安がないので、狙ったラインに乗せることに集中できた成果だと思います。ショートパットの外しはゼロ。
これは精神的にも大きなプラスでした。「外してもオーバーしすぎないし、ショートもないだろう」という安心感が常にあり、結果として思い切ったストロークができたのです。
ロングパットでは1m以内に寄せる2パットセーブがほとんどで、3パットは一度もありませんでした。以前使っていたパター(フェースバランス型マレット)は直進性は抜群でしたが距離感が合わず3パットすることもありました。
それに比べるとSIGMA2 ANSERは多少曲がっても距離さえ合えばOKというマネジメントに変わった感じです。
実際、フックラインで読み違えて外した場面でも、距離ピッタリについてOKをもらえたケースがあり、同伴者から「今日はパット安定してるね」と言われました。
コースでひとつ難しかった点を挙げるなら、速いグリーンでのタッチ調整です。
軟らかい打感ゆえに下りの速いラインではいつも以上に繊細なタッチが要求されました。
転がりが良い分コントロールしやすいのですが、繊細すぎて「ショルダーを少し落としただけで大きく転がる」ような怖さもありました。
しかしこれは慣れの問題で、何ホールかプレーするうちに対応できました。
どちらかといえば遅い冬場グリーンより速い夏場のグリーンで威力を発揮するパターだと感じます(柔らかい打感=オーバーしづらいので速い芝でも強く打てる)。
総合インプレッション
トータルで見て、SIGMA2 ANSERは「非常に完成度の高いブレードパター」だと断言できます。
打感の良さと距離感の出しやすさは特筆もので、これは初心者から上級者まで恩恵を感じられるでしょう。
操作性は高いですがピーキーすぎず、多少のミスはインサートが吸収してくれる寛容さも備えています。
また、私自身にとって大きかったのが長さ調整機能です。
普段33.5~34インチの中間くらいが理想なのですが、市販品は34インチが多く、わざわざカットして延長するほどでもないという悩みがありました。
このパターではレンチを使って数ミリ単位で長さを変えられるので、自宅練習で最適なシャフト長を探し出し、今は約33.75インチという絶妙な長さに設定しています。
これにより構えたときのしっくり感が増し、自分専用にチューニングしたクラブという愛着も湧きました。
難点を挙げるなら、やはり強くヒットする場面での頼りなさが少しだけあること。
しかしそれも慣れと工夫で十分対処可能ですし、強く打たないといけないシチュエーション自体が減る(距離感が合うので無理しなくなる)ため、実質的なデメリットには感じませんでした。
以上が筆者の試打インプレッションです。「これは手放せない」と感じるほど私にはマッチし、エースパター候補になりました。
長年数々のパターを試してきましたが、その中でもトップクラスに満足度が高いモデルです。特にパット数に悩んでいる方には是非一度試してみてほしいと感じました。
では、最後に改めてSIGMA2 ANSERのメリット・デメリットを整理し、購入を検討する上でのポイントをまとめます。
メリット・デメリット
長所と短所を客観的に整理すると、以下のようになります。
メリット
極上の柔らかい打感と心地よい打球音
二重構造インサートにより他にないソフトな打感を実現。
ショートパットでも安心感があり、距離感をつかみやすい。打音も低く澄んだ音で耳障りが良い。
距離感が抜群に合わせやすい
インパクト時にボールが乗るようなフィーリングでタッチが出しやすい。
オーバー・ショートの誤差が減り、3パット防止に効果的。
実際に平均パット数が減ったという声多数。
長さ調整機能付き
32~36インチの範囲でシャフト長を無段階で変えられる画期的機能。
自分の体格・ストロークに合わせてベストな長さにセッティング可能。
買ってから「長さが合わない」というリスクが少ない。
構えやすい伝統的ピン型形状
無駄のないシンプルなヘッド形状でターゲットにまっすぐ合わせやすい。
プラチナム(銀)仕上げはサイトラインがはっきり見え、ステルス(黒)仕上げは光の反射が少なく集中できる。
操作性が高くコントロール自在
適度なトウ・ハング(ややアーク向き)でフェースの開閉がスムーズ。
上級者が狙った通りに打ちやすく、繊細なパットもイメージ通りに再現しやすい。
