グリーン上の悩みを解決する”秘密兵器”、オデッセイ O-Works #1W パターを徹底解剖します。
「ブレード型は難しい」という常識を覆す、このパターの実力とは?2017年に登場してから多くのゴルファーを魅了し続ける理由に迫ります。
プロもアマも絶賛するこのパターの最大の特徴は「ブレードの構えやすさ」と「マレットの安定感」を見事に融合させた設計にあります。
ブレード型でありながら広めのワイドソールを採用し、ミスヒットに強い高い寛容性を実現。マイクロヒンジ・インサートが生み出す驚くほど滑らかな転がりは、パッティングの安定感を格段に高めてくれます。
「あと一歩で80台が出せない」「3パットが多くて悔しい」というゴルファーにとって、O-Works #1Wはまさに救世主となるでしょう。
女子プロツアーでも多数の使用例があり、プロの世界でもその性能は実証済み。
ミンウ・リー選手のPGAツアー初優勝に貢献。黄アルム選手は#1Wパターに変更後、わずか1シーズンで3勝を挙げ、年間獲得賞金を約30倍に跳ね上げる劇的な復活を遂げました。
パッティングの核心である「打感」においても、このパターは群を抜いています。
ボールが吸い付くようなソフトな打感は心地よく、繊細なタッチを実現。そのうえ、独自のVERSAアライメント(黒と白の塗り分け)により、ターゲットラインへの構えやすさも抜群です。
特筆すべきは価格面でのアドバンテージ。中古市場では1万円前後という驚きの価格で入手可能。
スコッティキャメロンなどの高級パターと比較しても、コストパフォーマンスは群を抜いています。しかも性能は決して引けを取りません。
ただ、万人に完璧に合うパターは存在しません。柔らかすぎる打感が合わない方もいるでしょう。
しかし「ブレード型が好きだけど安定したパッティングを望む」方、「見た目はシンプルでも高性能を求める」方にとって、O-Works #1Wは最高の選択肢となるはずです。
この記事では、試打体験や実際のユーザーレビュー、プロ使用の実績など、あらゆる視点からO-Works #1Wの真価を解説します。
パッティングの悩みを解消し、スコアアップを狙うあなたに必要な情報が詰まっています。
特徴・スペック
まず、「Odyssey O-Works #1W」パターの基本スペックを確認しましょう。
オデッセイの人気シリーズ「O-Works」に属するブレード型パターで、2017年に発売されました。広めのソールと最新インサート技術を備え、クラシックな形状ながら安定した転がりを追求したモデルです。

メーカー | オデッセイ(Callaway) |
---|---|
シリーズ | O-Works(オー・ワークス)シリーズ |
発売日 | 2017年2月24日 |
新品価格 | 30,240円 |
中古最安値 | 10,000円 |
中古最高値 | 15,000円 |
ヘッドの形状 | ピンタイプ |
ヘッドの素材 | ステンレススチール(鋳造) |
ヘッドの重量 | 350g |
ネックの形状 | ダブルベンド / スラントネック / センターシャフト |
シャフトの素材 | スチール |
ロフト角 | 3 |
シャフトの長さ | 33〜35インチ |
※ネック形状はバリエーションによって異なり、ダブルベンド(フェースバランスで直線的ストローク向き)、スラントネック(約3/4オフセットで適度なトウハング)、センターシャフト(フェース中央にシャフト接続)などが存在します。
この#1Wパターは、従来の#1ブレード型のソールを横方向に広げた「ワイドブレード」デザインが特徴です。
高コントラストのVERSAアライメント(黒と白の塗り分けデザイン)を採用し、構えたときのターゲットラインの視認性を高めています。
また、インサートには新開発のマイクロヒンジ・インサートが搭載されており、インパクト直後にボールに順回転(トップスピン)を与えて安定した転がりを実現します。
発売当時、米国ゴルフダイジェスト誌の「Hot List 2017」で金賞を受賞するなど、性能への評価も高いパターです。
パターの特徴(6項目評価)
オデッセイ O-Works #1W パターの性能を、主要な6つの観点で5段階評価してみます。それぞれの項目について★5段階中の評価と、その理由を解説します。

操作性:4/5
ブレード型らしく構えたときにターゲットに合わせやすく、繊細なタッチで操作できます。
#1Wはソール幅が広い分、ストローク中のブレも少なく直線的に振りやすいです。ヘッドが大きすぎないため取り回しも良好で、意図的なフェース開閉もしやすいです。
