グリーン上での安定と自信を求めるゴルファーにとって、オデッセイの革新的な「ストロークラボ Ten」パターは、まさに救世主となるかもしれません。
2019年の発売以来、この高性能ネオマレット型パターは多くのツアープロやアマチュアから絶大な支持を集め続けてきました。
なぜこのパターがこれほど話題なのか?それは「安定性」という言葉に集約されます。
ストロークラボ Tenには、オデッセイが長年培ってきた技術の粋が注ぎ込まれています。
高い慣性モーメントを持つ大型ヘッドと革新的な複合シャフトが生み出す抜群の直進性、そしてホワイト・ホット マイクロヒンジ★インサートによる絶妙な打感。
これらが融合することで、これまでにない安定したパッティングを実現しているのです。
「ストロークラボTenを使い始めてから、明らかに3パットが減った」 「ショートパットでの自信が格段に増した」
こうした口コミが示すように、このパターの最大の魅力は「ミスに強い」点にあります。
芯を外しても方向と距離のブレが最小限に抑えられるため、アベレージゴルファーのスコアアップに直結します。
また、カーボン+スチールの複合「ストロークラボシャフト」が生み出す独特の重量バランスも見逃せません。
ヘッドとグリップ側に重量を配分する革新的設計により、振り子のような一定のリズムでストロークできるようになります。結果として、方向性と距離感の再現性が飛躍的に高まるのです。
国内外のツアープロも、この優れた性能を信頼して実戦投入しています。
スコアメイクの武器としてTenシリーズを選択するプレーヤーが増え続けているのも納得です。
本記事では、このストロークラボ Tenパターの詳細なスペックから実際の使用感、そして比較対象となる他社パターとの違いまで徹底解説します。
「パッティングの安定が欲しい」「芯を外しても寛容なパターが欲しい」「最新テクノロジーの恩恵を受けたい」というゴルファーの皆さんに、最適な選択をしていただくための情報をお届けします。
特徴・スペック
オデッセイ「ストロークラボ Ten」パターの基本スペックを以下にまとめます。
ヘッド形状は高慣性モーメントのネオマレットタイプで、複合シャフト「ストロークラボシャフト」を採用し、優れた直進性と安定感が特徴です。

メーカー | オデッセイ(Callaway) |
---|---|
シリーズ | Stroke Lab(ストロークラボ) |
発売日 | 2019年11月8日 |
新品価格 | 41,800円 |
中古最安値 | 9,000円 |
中古最高値 | 20,000円 |
ヘッドの形状 | ネオマレットタイプ |
ヘッドの素材 | ステンレススチール+ABS樹脂 |
ヘッドの重量 | 約365g |
ネックの形状 | ダブルベント / スラントネック / センターシャフト |
シャフトの素材 | スチール(Stroke Lab 90シャフト) |
ロフト角 | 3 |
シャフトの長さ | 33〜35インチ |
※中古最安値、中古最高値は2025年5月時点
メーカー・シリーズ
キャロウェイ社のオデッセイブランドで、Stroke Labシリーズに属します。
発売日・価格
2019年11月発売のモデルで、定価は税込み41,800円です。
中古市場では状態や長さによりますが約9千円から2万円前後で入手可能です。
ヘッド形状・素材
大型ネオマレット型ヘッドで、ステンレススチールとABS樹脂による複合構造です。
高いMOI(慣性モーメント)で直進性に優れ、ボールの方向安定性を向上させます。
ヘッド重量
ヘッド重量は約365gと重めで、ヘッドの安定感を生み出しています。
この重量と慣性モーメントの高さがミスに強いパター性能に寄与します。
ネック形状
ネックは選択可能で、標準的なダブルベント(フェースバランス)、ショートスラントネック(ややトウ・ハングでアークストローク向け)、センターシャフトなどがあります。
自分のストロークタイプに合わせて選べるのも特徴です。
シャフト
ストロークラボシャフトと呼ばれるカーボン+スチールの複合シャフトを採用。
通常のスチールシャフトより約40g軽量化された75g前後のシャフトで、浮いた重量をヘッドとグリップ側に配分することで振り子のような安定ストロークを実現します。
ロフト角・長さ
ロフト角は3度で一般的な値です。ライ角は70度(標準)で、長さは33インチ・34インチ・35インチから選択できます。
自分の身長やアドレス姿勢に合わせて長さを選ぶことで、より構えやすくなります。
パターの特徴
Stroke Lab Tenパターの性能面を、「操作性」「ミスヒット耐性」「打感」「重量バランス」「重心設計」「価格」の6項目で評価します。