ブレード型としては許容性も良い
ヒール・トゥバランス設計と軽量インサートにより慣性モーメントを確保。
芯を少々外しても極端な方向ブレや距離ロスが起こりにくく、ブレード型の中ではミスに強め。
コストパフォーマンス良好
定価約3万円台と性能を考えれば適正。中古相場も1~2万円程度で手に入る。
メジャー優勝モデルとしては手頃で、長く使える品質を考えれば投資価値が高い。
デメリット
打感・打音の好みが分かれる
非常に軟らかい打感ゆえ、硬めの打感や高音の打球音を好む人には物足りなく感じる恐れ。
フィードバックが穏やかなので「もう少しインパクト感が欲しい」という人もいるかもしれない。
大型マレットほどの直進安定性はない
ブレード型ゆえに慣性モーメントは限定的。ストロークが不安定な人や直線的に引くタイプの人には、フェースが開閉しやすく感じられる可能性がある。
ミスヒット時の寛容性もマレットには劣る。
強めのパットでヘッドが動きやすい
柔らかい打感で軽く振っても転がる反面、強く打とうと振り幅を大きく取るとヘッドが予想以上に加速しやすい。
力んで打つと方向を外しやすいので注意が必要(※慣れで解決可能)。
可動部分への不安
調整機能付きゆえにシャフト内部の機構がシンプルながら存在するため、稀にネジの緩みや故障の心配を挙げる人も。
基本的に頑丈で問題ないが、構造が気になる神経質な方にはデメリットに映る場合も。
デザインの嗜好
フェースの青色インサートや全体のカラーリングは人を選ぶ可能性あり。
従来のオール金属の質感に比べ、樹脂インサートの見た目が安っぽいと感じる人もいるかもしれない(実物は高級感ありますが好みの問題)。
価格が入門者には高め
他社の廉価モデルや中古安価品と比べると予算は必要。パターにあまりお金をかけたくない初心者には中古でも1万円超となると敬遠される可能性がある。
以上が主なメリット・デメリットです。総合的にはメリットが非常に多く、短所はブレード型パター全般に言える点や好みの問題が中心です。
SIGMA2 ANSER自体に致命的な欠陥や性能上の弱みはほとんど見当たりません。
強いて言えば「万人向けではない(合う人には最高だが、合わない人もいる)」という点で、そこは事前の確認や慣れが必要でしょう。
購入前のFAQ
- 自分に扱えるか不安です。ブレード型パターは難しいと聞きますが、大丈夫でしょうか?
-
SIGMA2 ANSERはブレード型の中でも比較的やさしい設計なので、基本的なパッティングができれば問題なく扱えます。
確かにマレット型に比べると直進性のアシストは弱いですが、その分距離感を合わせやすくなっています。
ストロークタイプがご自身で「ややインサイドイン軌道」なら相性は抜群ですし、仮にストレート軌道でも慣れれば充分対応可能です。重要なのは最初に練習グリーンなどでしっかり距離感と方向性を掴むことです。
柔らかい打感なので、最初は強めに打ってしまう人もいますがすぐに調整できます。「難しいのでは?」と不安になる必要はありません。
むしろこのパターに替えてパットが安定したというアマチュアが非常に多いモデルです。
上達を目指すなら思い切ってチャレンジしてみる価値があります。
- メンテナンスはどのようにすれば良いですか? 特別なケアや注意点はありますか?
-
基本的なメンテナンスは他のパターと変わりません。ラウンド後にフェース面やインサートの溝に付着した芝カスや砂を柔らかいブラシや布で落とす程度でOKです。
インサート素材は耐久性の高いPEBAX樹脂で、通常の使用で劣化することはほぼありません。ただし高温下(炎天下の車内など)に長時間放置すると稀に素材が影響を受ける可能性もあるので、保管は直射日光の当たらない室内がベターです。
調整機構部分は基本ノーメンテで大丈夫ですが、長期間使って万一緩みを感じた場合は一度レンチで締め直してみてください。
頻繁に長さを変えすぎるとネジ山に負担がかかるかもしれないので、必要以上に回しすぎない程度にしましょう。
いずれにせよ特別なケアは不要で、通常のクラブ同様に汚れを拭き取り湿気を避けて保管するだけで長持ちします。
ちなみにインサート部に傷が入った場合は修理対応(要問い合わせ)も可能とのことです。
- 中古で買っても大丈夫でしょうか? 何か注意点はありますか?