ただし、完全なピン型(#1)に比べると若干ヘッドが大きいぶん、上級者には「操作性が良すぎる」と感じる(=自分で積極的にフェースを開閉しづらい)部分もあるかもしれません。
ミスヒット耐性:4/5
ワイドソール設計により慣性モーメントが高められ、ブレード型としては非常に寛容性があります。ヒールやトゥ寄りに当たっても球の直進性を保ちやすく、距離ロスも少なめです。
実際ユーザーからも「直進性と転がりの良さは抜群」という声があり、多少芯を外してもカップまでしっかり届く安定感があります。
ただし、大型マレットほどのMOI(慣性モーメント)はないため、評価は4止まりです。大慣性のSpider系マレットなどと比べればミスヒット耐性は劣りますが、同クラスのピン型パターの中ではトップクラスの寛容性と言えます。
打感:5/5
マイクロヒンジ・インサートによるインパクトの打感は非常にソフトです。ボールがフェースに吸い付くような柔らかさがあり、インサートが衝撃をほどよく吸収して心地よいフィーリングです。
ユーザー評価でも「打感がかなりソフト」「柔らかすぎるくらい」といった声が多く、打音もマイルドで甲高い金属音がしません。
特に硬めのカバーのボールを使ってもカチンとせず、心地よい打感を維持します。ホワイトホットインサート特有の柔らかさが好きな方には近い感触で満足できるでしょう。
一方で「柔らかすぎて物足りない」という声も一部ありましたがl、総じてパターの打感としては最高評価を与えられる品質です。
重量バランス:4/5
標準状態ではヘッド約350gに対し、装着グリップがSuperStroke Pistol GT(約50g)と軽量なため、ヘッドの重さをしっかり感じるバランス設計です。
総重量は500g台前半でスイングバランスはやや重め(E0前後)と推測され、ストローク中にヘッドがぶれにくく安定します。ヘッドの重量感を活かして振り子のようにストロークできるので、方向性の安定につながります。
ただ、「思ったより軽く感じた」というユーザーもおり、これはマレット型の極端に重いパターに比べれば軽快という意味でしょう。
重量バランス評価は4とし、重すぎず軽すぎず絶妙なバランスで多くのゴルファーに扱いやすい設計と言えます。
重心設計:5/5
ネック形状によりフェースバランスにも対応できる点で、重心設計のバリエーションが豊富です。ダブルベンドネックのモデルはフェースバランスで、ストローク時にフェースの開閉が少ない設計です。
これはストレートに引いて出す一貫性重視のストロークにマッチし、方向ズレを減らします。
一方、スラントネックやセンターシャフト版ではトウ側が少し下がる重心角になり、イン・トゥ・インのアーク軌道ストロークに適した重心設計です。
このように重心バランスをモデル選択で調整できるのは大きな強みで、自分のストロークタイプに合わせて最適な重心設計の#1Wを選べます。
また、ワイドなヘッド形状により低重心化も図られており、ボールに順回転を与えやすい点でも優秀です。総合して、重心設計の自由度・完成度の高さから評価は5としました。
価格:4/5
新品定価は約3万円と、スコッティキャメロンなど高級ミルドパターに比べれば手頃な価格設定でした。
同時期の他社パター(ピンやテーラーメイドの上位モデル)と同等かやや安い水準で、コストパフォーマンスは良好です。
さらに現在では中古市場に多く出回っており、1万円前後からと非常に入手しやすい価格帯になっています。
性能を考えれば中古での値頃感は◎です。ただしオデッセイはモデルチェンジサイクルが比較的早く、新品で購入するとモデル寿命が短めなのは留意点です。
総合的には価格満足度は高いものの、新品時の絶対価格自体はパターとして平均的なため評価は4としました。
他の人気パターとの比較
オデッセイ O-Works #1W パターを、他の代表的な人気パターといくつかの軸で比較してみます。下表では、打感・操作性・ミスヒット耐性・価格・使用プロ実績の5項目について、それぞれ「◎」=非常に優れている、「○」=良い水準、「△」=平均的/やや劣る、で相対評価しています。
モデル名 | 打感 | 操作性 | ミスヒット耐性 | 価格 | ツアー使用率 |
---|---|---|---|---|---|
Odyssey O-Works #1W | ○ (ソフト) | ○ (易しい) | ○ (高い) | ◎ (安価) | ◎ (多数使用) |
Scotty Cameron Newport (ニューポート) | ◎ (ソリッド) | ◎ (高い) | △ (低い) | △ (高価) | ◎ (多数使用) |