それぞれ5段階での評価と理由は以下の通りです。

図:ストロークラボ Ten パターの5段階評価レーダーチャート
操作性(評価:4/5)
構えたときの安定感が高く、方向を出しやすい操作性があります。大型ヘッドにより視覚的にターゲットに合わせやすく、ストローク中もヘッドがぶれにくいです。
とくに真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すストロークでは抜群の安定度を発揮します。
ただ、ヘッドが大きく重いため、繊細なタッチや強いアークを描くストロークを好むゴルファーには少し慣れが必要な点で満点から1減としています。
全体的には方向性の出しやすさとストロークの再現性が高く、操作は容易に感じられるでしょう。
ミスヒット耐性(評価:5/5)
高い慣性モーメントを持つネオマレット形状のおかげで、芯を外したヒットにも非常に強いです。
ヒールやトゥ寄りに当たってもフェースのブレが少なく、打球の方向性や距離感が大きく狂いません。
実際に芯を外して打ってみても、ボールスピードの減衰が少なくカップまで届いてくれる印象です。
パッティングにおけるミスの許容度が高く、ショートパットの外しや距離感ミスを減らしてくれるため、ミスヒット耐性は最高評価に値します。
打感(評価:4/5)
フェースには「ホワイト・ホット マイクロヒンジ★(スター)インサート」が搭載され、ソフトで心地よい打感が特徴です。
インパクト時の感触は従来のホワイト・ホットインサートの柔らかさに加え、適度な打球音があり「芯に乗った」感触を得られます。
プロからは「打感が新感覚で良い」という声もあり、転がり出しもスムーズです。
一方で、打感が柔らかい分だけインパクトの強弱フィードバックが穏やかになるため、「もう少し硬めが好み」というゴルファーもいるかもしれません。
そのため好み次第ではありますが、万人受けしやすい高水準の打感として4点評価としました。
重量バランス(評価:5/5)
ストロークラボ特有のカウンターバランス設計が功を奏し、非常にバランスの良い重量配分です。軽量シャフトで浮いた重量をヘッドとグリップ側に配分しているため、ストローク中のヘッド挙動が安定し、テークバックからインパクトまで一貫したテンポを保ちやすくなっています。
実際に振ってみると、ヘッドの重さを感じつつも手元側にも重量があるおかげで振り子運動がスムーズに行える印象です。
ヘッドが勝手に落ちすぎることもなく、振り遅れも防止できるため、ストロークの再現性が高まります。
重量バランス設計はこのパター最大の特徴であり、安定感に大きく貢献しているため満点評価です。
重心設計(評価:5/5)
ヘッドの両翼部に重量を配した深い重心設計で、非常に直進性が高いです。
低く深い重心は転がり始めの順回転を促進し、打ち出し直後からボールがラインに乗りやすくなっています。
またフェースバランス系のネックを選べばインパクト時にフェースが真っ直ぐ戻りやすく、方向のブレを最小限に抑えます。
重心深度が深いことで慣性モーメントも大きく、ストローク中のフェースの開閉が少なくなるメリットがあります。
設計上の工夫によりパッティングの安定性が非常に高く評価できるため、この項目も満点です。
価格(評価:4/5)
定価約4万円台と、パターとしては中価格帯からやや高めに位置します。
最新テクノロジーを搭載したモデルとして妥当な価格設定ではありますが、予算を抑えたいゴルファーにとってはやや高価に映るかもしれません。
Scotty Cameronなどの高級パターよりは手頃ですが、ピンや他メーカーの標準的パターと比べると少し割高です。
ただし発売から時間が経って中古市場では1万円台前半から入手できる点や、価格相応の性能向上が期待できることを考えると、コストパフォーマンスは決して悪くありません。
新品価格の高さを踏まえて評価4としましたが、値引きや中古利用で安く手に入ります。
他の人気パターの比較
ストロークラボ Tenと、同じくネオマレット型で人気の高い「スコッティ・キャメロン Phantom X」シリーズ、およびピン「SIGMA2 Fetch」パターとを比較してみます。
それぞれ打感(インパクトフィール)、操作性(扱いやすさ)、ミスヒット耐性(寛容性)、価格(コストパフォーマンス)、使用プロ(ツアープロの使用状況)について、相対的に◎(優れている)・○(平均的)・△(やや劣る)の3段階で評価しました。
パター名 | 打感 | 操作性 | ミスヒット耐性 | 価格 | 使用プロ |
---|---|---|---|---|---|