-
中古での購入も十分「アリ」です。パターは他のクラブに比べて消耗が少なく、SIGMA2 ANSERも耐久性が高いので状態の良い中古なら性能差は新品とほぼ変わりません。
中古購入時の注意点としては、フェースインサートにヒビ割れや大きな削れがないか、シャフト長調整機構が正常に動作するかを確認しましょう。
グリップエンドのレンチ穴にレンチを挿して回し、スムーズに伸縮するか、一度打ってみて緩みなく固定されるかをチェックできると安心です。
またライ角やロフトなど基本スペックが前所有者によって変更されていないかも確認できればベターですが、そこまで神経質にならなくても大丈夫でしょう。
傷の具合はヘッド上面に大きな打痕等が無ければ見た目にも影響ありません。
中古ショップの評価ランク「B」以上(美品~良品)程度を選べばまず問題なく使えます。もし心配であれば、新品同様品を狙っても新品価格より安く手に入るケースがありますので、そうした出物を探すのも良いでしょう。
- 自分の身長や好みに長さを合わせたいのですが、長さ調整機能無しのモデルでも対応できますか?
-
SIGMA2の場合、長さ調整機能無しモデルもカスタム対応で31~36インチの範囲で注文できました。ただし中古市場では調整機能付きモデルの方が多く流通しています。
もし調整機能無しを入手した場合でも、クラブ工房でシャフトカットや延長処理を行えば自分好みの長さに変更可能です(数千円程度の工賃)。
しかしせっかく調整機能付きが存在するモデルですから、個人的には調整機能付きのほうが何かと便利でおすすめです。
自分で微調整できる安心感は大きく、将来的にストロークを変えた時も対応できます。「
調整機能は不要だから少しでも軽い方がいい」というこだわりが無ければ、基本は調整機能付きモデルを選ぶと良いでしょう。
- グリップは交換できますか? また交換しても調整機能は使えますか?
-
はい、グリップ交換は可能ですし交換後も調整機能はそのまま使えます。
Sigma 2調整シャフト専用の純正グリップ(PP58、PP60、PP62など)が供給されており、交換時もグリップエンドに穴の開いた専用品を装着します。
標準以外のグリップに替えたい場合も、Ping純正の調整対応グリップを選べば問題ありません。
一般的なグリップ(穴無し)に交換してしまうとレンチが差し込めなくなるので注意してください。
ただ、もし通常グリップに替えて長さ固定で使う選択肢も無くはないですが、それではせっかくの機能が死んでしまいます。
基本的には純正の調整機能対応グリップを使用し続けることをおすすめします。
幸い標準グリップも握りやすく評価が高いので、多くの場合はそのままで満足できるでしょう。
他にも「重さのカスタムはできるの?」など気になる点があるかもしれません。
補足すると、SIGMA2 ANSERはソールに固定ウェイトが入っていますがユーザーが交換する仕様ではありません(近年のPINGパターは調整ウェイト非搭載)。
重量チューニングしたい場合は鉛テープを貼るなどで対応してください。
では最後に、このパターがどんな人に向いているか/向かないかを整理し、記事のまとめとします。
どんな人におすすめ?