TaylorMade Spider (スパイダー系) | △ (やや硬め) | △ (並) | ◎ (非常に高い) | ○ (中程度) | ◎ (多数使用) |
PING Vault 2.0 Anser (ボルト2.0) | ○ (適度) | ○ (高い) | △ (低い) | △ (高価) | ○ (一部使用) |
Odyssey Tri-Hot 5K (トライホット5K) | ◎ (ソフト) | ○ (まずまず) | ○ (高い) | △ (高価) | △ (新しく少) |
打感
打感に関しては、ニューポートやTri-Hot 5Kのような上質なミルドフェース/インサート搭載モデルが◎評価です。
#1Wも非常に柔らかい打感で○に近い◎ですが、ソフトすぎて好みが分かれる点を考慮し○としました。
スパイダーは樹脂系インサートの感触がやや独特で「少し弾く」「硬め」と感じる人もおり△寄りです。ピンVault2.0 Anserは削り出し+溝構造で打感は良好ですが突出しないため○評価となっています。
操作性
操作性では、ニューポートやピンのアンサー型など伝統的ブレードが◎です。
小ぶりなヘッドは意図的なフェースコントロールがしやすく、構えたイメージ通りに打ちやすいという声が多いです。
#1Wもブレード型ゆえ操作性は高く○ですが、フェースバランス仕様だとストロークを矯正してくれる半面、自分で開閉して操作する余地は減るためニューポートほどの◎には及びません。
スパイダーのような大型マレットは安定性重視でヘッドを動かす自由度は低めなため△評価です。Tri-Hot 5Kはブレード形状ながら重量配分が独特で、やや慣れが必要との声もあり○どまりとしました。
ミスヒット耐性
寛容性では、Spiderなど大型マレットが文句なしに◎です。慣性モーメントが高く、多少オフセンターでもラインと距離を保ちます。
Tri-Hot 5Kはブレードでありながら高比重素材で周辺重量配分された設計のため○、#1Wもワイドソールで同じく○評価としています。
一方、ニューポートやピンAnserなどピュアなブレードは芯を外すとシビアで△評価です。特にオフセンターヒット時の距離ロスや方向ブレはブレード型の弱点であり、#1Wはその弱点をかなり補っている点が強みと言えます。
価格
価格面では、オデッセイ #1Wは当時定価3万円台と比較的手頃で◎、中古なら1万円前後で入手可能なため群を抜いてコスパが良いです。
テーラーメイド スパイダーはモデルによりますが新品価格は3~4万円台で○、ピンVault2.0やTri-Hot5K、スコッティニューポートはいずれも定価5万円前後と高価なため△評価です。
特にスコッティキャメロンはリセールバリューも高い反面初期投資は大きく、価格重視ならオデッセイやテーラーメイドに軍配が上がります。
使用プロ
ツアープロの使用率を見ると、スコッティキャメロン ニューポート系は長年にわたり多くのトッププロ(タイガー・ウッズを筆頭に)が愛用し◎です。
テーラーメイド スパイダー系も2010年代後半からプロ使用率が急上昇し、ジェイソン・デイやダスティン・ジョンソンなど多数が使用して◎となっています。
PINGアンサー型は一部のPING契約プロや好みの選手が使う程度で○、Tri-Hot 5Kは発売が新しく使用プロはまだ限定的なため△です。
オデッセイ #1Wは、オデッセイ契約プロの中で使用例もありますし、契約外のプロも利用しております。
代表例でいうとミンウ・リー選手や勝みなみ選手、黄アルム(ファン・アルム)選手など有名で上位成績を残しているプロが使用していますので◎評価です。
ツアープロの使用例
オデッセイ O-Works #1W パターはプロの間でも使用例があります。発売から時間が経ってますが、使用しているプロが多いパターです。
性能の高さを証明するエピソードがいくつかあります。
ミンウ・リー選手
2025年3月、ミンウ・リー選手は米男子ツアーのテキサス・チルドレンズ・ヒューストン・オープンで初優勝を果たしました。その優勝時に、オデッセイ O-Works #1W パターを使用していました。
リー選手は、2024年にはオデッセイのAi-ONEシリーズなど複数のパターを試していましたが、2025年のシーズン開始時に、過去に使用していたO-Works #1Wに戻しました。
この選択は、彼のパッティングに安定性と信頼性をもたらし、ヒューストン・オープンでの勝利に貢献したと考えられます。
勝みなみ選手