Odyssey Stroke Lab Ten | ◎ 非常にソフトで心地良い | ◎ 直進性が高く方向を出しやすい | ◎ 高MOIで芯を外しても安定 | ○ やや高めだが性能相応 | ○ 一部プロが使用(例:今平周吾) |
Scotty Cameron Phantom X | ○ 程良い打感(やや硬め) | ○ 安定感はあるが慣れが必要 | ○ ミスにそこそこ強い | △ 高価(高級モデル) | ◎ 多数のプロが使用中 |
PING SIGMA2 Fetch | △ 非常にソフトだが好み分かれる | ○ ボール回収機能付きで扱いやすい | ◎ 高慣性でミスに強い | ◎ 手頃(入手しやすい) | △ ツアー使用は少なめ |
打感
Stroke Lab Tenはホワイトホット系インサートの柔らかい打感で◎評価です。
Phantom Xは金属+樹脂複合のフェースで適度な打感を持ち○、PING Sigma2 Fetchはデュアルデュロメータインサートにより非常にソフトですが、人によっては「柔らかすぎる」と感じるため△としました。オデッセイの柔らかい打感はアマチュアからプロまで評価が高く、安心感につながります。
操作性
大型マレット型はいずれも直進性が高く操作しやすいですが、Stroke Lab Tenは構えやすさと重量配分の良さから◎としています。
Phantom Xも安定したストロークが可能ですが、スコッティ特有の形状に慣れが必要な面もあり○。
Fetchは丸型ヘッドでボールを拾える独特のデザインで、アドレス時の安心感はありますが、一般受けする操作性という点では○評価に留めました。
総じてTenの直進性の高さと構えやすさが一歩リードしています。
ミスヒット耐性
高慣性モーメント設計のマレット型ゆえ3モデルともミスに強いです。
特にTenとFetchは慣性モーメントが非常に大きく、オフセンターヒットでもラインを外しにくいため◎としました。
Phantom Xもサイズによりますがある程度の寛容性は備えており○評価です。
Tenはスパイダー系形状を踏襲しており、慣性モーメントの大きさではトップクラスです。
価格
Scotty Cameron Phantom Xは5万円以上するモデルもある高級パターで△です。
Stroke Lab Tenは定価4万円台で○、PING Sigma2 Fetchは定価3万円前後かそれ以下で購入できるため◎としました。
性能に対する価格満足度では、Tenはやや高めながら中古などお得な入手法もあり及第点、Pingは機能的にも価格的にも手頃と言えます。
使用プロ
ツアープロの使用率ではScotty Cameronが圧倒的で、Phantom Xシリーズも多くのプロに愛用されています(◎)。
Odyssey Tenはオデッセイ契約プロの中で一部が使用しており、国内男子の今平周吾プロや米ツアーのジョン・ラーム選手(※2-Ball Tenを使用)など例がありますが、その割合はスコッティほど多くないため○に留めています。
Ping Fetchはユニークな機能ながらプロ使用例は少なく△としました。
ただしオデッセイブランド全体ではツアー使用率が非常に高く、Tenシリーズも近年じわじわと採用プロが増えています。
ツアープロの使用例
ストロークラボ Tenパターは、一部のツアープロにも採用されています。
その使用例とプロのコメントを紹介します。
今平周吾(国内男子プロ)
賞金王にも輝いた今平プロは、大型マレット型パターを好んでおり、ストロークラボ Tenを投入した試合でいきなり優勝争いに絡みました。
高速グリーンで迎えた最終日のイーグルパットを真ん中から沈めるなど、このパターの直進性と安定性を存分に活かしたプレーを披露しています。
今平プロ自身のコメントこそ多くはありませんが、その即戦力ぶりがパターの性能を物語っています。
河本結(国内女子プロ)
2019年の女子ツアー練習日でいち早くストロークラボTENをテストし、「打感が今までと違う、新感覚。かなり良さそうです」と高評価のコメントを残しています。
河本プロは実際に手に取って感触を確かめ、特にインサートによる打感の良さに驚いていました。
ネック形状が複数ある点も含め、好印象を持ったようです。
ジョン・ラーム(海外男子プロ)
世界トップクラスのラーム選手は、オデッセイの2-Ball Tenを2021年から使用し始め、大会で優勝も果たしています。
2つの円球で構成されたアライメント(2-Ball)バージョンではありますが、Tenシリーズの高い慣性モーメントとストロークラボシャフトの効果を信頼して採用しました。
本人は「自分に合うパターを見つけるためにオデッセイが用意した数多くのモデルから最適な一本を選んだ」とコメントしており、その最適解の一つが2-Ball Tenでした。