以上の特徴を踏まえて、PING SIGMA2 ANSERパターは以下のようなゴルファーに特におすすめできます。
柔らかい打感で距離感を重視したい人
硬いインパクト音よりも、ボールが吸い付くようなフィーリングを好む方にはピッタリです。
とにかくタッチを合わせやすいので、パットの距離感に悩んでいる人、3パットを減らしたい人には救世主となるでしょう。
特に速いグリーンでオーバーを怖がって打てない…という人でも、このパターなら優しくヒットしてしっかり寄せていけます。
ショートパットのプレッシャーを和らげたい人
「1~2mのパットをよく外す」「打ち切れずショートしがち」という方にも向いています。
SIGMA2 ANSERの打感と転がりなら、ショートパットでも安心してカップに強めに打ち出せるはずです。
実際、渋野プロもこのパターのおかげで「ショートパットが怖くない」と語っています。
カップ周りでの決定力を上げたい人には心強い武器になるでしょう。
ピン型パターの操作性が好きな中上級者
ある程度パッティング技術があり、自分でラインや強弱をコントロールしたい人にはSIGMA2 ANSERの高い操作性が武器になります。
フェースローテーションや打ち出し角を自分の感覚で操りたい方には、思い通りに動いてくれるクラブです。
「ブレード型で勝負したい」というアベレージ~シングルの方にとって、最新テクノロジーで進化したAnserは最高のお供となるでしょう。
パターの長さ・フィーリングにシビアな人
どうも既製品の長さやバランスが合わない、と感じている方には長さ調整機能は福音です。
自分にフィットするパターを探し求めているゴルファーにとって、SIGMA2 ANSERは自らジャストフィットに作り上げられるパターと言えます。
微妙なフィーリングにこだわる上級者から、身長が極端に高い/低い方まで、調整機能で幅広く対応できる点は大きなメリットです。
PING伝統の「Anser」形状が好きな人
ピン型パターの元祖である「Anser」の系譜を継いでおり、オーソドックスな形状美があります。
PINGファンや伝統的ピン型の構えやすさに馴染んでいる方には、その安心感に最新技術がプラスされた本モデルは理想的でしょう。
オデッセイやテーラーメイドのピン型も良いですが、「やっぱりピン型はPINGが本家」という愛着を持つ方にはぜひ試してほしい一本です。
逆に、以下のような人には向かない可能性もあります。
- 直線的ストロークでとにかく真っ直ぐ転がしたい人(→フェースバランスのマレット型の方が適しています)
- 硬めの打感・高いインパクト音が好きな人(→金属削り出しのパターや硬質インサートのモデルが好適)
- パターに極力お金をかけたくない人(→もっと安価なモデルや中古でもっと古いモデルでも代用可)
- 奇抜な大型ヘッドでアライメント補助機能満載のパターが好みの人(→SIGMA2 ANSERは見た目シンプルなので物足りないかも)
もっとも、これらに該当する方でも「柔らかい打感を試してみたい」など興味があれば一度打ってみる価値はあります。
実際ピン型が苦手だった人がSIGMA2 ANSERで克服した例もあるため、一概に向かないとは言い切れません。
基本的には多くのゴルファーにマッチする懐の深いパターですが、強いて言えば上記のようなケースでは他モデルも検討してみましょう。
記事のまとめ
PING「SIGMA2 ANSER」パターは、伝統のピン型デザインに最新のインサート技術と画期的な長さ調整機能を融合させた意欲作です。
柔らかな打感と距離感の出しやすさは特筆もので、渋野日向子プロのメジャー制覇をはじめ数々の勝利を支えてきました。
一般ゴルファーからの評価も非常に高く、「パット数が減った」「自信がついた」と多くの喜びの声が寄せられています。
ブレード型として高い操作性と構えやすさを備えつつ、ミスヒットへの許容やチューニング性も向上しており、欠点らしい欠点が見当たらないバランスの良さがSIGMA2 ANSERの魅力です。
強いて挙げれば打感の好みやストロークタイプとのマッチングですが、それさえクリアすればあなたのパッティングをワンランクアップさせてくれるでしょう。
価格帯も適正で、中古なら手頃に入手可能なため、興味が湧いた方はぜひ一度手に取って試してみてください。
もしショップの試打コーナーで数球でも転がせば、その独特の「トゥン」というフィーリングに驚くはずです。
そしてグリーン上で思い通りに距離を合わせられる感覚を味わえば、きっと手放せなくなるでしょう。
PING SIGMA2 ANSERは、「パット巧者への道」を拓いてくれる頼もしい相棒となり得るパターです。
柔らかい打感と確かな転がりで、あなたのボールをカップインへと導いてくれるでしょう。
これからパター選びをされる方は、是非候補に入れてみてはいかがでしょうか。きっとグリーン上での心強い味方になってくれるはずです。
あわせて読んでほしいピン型パターの記事