2024年の「フォード選手権」では、初日にスコッティキャメロン製の新しいパターを試したものの、2日目にはエースパターである「O-WORKS #1W」に戻し、スコアを伸ばして決勝ラウンド進出を決めました。
勝選手は以前にもこのパターを使用して日本女子オープンで優勝しており、彼女にとって信頼できるエースパターであることが伺えます。
このように、勝選手の使用例からも、「O-WORKS #1W」パターの性能と信頼性の高さが証明されています。
黄アルム(ファン・アルム)選手の復活優勝
韓国出身の黄アルム選手は長年オデッセイの2ボール型パターを愛用していましたが、2018年シーズンに調子を上げる起爆剤としてセンターシャフトの#1Wパターにスイッチしました。
その結果、6月から使用を開始したこのパターで見事に復調し、2018年シーズンに3勝を挙げています。
「中学時代から使っていた2ボールを手放し、思い切ってセンターシャフトのピン型に変えた」と報じられており、パッティングの安定感向上が賞金ランク大躍進(年間獲得賞金約300万円→9000万円)につながったとされています。
このように#1Wパターはプロの勝利を支えた実績があり、黄アルム選手自身も「変えて良かった」という趣旨のコメントを残しています。
JLPGAツアーでの使用者多数
2018年の国内女子メジャー「ワールドサロンパスカップ」では、出場117名中5名がO-Works #1Wを使用していたとの調査結果があります。
さらにネック違いやセンターシャフト等「#1W系ヘッド」のバリエーションを含めると11名にのぼり、オデッセイ契約プロのみならず多くの女子プロがこぞってバッグに入れていました。
これは全パター中でも最多クラスの使用者数で、#1W形状の「ブレードとマレットのいいとこ取り」な性能がツアーでも認められている証拠です。
「真っすぐ動かしやすくミスヒットに強いタイプ」である点がプロから評価され、当時賞金女王だったイ・ボミ選手も似たコンセプトのワイドブレードパター(オデッセイ White RIZE iX #1SH)をエースとしていたほどです。
男子ツアーでの実績
男子プロではオデッセイ契約選手が#1W形状のパターを使用する例があります。近年では2022年に河本力プロが「WHITE HOT OG #1W CSパター」(#1W形状にホワイトホットインサートを搭載したモデル)を使用し国内男子ツアーで優勝しました。
同年の国内男子ツアー通算でもこの#1W CSパターは3勝を記録しており、形状の優位性が男女問わず勝負の場で発揮されています。
世界的に見るとメジャー大会で#1Wそのものを使った例は多くありませんが、オデッセイ契約のプロ(例:一時期のフランチェスコ・モリナリ選手など)がブレード型の代替として採用していたケースも報告されています。
このように、O-Works #1Wパターはツアープロからも一定の信頼を得ているモデルです。特に女子ツアーでの高い採用率から、プロレベルでも「構えやすくて転がりが安定するパター」として評価されていることがうかがえます。
プロ仕様=上級者向けというイメージがありますが、裏を返せば一般アマチュアにとっても恩恵の大きい性能だと言えるでしょう。
一般ユーザーの口コミ・レビューまとめ
実際にオデッセイ #1W パターを使用している一般ゴルファーの口コミから、良い点と悪い点を整理してみます。GDOなどゴルフ通販サイトのレビューを参考に抜粋しました。
良い点(ポジティブな評価)
転がりが抜群に良い
多くのユーザーが口を揃えているのが「順回転でスムーズによく転がる」という点です。
インサート効果でボールが跳ねずにスーッと転がり出し、狙ったラインに乗せやすいとの声があります。
特にロングパットでその差を実感しやすく、「思ったラインにボールが乗り、距離感も合わせやすい」と評価されています。
直進性が高く安定する
ワイドソールの効果か、「多少芯を外しても方向性がブレにくい」「真っ直ぐ転がるので安心感がある」というレビューが見られます。
芯でしっかり打ったときの直進性はもちろん、「ミスヒットしてもラインから外れにくいので助かる」という声もあり、パットの安定感向上を実感するユーザーが多いようです。
ストロークしやすい
構えたときの座りの良さや適度なヘッド重量のおかげで「振り子のように自然にストロークできる」「ストロークが安定した」という意見があります。
特に今までピン型パターで方向の不安があった人が#1Wに替えて「より真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出せる感覚が得られた」と満足しています。