ラーム選手のような世界的トッププロが使用しメジャー制覇に貢献した事実は、Tenシリーズの性能の裏付けと言えるでしょう。
石川遼・上田桃子(国内男女プロ)
人気プロの石川遼選手や上田桃子選手も、一時期ストロークラボ Tenをトーナメントでテスト投入しています。
石川選手はエースパターとは別にTenを予備として携帯し、コースやグリーンコンディションによって使い分ける戦略を見せました。
上田選手は2023年開幕戦から赤いストロークラボシャフト仕様のTenを使用し始めたことが話題になりました。
彼らは「構えやすさ」「直進性の良さ」を評価ポイントに挙げており、多くのプロが注目するモデルになっています。
このように、Stroke Lab Tenはプロの世界でも一定の評価と実績を残しています。
絶対数ではスコッティ系に譲るものの、「安定してストロークしやすい」「ミスに強い」といった利点からスコアメイクの武器として採用するプレーヤーが増えています。
一般ユーザーの口コミ・レビュー
実際にStroke Lab Tenパターを使用している一般ゴルファーの口コミも確認してみましょう。
複数の通販サイトやゴルフ口コミサイトから、良い口コミとイマイチな口コミを中心にまとめます。
良い口コミ
「構えたときに非常に安心感がある。ヘッドが大きくまっすぐ引いてまっすぐストロークするだけでいい感じです」
大型ヘッドと明瞭なアライメントにより、アドレス時の方向合わせが簡単との声が多くあります。
真っ直ぐ引いて押し出すストレートなストローク軌道を取りやすく、カップまでのラインをイメージしやすいという意見です。
「ミスヒットに強く距離感が狂いにくい」
芯を多少外しても転がりが安定しているとの口コミが見られます。
「ヒール寄りやトウ寄りに当てても距離ロスが少なくカップインできた」「大型ネオマレットの長所である許容性を実感した」という声があり、慣性モーメントの恩恵をユーザーも実感しています。
「打感が柔らかくて気持ち良い」
ホワイトホット系のインサート打感について「柔らかいけれどしっかり感もある」「手に響く嫌な振動がなく心地よい」と好評です。
長年オデッセイのホワイトホットインサートを愛用していた方からも「最新のインサートは適度な硬さも感じられて良い」との評価があります。
打音も静かすぎず甲高すぎず適度で、距離感をイメージしやすいという意見も見られました。
「ストロークが安定し、ショートパットに自信が持てた」
ストロークラボシャフトの効果か「振り子のように振れて方向がブレない」「ストロークが安定して3パットが減った」という声があります。
ヘッドの重みと手元側のバランスが良く、真っ直ぐ引けない癖が改善されたという人もいました。
特に短いパットで迷いなくストロークできる安心感は、多くのユーザーが実感しているメリットです。
「グリップも太めで握りやすい」
純正装着のStroke Labピストルグリップ(約76g)が手に馴染むとの意見もありました。
適度に太く平らな面があるグリップで、手首の余計な動きを抑えてくれると感じる人もいます。
グリップまで含めた一体の設計思想がユーザーのストローク安定に繋がっているようです。
イマイチな口コミ
「ヘッドが大きく見た目の好みが分かれる」
ネオマレット特有の大型ヘッド形状について、「ちょっと大げさに感じる」「ブレード型に慣れた自分には構えた時に違和感があった」という声もあります。
デザインは黒を基調とした精悍な見た目ですが、人によっては「テーラーメイドのスパイダーにそっくりでオリジナリティが感じられない」と指摘する意見もありました。
見た目の印象は好みが分かれる点です。
「重量感があるので慣れが必要」
ヘッド総重量が重めなことから、「打ち始めは距離感が合わずオーバーさせてしまった」「軽めのパターから持ち替えると最初はヘッドが重く感じる」との声もありました。
慣れてくるとその重さが安定感に繋がるのですが、最初のラウンドでは距離勘を掴むのに練習が必要という指摘です。
ただしこれは裏を返せば転がりが良い証拠でもあり、何ラウンドか使ううちに「次第にタッチが合ってきた」とフォローする口コミも見られます。
「打感が柔らかすぎると感じる人も」
多くは高評価の打感ですが、中には「もう少し打感に芯の強さが欲しい」という意見もあります。
インサートの感触ゆえのマイルドさが好みでないユーザーや、打音が静かすぎて物足りないと感じる方も一部いるようです。
これは好みによるところが大きく、過去に金属フェースのパターを使っていた方ほどその傾向があるようです。
「価格が高い」
一般ユーザーにとって4万円を超える新品価格は安くはありません。「パター1本にこの値段は躊躇した」という声も少数ながらありました。
ただし実際に購入したユーザーの多くは「高かったがそれに見合う価値は十分あった」「中古で程度の良い物を安く買えたので満足」とポジティブに捉えている傾向です。
とはいえ予算重視のゴルファーには手を出しにくい価格帯であることも確かです。
総合すると、一般ユーザーからは直進性の高さとミスの許容度、ソフトな打感への満足度が非常に高いことがうかがえます。
ネガティブな点も「慣れ」や「好み」に関するものが中心で、性能そのものへの明確な不満はほとんど見受けられませんでした。
全体評価として口コミ平均は★4.5/5前後と非常に高評価で、「買ってよかった」「長年の悩みが改善した」という声も多い印象です。
筆者の試打インプレッション
ゴルフ歴20年・平均スコア80台のアベレージゴルファーである筆者が、Stroke Lab Tenパターを実際にコースおよび練習グリーンで試打した感想をお伝えします。

まず手に持った感触として、ヘッドの存在感と独特のバランス配分に驚きました。通常のパターよりシャフトが軽いためか、ヘッドとグリップの両端に重さを感じます。
構えてみるとヘッド後方のウイングが左右に広がっておりボールを包み込むようで、目標に対して非常に合わせやすいです。
私はエースパターにブレード型(ピン型)を長らく使用してきましたが、それと比べても違和感なくすっと構えられました。
黒地に白いサイトラインが1本入ったシンプルなアライメントでしたが、かえって余計な情報がなくボールとカップを一直線で結びやすかったです。
実際に打ってみると、打感は驚くほどソフトでした。インパクトの瞬間、ボールがフェースに乗って押し出されるような感じで、「コツン」という音ではなく「トン」といった少し低めの音が耳に残ります。
練習グリーンで3m程度のパットを繰り返しましたが、芯を食ったときの感触は病みつきになる心地よさです。
私はやや打ち急ぎの癖があり強めにヒットしてしまうことがあるのですが、このTenパターではインパクトが穏やかになるせいか距離感が合いやすく、オーバーしすぎるミスが減りました。
重めのヘッドのおかげでストローク中の安定感は抜群です。テークバックでヘッドがブレにくく、一定のリズムで振り子運動ができました。
ストロークラボシャフトの効果でしょうか、明らかに自分のストロークがスムーズになります。
特に感じたのは方向のブレの減少で、フェースの開閉が抑えられるためか狙ったラインにボールが出て行ってくれる率が高かったです。
強めに打ってもヘッドが暴れず、弱めに打ってもインサートがしっかり転がりを生んでくれるため、「入れごろ外しごろ」の中途半端な距離でも安心してストロークできました。
一方で、最初は距離感の調整に少し戸惑いました。10mを超えるようなロングパットで、いつもの感覚でヒットすると予想より転がる印象があります。
これは慣性モーメントが大きくボールに順回転がかかりやすいこと、そして柔らかいインサートでエネルギーロスが少ないことが要因と思われます。
実際、下りのロングパットではタッチをかなり緩めにしないとオーバーしてしまい、初日は2回ほど3パットしてしまいました。
ただ、ストローク自体は安定しているので、練習でタッチさえ掴めば問題ない範囲です。
事実、2ラウンド目には距離勘も合い始め、長いパットでも大きく外すことはなくなりました。
特筆したいのはショートパットでの安心感です。1~2mのパットは「絶対に入れたい」というプレッシャーがかかる場面ですが、このパターだと狙ったところにしっかり打ち出せるのでカップイン率が上がりました。
ヘッドを真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すだけで良いという信頼感があり、余計な考えが頭に浮かばなくなったのは大きな利点です。
実際ラウンド中、1mのパーパットを5回ほど迎えましたが、すべてカップの中心から沈めることができ、自分でも驚いたほどです。
いつもなら1回か2回は外してしまう距離なので、この安定感には正直感動しました。
芯を外したショットも試してみました。意図的にヒール寄りやトゥ寄りで打ってみましたが、ヒール気味に当たったときは若干ショートしましたが、それでもカップ手前まで転がり、トゥ側に当たったときは方向はわずかに右に逸れたものの距離はほぼ合っていました。
自分のストロークの再現性が完璧ではないアベレージゴルファーにとって、ミスをカバーしてくれるこの性能はありがたい限りです。
全体として、ストロークラボ Tenパターは「ストロークの安定装置」を手に入れたような感覚でした。