狙った方向にヘッドを出しやすく、思い通りに打ちやすいという操作性の良さが評価ポイントです。
打感が柔らかく心地よい
「打感がソフトで気持ちいい」「インサートのおかげで柔らかいフィーリング」というレビューが多数あります。
特に硬めのカバーのボールを使っている人からは「ボールによっては柔らかすぎるくらい」とのコメントもあるほどで、打感の柔らかさは際立っています。
打球音も静かで、インパクト時の不快な衝撃が少ないため、タッチに集中できると好評です。
構えやすいデザイン
#1W特有のワイドブレード形状とVERSAのアライメントラインについて、「ターゲットに構えやすい」「方向を合わせやすい」との意見が見られます。
ブレード型のシャープさは残しつつ、ソールが広いことで安心感もあり、「シャープさと安心感のバランスが良い形状」という評価もありました。
真っ直ぐ構えられることが良い転がりにつながっている、という声もあります。
悪い点・惜しい点(ネガティブな評価)
打感が柔らかすぎると感じる場合も
柔らかい打感は長所である一方、「自分には少しマイルドすぎた」「ホワイトホットインサートの打感の方が好み」という意見も一部にあります。
インパクトの「芯を食った感触」やカチッとした打音を好むゴルファーにとっては、マイクロヒンジインサートのフィーリングが物足りなく感じられるようです。
特に軟らかいカバーのボールを使用すると打感がさらにマイルドになるため、好みが分かれるポイントとなっています。
ヘッドの重さに慣れが必要
「思ったより軽く感じたので心配だったが、使ってみると良い感じだった」という声があり、これは裏を返せば、ヘッドの重さで勝手に打てるタイプではなく自分でストロークの振り幅をコントロールする必要があるということです。
慣れてしまえば問題ないものの、最初は距離感を掴むのに練習が必要だったと感じるユーザーもいました。特に直前にヘビー級のパター(いわゆるTANKシリーズやバランスチェアパター等)を使っていた人には少し軽快に感じるようです。
見た目の好みが分かれる
デザイン面では大きな欠点はありませんが、「オーソドックスな見た目で地味」「もっと個性が欲しい」と感じる向きもあります。O-Worksシリーズには赤や黒のカラー展開もありましたが、#1W自体は機能優先のシンプルなブレード形状です。
奇抜さや目新しさを求める人には物足りなく映る可能性があります。
その他
ごく一部ですが「グリップが太めで好みが分かれる」との指摘もありました。標準装着のSuperStrokeグリップは太めでストローク安定には寄与しますが、細いグリップを好む人は交換を検討する必要があります。
また、マイクロヒンジインサートの耐久性について不安視する声も稀にありますが、通常の使用で劣化が急激に進む報告はなく、大半のユーザーは問題なく使い続けられています。
総じて、一般ユーザーの口コミからは転がりの良さと打感の良さに高い満足度が伺えます。
一方で感じ方に個人差のある打感や重量感については賛否がありました。
ただ、評価全体を見れば平均☆4.7/5(GDOユーザー評価)と極めて高く、多くのゴルファーがこのパターの性能に太鼓判を押しています。
筆者の試打インプレッション
(筆者プロフィール:ゴルフ歴20年、平均スコア80台前半の中級者)
私自身もこの「オー・ワークス #1W」パターを実際にラウンドで試打してみました。その感触を、打感・転がり・距離感・構えやすさの観点からインプレッションします。

打感
最初にボールを打った瞬間、「なんて柔らかい打感だろう!」と驚きました。
インサートにボールが吸いつくようで、インパクト音も「コツッ」と小さく上品です。普段はミルドフェースのやや硬めのパターを使っている筆者ですが、それと比べるとまるで別物のフィーリングでした。
かといって手応えがないわけではなく、芯でヒットすればフェースに乗る独特の感触があり、「転がり始めまでボールを操れている」ような安心感があります。
このソフトさは距離感を出しにくいとの懸念もありましたが、むしろ私は心地よく感じました。
転がり
マイクロヒンジ・インサートの効果は明らかで、打ち出し直後からボールが順回転に乗っているのが視覚的にも分かりました。特に20~30フィート(6~9メートル)級のロングパットでも、ボールが跳ねずにスムーズに転がってくれます。
実験的に芝の上にボールを並べて打ち出し直後の挙動を観察しましたが、明らかにこのパターの方が順回転に乗るのが早く、他のパターよりスキッド(滑り)が少ない印象でした。