長年80台で伸び悩む私にとって、パッティングの安定は悲願ですが、このパターを使い始めてから明らかに3パットが減少し、スコアメイクが楽になりました。
と同時に、今までいかに自分のストロークが不安定だったかを思い知らされる結果ともなり、道具の力でここまで変わるものかと驚いています。
もちろん、すべての人に万能ではないかもしれません。
強いて言えば、私はもう少しインパクトの「打った感」が欲しいタイプなので、打感が柔らかい点は最初物足りなく感じました。
しかし、それも慣れてくると「柔らかいけど芯を感じる」打感に好印象へと変わりました。
逆に硬めのパターから替える場合は最初戸惑うかもしれませんが、順応は難しくないでしょう。
まとめると、Stroke Lab Tenパターは安定したストロークと高い許容性により、アマチュアゴルファーのスコアを確実に支えてくれる一本だと実感しました。
試打を終えた今では、エースパターの座を奪う勢いでバッグに入れたいと思っています。
メリット・デメリット
客観的な視点で、Stroke Lab Tenパターのメリットとデメリットを整理します。
メリット
直進性と安定性が抜群
高慣性モーメントのネオマレット形状と深い重心設計により、ストローク時のフェースのブレが少なく、ターゲットに対してまっすぐボールを転がしやすいです。
ショートパットでの方向安定性は大きな武器になります。
ミスヒットに強い寛容性
芯を外しても距離・方向のズレが最小限に抑えられる高いミスヒット耐性があります。
パットの芯を毎回捉えるのは難しいですが、このパターは多少のミスを吸収してくれるのでスコアへの悪影響が減ります。
柔らかく心地よい打感
White Hot Microhinge★インサートによるソフトな打感と適度な打球音は、多くのゴルファーに好評です。
ボールにしっかり順回転がかかる感触があり、手に残るフィーリングが良いためパッティングが楽しくなります。
革新的な重量配分(ストロークラボシャフト)
カーボンとスチールの複合シャフトで作られたStroke Labシャフトにより、ヘッドとグリップ側に重量を再配分しています。
この設計がストロークのテンポを安定させ、振り子運動を助けてくれます。結果として方向性・距離感の再現性が向上します。
選べるネックタイプ
ダブルベント(フェースバランス)、スラントネック(ややトウダウン)、センターシャフトと、自身のストロークタイプに合わせてネック形状を選択できます。
ストレート軌道派からアーク軌道派まで、それぞれに合った調整が可能です。
豊富なアライメントバリエーション
今回主に紹介したシンプルなライン入りモデル以外に、2-Ball TenやTriple Track Tenなど、アライメント(目標方向のガイド)が異なるバリエーションモデルも存在します。
自分に合った構えやすいトップラインを持つモデルを選べるのは大きな利点です。
実績と信頼性
オデッセイというツアー使用率No.1ブランドの技術が投入されており、実際にプロの勝利や数々の高評価口コミで性能が裏付けられています。
「迷ったらオデッセイ」と言われるほどパター界では定評のあるブランドであり、その最新技術を結集したTenは信頼できるモデルです。
デメリット
ヘッドの大型化による好みの差
ネオマレットの大きなヘッド形状は、伝統的なブレードパターに慣れた人には違和感がある場合があります。見た目の存在感がありすぎて構えづらいと感じる人もいるかもしれません。
また、デザイン的にも「Spiderによく似ている」ため独自性を重視する人には響かない可能性があります。
重量が重め
ヘッド重量が約365gあり、総重量(パター全体)も標準的なパターより重くなりがちです。そのため、軽量パターに慣れている人が持つと振り心地に戸惑うかもしれません。
特にタッチの繊細さが要求される高速グリーンや下りラインでは、最初は距離感を合わせづらい可能性があります。ただし、これは慣れとともに改善できる点でもあります。
打感・打音の好み
柔らかいインサート打感は多くの人に好まれますが、中には「柔らかすぎて物足りない」「もう少し音が欲しい」という人もいます。
カップイン時の「カコッ」という快音や、芯に当てたときのカチッとした感触を求めるゴルファーには、樹脂インサート特有のマイルドさが合わない場合があります。
価格が高め
新品定価は4万円を超えるため、パターとしては安くはありません。
初心者や予算を抑えたいゴルファーには購入を躊躇させる価格帯です。同シリーズの中古相場が下がってきているとはいえ、「まずは安いパターで練習したい」という層には不向きかもしれません。
強めのアークストロークには不向き?