結果、ラインに乗せやすく、下りのパットでもオーバーしにくい安定感を実感しました。転がりの良さに関しては文句なしで、これまで使ったパターの中でもトップクラスです。
距離感
正直、使い始めは柔らかい打感ゆえに距離感の掴み方に少し戸惑いました。
いつもよりしっかり振らないとボールが思った距離まで転がらない気がしたのです。しかし数ホール試すうちに慣れてきて、むしろインパクトが緩んでもボールがショートしにくいことに気付きました。
芯を外しても転がりが良いおかげで、大幅なショートが減る印象です。慣れてからは距離感の再現性が高まり、1ラウンド通じて3パットはゼロ。
特にロングパットでカップ周りに寄せやすくなった点に恩恵を感じました。
打感がソフトなので強くヒットしても手に嫌な衝撃が来ず、距離を出そうと振っても怖さがないのもメリットでした。
構えやすさ
構えたときの第一印象は、「思ったよりヘッドが大きく見える」でした。ブレード型とはいえワイドソールなので、後方に少し張り出しがあり安心感があります。
ライ角70°で適切にセットするとソールがべったり地面につき、ターゲットに対してスクエアに合わせやすいです。
白黒のVERSA塗り分けラインが真っ直ぐのガイドとなり、目標に対するアライメント調整に迷いがありませんでした。
ピン型パターにありがちな「まっすぐ構えているつもりが若干オープン/クローズになっていた」というミスが起きにくく、常に一定の構えができる印象です。構えやすさのおかげでストロークの再現性も上がり、自信を持って打てました。
総合評価
実際に使ってみて、この#1Wパターは「ブレード型の繊細さとマレット型の安定感を見事に両立している」と感じました。
ソフトな打感と優れた転がり性能で距離・方向とも安定し、パッティングに対する不安が減ります。筆者の平均パット数はこのパター使用ラウンドでは明らかに減少しました。
唯一、打感や重量感の違いに慣れるまで多少時間がかかるかもしれませんが、それを補って余りあるメリットがあります。
クラシックな形状なので違和感なくバッグに収まり、技術志向のゴルファーからスコアメイク重視のゴルファーまで幅広く使える完成度の高いパターだと思います。
個人的な好みとしても、直線的なショートパットから距離のあるロングパットまで安心して打てる本モデルをかなり気に入りました。
総合的に見て、「エースパター候補」に十分なり得る逸品です。
メリット・デメリットの整理
上記の特徴やレビューを踏まえ、オデッセイ O-Works #1W パターのメリット(長所)とデメリット(短所)を改めて整理します。
メリット
転がりが速く安定する
マイクロヒンジ・インサートによる順回転で、ショートパットでもロングパットでも安定した転がりを得られます。
方向性・距離感の再現性が高く、パット数削減に直結しやすいです。
ブレード型として高い寛容性
ワイドソールデザインによりミスヒットに強く、ブレード型にありがちなシビアさが緩和されています。
オフセンターヒットでも大きくショートしにくく、カップインの可能性を残せます。
ソフトで心地よい打感
非常に柔らかな打感とマイルドな打音は、多くのゴルファーに好評です。
インパクトの衝撃が少なく、タッチに集中できるため繊細なパットも思い通りに打ちやすくなります。
構えやすく方向を合わせやすい
VERSAアライメントの視認性とワイドブレードの安心感で、目標に対してスクエアに構えやすいです。
アドレス時に余計な不安がないので、ストロークに自信を持てます。
選べるネックバリエーション
ダブルベント、スラント、センターシャフトとネック形状の選択肢があり、自分のストロークタイプに合わせたモデルを選べます。
フェースバランスにして直進安定性を取るか、トウハングで操作性を取るかなど調整可能です。
コストパフォーマンス良好
新品価格が良心的であるうえ、中古市場では非常に手頃な価格で入手できます。
性能に対して費用負担が少なく、予算を抑えたいゴルファーにも嬉しいポイントです。
デメリット
打感の好みが分かれる
柔らかいインサート打感が逆にフィードバック不足と感じるゴルファーもいます。
カチッとした打球感や打音を求める人には物足りず、この点は完全に好みの問題となります。
慣れるまで距離感調整が必要
ソフトな打感と少し重めのヘッドバランスに最初は慣れが必要な場合があります。
最初のうちはショートしやすかったり強く打ちすぎたりするかもしれませんが、ラウンドや練習を重ねることで徐々に掴めるでしょう。
マレット型ほどの超安定性はない