フェースバランス系の設計であるため、ストレートにストロークするスタイルにはフィットしますが、意図的にフェースを開閉する強いインサイドアウト軌道のプレーヤーには動きが抑制されすぎる可能性があります。
ただし、スラントネック版を選ぶことで多少のトウダウン(フェースローテーション)を確保できるため、調整は可能です。
この点はデメリットというより選択時の注意点と言えるでしょう。
以上のように、Stroke Lab Tenパターは多くのゴルファーに恩恵をもたらすメリットが豊富ですが、一部のプレースタイルや好みに合わないデメリットも存在します。
購入検討の際は自分のスタイルと照らし合わせて、これらポイントを考慮すると良いでしょう。
購入前のFAQ
Stroke Lab Tenパターを購入する前によくある疑問や不安に対するQ&A形式のまとめです。
- パッティング初心者でも扱えますか?
-
はい、初心者の方にも扱いやすいパターです。 Stroke Lab Tenは直進性が高くミスにも強いため、パッティングが不安定な初心者こそ恩恵を受けやすい設計と言えます。
構えたときにヘッドがブレにくく、方向を出しやすいので「とりあえず狙ったところに打つ」感覚を掴みやすいでしょう。
重量がある分ストロークが安定し、ショートパットのミスも減らせます。
ただし、最初は距離感に慣れるために練習グリーンで感触を確かめることをおすすめします。
扱いやすさという点では、初心者から上級者まで幅広く対応できる懐の深いパターです。
- 他のモデル(オデッセイの2-Ballや#7など)との違いは何ですか?
-
Tenはオデッセイの中でも最新技術と高慣性モーメントを融合したモデルです。
他モデルとの主な違いはヘッド形状とアライメント、および慣性モーメントの大きさです。
例えば、伝統的な#7(セブン)はツノ型のヘッドで慣性モーメントは高いですが、Tenはそれを上回る安定感を目指して「窓のない一直線ウイング形状」に進化しています。また2-Ball TenはTenのヘッドに2ボールのアライメントを搭載した姉妹モデルで、違いはトップの目印だけです(転がり性能やシャフトは共通)。
要はTenは「高い直進性と構えやすさ」にフォーカスしたデザインであり、#7や2-Ballなどオデッセイ過去モデルの良さを取り入れつつ慣性モーメントを最大化した点が大きな違いです。
見た目の好みや構えやすさで選んでも性能に大きな差はありませんが、最高の直進性を求めるならTenシリーズが優位と言えるでしょう。
- 自分に使いこなせるか不安です。ハイテクすぎませんか?
-
使いこなすのに特別なテクニックは必要ありません。
ストロークラボ Tenは確かに最新テクノロジー満載ですが、基本的には「まっすぐ構えてまっすぐストロークする」というシンプルな操作で性能を発揮してくれます。
特殊な重心調整や複合シャフトも、ユーザーが意識しなくても自然に効果が出るよう設計されています。
むしろ、道具の力でストロークを安定させてくれるので、自分の技術に自信がない方ほど恩恵を感じるはずです。
最初はヘッドの重みを感じてぎこちなく感じるかもしれませんが、数回ラウンドすればその重みがストロークを助けてくれていると実感できるでしょう。
「ハイテクだから自分には無理」と構える必要はなく、誰でも扱いやすいよう作られていると考えて大丈夫です。
- 購入して後悔することはありませんか?
-
大きな後悔につながる可能性は低いですが、いくつか確認しておくと安心です。
性能面では多くのゴルファーが高評価しており、「思ったより合わなかった」というケースは少数です。
ただ、人によってはヘッド形状の好みや打感の好みが合わない場合もありえます。後悔を避けるためには、購入前に一度試打してみることをおすすめします。
ゴルフショップのパターマットやコースの練習グリーンで転がしてみて、構えやすさや打感を確かめてください。
それでもし違和感が無ければ、まず後悔することはないでしょう。
また、価格面が気になる場合は中古やセール品を検討するのも賢い選択です。
総じてStroke Lab Tenは「買って正解」「もっと早く使えば良かった」という声が多いモデルですので、過度に心配しすぎなくても良いかと思います。
- どのネック形状を選べば良いでしょうか?
-
ご自身のストロークタイプに合わせてネック形状を選ぶのがベストです。
基本的には、ストローク軌道が真っ直ぐに近い方やフェースバランスの感覚が好きな方はダブルベントネック(標準のTen)を。
やや内側に引いて内側に抜くアーク軌道の方や、インパクトでフェースを返す感覚が欲しい方はショートスラントネック(Ten S)を選ぶと良いでしょう。
センターシャフトは、構えたときにボールと目標を一直線に見やすくしたい方や、極力フェースの開閉を抑えたい方に向いています。
迷った場合はまず標準のダブルベントを試し、それで引っかけるようならスラント、押し出すようならセンターシャフト、と調整する方法もあります。
ネック形状によって打感や慣性モーメントはほぼ変わりませんので、構えたときにしっくりくるものを選ぶことが大切です。
どんな人におすすめ?