あくまでブレード型の範疇での高慣性設計なので、Spiderや2-Ball Tenのような最新大型マレットと比べれば安定性・慣性モーメントは及びません。
ストローク中にフェースの開閉を完全に抑制するタイプではないため、究極のやさしさを求める場合は他の選択肢も検討が必要です。
デザインがオーソドックス
奇をてらったデザインではなく伝統的なブレードの見た目なので、見方によっては地味と映るかもしれません。
「他の人とは違う個性的なパターが欲しい」という方には物足りない可能性があります。ただこれは裏を返せばタイムレスな形状で飽きが来ないという利点でもあります。
グリップの太さ
標準グリップのSuperStroke Pistol GTはやや太めです。太いグリップが苦手な方は細身のグリップに交換する手間や追加費用が発生します(グリップ交換自体はそれほど難しくありませんが好みに応じて検討してください)。
以上のように、#1Wパターは長所が非常に多く、短所は一部の嗜好や求める性能次第で感じるものに留まっています。
総合評価すれば「大きな欠点のない万能型ブレードパター」と言えるでしょう。
購入前のFAQ
最後に、オデッセイ O-Works #1W パターの購入を検討するにあたって、よく聞かれる質問とその回答をQ&A形式でまとめます。
- ブレード型だけど難しくない?初心者でも使えますか?
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一般的にブレード型パターは上級者向けと思われがちですが、#1Wはワイドソール設計で慣性モーメントが高く、ブレード型の中では非常にやさしい部類に入ります。
実際、プロだけでなくアベレージゴルファーから初心者まで幅広い層が使っているモデルです。
初心者の方でも、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出す基本ができれば扱いやすく、むしろ距離感や方向性が安定しやすいでしょう。
特に「マレット型は構えづらいけどブレード型だと不安…」というゴルファーには打ってつけで、ブレードの構えやすさとマレット的安定感の両方を得られます。
- フェースバランスだけどクセは強くないの?ストロークの相性は?
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ダブルベントネック仕様の#1Wはフェースバランス(フェース面が真上を向くバランス)ですが、これは直線的なストロークにマッチする設計です。
クセが強いということはなく、むしろストローク軌道を真っ直ぐに保ちやすくなるメリットがあります。
一方でスラントネックやセンターシャフト版は適度にトウが下がるのでアーク(弧)を描くストロークに向いています。
自分のパッティングの癖に合わせてネック形状を選べばOKです。
「フェースバランス=クセが強い」という心配は不要で、むしろストロークタイプごとにモデルが用意されている点で安心できます。
- #1Wと通常の#1(ワン)パターは何が違うの?
-
オデッセイの#1はピン型ブレードのオーソドックスな形状で、#1Wはそのソールを横方向にワイド(Wide)にしたモデルです。
見た目上は#1Wの方が奥行きがあり、慣性モーメントが高くなっています。
そのため#1Wの方が直進性・安定性に優れ、ミスに強い設計です。
一方で#1の方がヘッドが小ぶりな分、フェースの開閉などの細かな操作はしやすい傾向にあります。
要するに「やさしさ重視なら#1W、操作性重視なら#1」と言えます。
ただし#1Wにもスラントネック版があり操作性は十分高いので、多くの場合#1Wの方が総合力で勝るでしょう。
- 他のオデッセイのパター(2ボールや#7など)と比べてどんな人向き?
-
2ボールや#7は典型的なマレット型で、構えたときの安心感や直進性は抜群ですが、ヘッドが大きいため「見た目が大きすぎる」「繊細なタッチを出しにくい」と感じる人もいます。
#1Wはそうしたマレット型が苦手な人に向いています。
見た目はブレード型で違和感がなく、それでいて寛容性は高いので、「ブレードの見た目や構えやすさに慣れているけれどパットを安定させたい」というゴルファーにピッタリです。
また、2ボールなどに比べて打感が非常にソフトなのも特徴で、打感重視派にも向いています。
逆に、どうしても極端なやさしさ(とにかく芯を外しても入るようなパター)を求めるなら2ボールやTENなどの最新大型マレットの方が適するケースもあります。
- インサートの耐久性やメンテナンスは大丈夫?