以上を踏まえ、Stroke Lab Tenパターが特におすすめできるゴルファーのタイプをまとめます。
パットの方向性に悩んでいる人
ストロークが安定せずラインに乗らない、ショートパットをよく外すといった悩みを持つ方には、Tenの直進性と安定感が大きな助けになります。
フェースの向きが揃いやすく、狙った方向に打ち出せるので方向性アップに直結します。
パットの距離感を安定させたい人
3パットの原因となる大幅なショートやオーバーを減らしたい方。高慣性モーメントでミスヒット時の距離ロスが少なく、常に安定した転がりが得られるので距離感のばらつきが減ります。
特にストロークテンポが不安定な人でも、カウンターバランス設計により安定した振り幅でストロークしやすくなります。
インサートの柔らかい打感が好きな人
ホワイトホット系のソフトな打感や静かな打球音が好みの方には、このパターのフィーリングはマッチします。
カップインの際のソフトな感触や、転がり出しの滑らかさを味わいたい人に向いています。
ストレートに近いパッティングストロークの人
普段からフェースローテーションを抑え気味で真っ直ぐストロークするタイプのゴルファー。
Stroke Lab Tenはフェースバランス設計(※ダブルベントネックの場合)なので、このようなストロークに理想的にフィットします。
逆に強いアークストロークの人はスラントネック版を使うことで対象になります。
パター選びでスコアを伸ばしたい中級者
すでにある程度パット技術はあるが、さらなる安定を求める中級ゴルファー。
Tenはプロも使用する高性能パターなので、中級者以上が使えばベストスコア更新の強力な武器になるでしょう。
特に「パット数30台前半を切れない」と悩む方が使えば、確実に30切り(1ラウンド29パット以下)を狙えるポテンシャルがあります。
最新ギアやテクノロジーに興味がある人
クラブの新技術が好きで、ギアによるパフォーマンス向上を楽しみたい方にもTenはおすすめです。
複合シャフトや新インサートなど話題性のある要素が詰まっているので、使っていて満足感があります。
単に話題先行ではなく実利も伴うので、「最新=良い」を体感できるでしょう。
一方で、伝統的なピン型ブレードが好きで「パターはシンプルな方がいい」と信条とするゴルファーや、硬めの打感を絶対視する方には向かないかもしれません。
そのような方でも、試してみると意外に受け入れられるケースも多いですが、頑なに従来型を愛する場合は無理に変える必要はないでしょう。
総じて、Stroke Lab Tenパターはパッティングの安定を求める全てのゴルファーにとって有力な選択肢です。
初心者から上級者まで、自分の弱点をカバーし長所を伸ばしてくれる可能性を秘めています。
記事のまとめ
ストロークラボ Tenパターは、オデッセイが誇る革新的な設計と伝統の打感を融合させた高機能ネオマレット型パターです。
特徴であるカーボン+スチール複合シャフトはストロークの安定性を飛躍的に高め、深重心・高慣性モーメントのヘッドがミスに強い直進性を実現しています。
ソフトな打感と心地よい転がり出しは、多くのゴルファーに自信を与え、ショートパットからロングパットまで一貫したパフォーマンスを発揮します。
比較対象とした他社パターと比べても、Tenは操作性・許容性・打感のバランスが非常に優秀であることが分かりました。
ツアープロの使用例や一般ユーザーの口コミからもその完成度の高さが裏付けられています。
もちろん万人に完璧というわけではなく、ヘッドの見た目の好みや価格など注意点もありますが、総合的な評価では現行パターの中でもトップクラスと言えるでしょう。
パター選びはスコアに直結する重要な要素です。もしあなたが「パット数を減らしたい」「短いパットを安心して沈めたい」「最新テクノロジーの恩恵を受けたい」と考えているなら、Odyssey Stroke Lab Tenは検討する価値の大いにある一本です。
適切なネックや長さを選び、自分のストロークに合わせてやれば、きっと期待以上の成果を感じられるはずです。
最後に、本記事の情報を総合すれば、Stroke Lab Tenパターは安定したパッティングの強い味方であり、スコアアップの切り札となり得る存在だと結論付けられます。
あなたのパッティングに革命をもたらしてくれる可能性を秘めたこのパター、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
きっとグリーン上での信頼できる相棒になってくれるでしょう。
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