-
マイクロヒンジ・インサートは金属製の小さなヒンジ(爪)が埋め込まれた構造ですが、通常の使用で剥がれたり性能劣化したりすることはほとんどありません。
フェースをブラシで強く擦ったりしない限りヒンジが取れることもないので安心して使えます。
汚れが気になる場合は柔らかい布で優しく拭く程度でOKです。グリーン上でのパットではインサート部が削れるようなことも起きにくく、何年も性能を維持できます。
ただし直射日光下に長時間放置したり車中に放置すると樹脂部分が劣化する恐れがあるため、保管はヘッドカバーを付けるなどして大切に扱いましょう。
どんな人におすすめか
以上を踏まえて、オデッセイ O-Works #1W パターは以下のようなゴルファーに特におすすめできます。
ブレード型の見た目が好きだけど安定感も欲しい人
ピン型パターのスッキリした構えやすさを維持しつつ、直進性やミスへの強さも得たい欲張りなニーズに応えるのが#1Wです。
伝統的な形状で構えたいがスコアメイク重視というゴルファーにピッタリ。
パッティングの方向性に不安がある中級者
普段から「芯に当てているつもりなのに方向がズレる」「ショートパットをよく外す」という悩みがある方には、#1Wの順回転性能と高い寛容性が大きな助けになります。
ストロークのブレを抑えてくれるので、方向性を安定させたい中級者におすすめです。
速いグリーンで距離感を合わせたい人
転がりが滑らかでタッチが出しやすいので、速いグリーンやアンジュレーションの強いグリーンでも距離感を合わせやすくなります。
特に下りのパットでオーバーしにくい安心感は、繊細なタッチが要求される場面で武器になります。
ソフトな打感を好む人
インパクトの柔らかいフィーリングを重視する方には理想的なパターです。
ホワイトホットインサートが好きだった方、打音が静かな方が集中できる方には#1Wの打感・打音は満足度が高いでしょう。
女性ゴルファーやシニアにも
プロの世界でも女子ツアーでの使用者が多いことから、パワーに自信のない方でも転がりの良さでカバーできるモデルと言えます。
軽いストロークでもボールが順回転で転がってくれるため、女性やシニアの方にも扱いやすくおすすめできます。実際にレディス仕様やセンターシャフトモデルもラインナップされていました。
現在オデッセイの古いブレードパターを使っている人
昔のオデッセイの#1や#2、または他社ブレードを使用中で、「もう少し易しいパターに替えたいがマレットは抵抗がある」と感じている人には最高のアップグレード候補です。
最新インサート技術で転がりが向上し、パット数減少が期待できます。
逆に、「打感は多少硬くても打音で距離を感じたい」という方や、「とにかくパターはヘッドが重くないと振りにくい」という方は、同じオデッセイでもElevenや2-Ball Tenといった他モデル、あるいはスコッティキャメロンのような金属削り出しパターの方が合うかもしれません。
そのあたりは好みに応じて検討しましょう。
記事のまとめ
オデッセイ「O-Works #1W パター」は、クラシックなブレードデザインに最新テクノロジーを融合した秀逸なモデルです。
マイクロヒンジ・インサートによる直進性の高い順回転と、ワイドソール設計による高い安定性で、パッティングの精度と安心感を両立しています。
実際のツアーでもプロたちがその性能を認め、多くの勝利に貢献してきました。
打感は驚くほどソフトで、ボールを押し出すような感覚は一度味わうと癖になります。
一般ユーザーからの評価も非常に高く、「パットが入る感覚が掴めた」「スコアメイクの強い味方になった」といった喜びの声が多数あります。
価格面でもコストパフォーマンスに優れ、最新モデルに比べれば手頃に入手できる点も魅力です。
もちろんゴルフクラブですから万人に完璧に合うわけではありませんが、#1Wパターに関しては突出した欠点がなく、幅広いゴルファーに試す価値のある一本と言えます。
ブレード型パターの良さを残しつつ「入るパター」が欲しい方、パター選びで迷っている方は、ぜひ一度Odyssey O-Works #1Wを手に取ってみてください。
きっとグリーン上での頼もしい相棒となり、あなたのスコアアップに貢献してくれるでしょう。
以上、製品紹介と詳細レビューでした。良いパットとともにナイスラウンドを!
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