ゴルフというスポーツにおいて、最も難しいとされる技術は何でしょうか?
多くのゴルファーが「ドライバーの飛距離」や「アイアンの精度」を挙げますが、実はスコアの半分近くを占めるのがパッティングです。
どんなに素晴らしいショットを続けても、グリーン上でボールがカップインしなければ、スコアはあっという間に崩れてしまいます。
特に多くのゴルファーが抱える共通の悩みは、「短い距離なのに、なぜかフェースが開いたり閉じたりしてミスしてしまう」という問題や、「ロングパットでいつも距離感が合わず、カップの手前で失速してしまう」というジレンマです。
これらのミスは、技術や練習不足によるものだと思われがちですが、実は使用しているパターの設計そのものが、あなたのミスを誘発している可能性があるのです。
オデッセイが、その普遍的な悩みを解決するために、最新の技術を駆使して開発したのが、この「Square 2 Square TRI-HOT(トライホット スクエア・トゥ・スクエア) ロッシー パター」です。
このパターの心臓部には、パッティングの概念を変えるほどの革新的なテクノロジー、すなわち「ゼロトルク」が搭載されています。
トルクとは、パターがねじれようとする力のこと。これを限りなくゼロに近づけることで、あなたにとって最も難しかった「まっすぐ打つ」という行為を、パターが自動でサポートしてくれるのです。
本記事は、このS2S TRI-HOT ロッシー パターが、なぜこれほどまでにブレないのか、そのゼロトルクの仕組みを、ゴルフ初心者やでも理解できるように徹底的に解説します。
さらに、実際に打った筆者の正直なインプレッションや、購入前に必ず知っておくべき良い点・悪い点、他の人気パターとの比較まで、忖度なく深掘りします。
この記事を読み終える頃には、あなたのパッティングに対する不安は解消され、スコアアップへの確信を得られるはずです。
特徴・スペック
オデッセイ S2S TRI-HOT ロッシー パターは、見た目はクラシックなマレット形状を継承しつつも、内部構造は最新鋭のハイテクノロジーが凝縮されています。このパターの技術的な立ち位置と、革新的な構造を裏付けるデータを確認しましょう。
S2S TRI-HOT ロッシー パター 基本スペックと価格帯

| メーカー | Callaway(オデッセイ) |
|---|---|
| シリーズ | Square 2 Square TRI-HOT |
| 発売日 | 2025年11月7日 |
| 新品価格 | 82,500円 |
| 中古最安値 | 86,548円 |
| 中古最高値 | 86,548円 |
| ヘッドの形状 | マレットタイプ |
| ヘッドの素材 | アルミニウム、スチール、高密度タングステンウェイト(140g以上)、Ai-DUALインサート |
| ヘッドの重量 | 365g |
| ネックの形状 | スクエア・トゥ・スクエア ホーゼル(センターシャフト) |
| シャフトの素材 | STROKE LAB 120 BLACKシャフト(スチール) |
| ロフト角 | 3.0 |
| シャフトの長さ | 34インチ |
※中古最安値、中古最高値は2025年12月時点
このパターは、単なる量産モデルではなく、最新素材と独自の設計を組み合わせたハイエンドモデルとして位置づけられています。
このスペックから読み取れる最も重要な点は、素材と構造への徹底的なこだわりです。
特にヘッドには140グラム以上もの高密度タングステンが使われており、この重い金属の配置こそが、後述する「ゼロトルク」の秘密を担っています。
価格帯について見ると、このモデルは最新技術と高級素材を採用しているため、新品価格は比較的高価なハイエンドゾーンに設定されています。また現状、中古市場でもあまり商品が出回っていない、ユーザーが手放していないパターとなっております。
パターの特徴徹底解説:パッティングを変える6つのポイント
S2S TRI-HOT ロッシーパターが、どのようにしてあなたのパッティングを劇的に改善するのか。その核となる技術を、6つのポイントに分けて詳しく解説します。
究極の安定性をもたらす「ゼロトルク」の科学
このパターの最大の売りであり、他のパターとの決定的な違いを生むのが「ゼロトルク」設計です。トルクとは、パターがねじれようとする力のことです。
パッティングでボールを芯(スイートスポット)から少しでも外れた場所(トウ側やヒール側)で打ってしまうと、ヘッドには目標ラインとは逆方向に回転しようとする力、すなわち「トルク」が発生します。このねじれが、ボールの打ち出し方向を狂わせ、ショートパットのミスにつながる最大の原因となります。
S2S TRI-HOTは、このねじれを構造的に「ゼロ」に近づけるために設計されています。その方法は、重さの配置にあります。ヘッドの重さの80%以上を、フェースの上部(トップライン)よりもずっと下に集中させているのです。
例えるなら、重い粘土を平らな板の真ん中に置いた場合を想像してください。少し力を加えるだけで、板はすぐにグラグラと傾いてしまいます。
しかし、同じ重さの粘土を板の両端と底面に分散させて固定すると、板は非常に安定し、簡単には倒れなくなります。
S2S ロッシーは、ヘッドの底面と両端に高密度のタングステン(140g以上)という非常に重い金属を大量に入れることで、ミスヒットしてもヘッドがブレないように「倒れにくく」設計されているわけです。
この物理的な安定性こそが、オートマチックな直進性を生み出す源なのです。
芯を外してもブレない「超高慣性モーメント」
ゼロトルク設計の結果、このパターは「超高慣性モーメント(MOI)」、つまりミスヒットへの耐性が非常に高いパターとなっています。
慣性モーメントとは、物体が回転しようとする力に抵抗する能力のことです。
MOIが高いほど、芯を外して打ってもヘッドが回転しにくくなります。
タングステンを極限まで低く深く配置したことにより、トウ側やヒール側に当たってしまっても、ヘッドが目標ラインから外れるのを強力に防いでくれます。フェースが常に目標に真っすぐ向こうとする性質を持つため、ユーザーは複雑な操作を考える必要がなく、ストロークだけに集中できます。
このパターが「フェースバランス」であり、ヘッドを吊り下げるとフェースが真上を向く設計になっていることも、直進性の高さを証明しています。
独自の「S2Sホーゼル」がもたらす完璧なセットアップ
このパターの見た目の最大の特徴は、「スクエア・トゥ・スクエア ホーゼル(S2Sネック)」と呼ばれるセンターシャフトに近い独特な接続部分です。
シャフトがヘッドの中心部に近づけて接続されていることで、パターがターゲットラインと直角になるように視覚的にセットアップしやすくなっています。
この「スクエア・トゥ・スクエア」という名前は、テイクバックの時も、インパクトを通過してフォローを出す時も、フェースを目標に対して直角(スクエア)に保ちやすい、という理想的なストロークをサポートする意味が込められています。
この設計は、ストローク軌道がブレやすいゴルファーにとって、常に安定したセットアップを可能にする「お助け機能」として機能します。
Ai-DUALインサートとFRDグルーブの相乗効果
パッティングのフィーリングと性能を両立させるために、フェース部分にも最新技術が投入されています。
Ai-DUALインサートは、軟らかい外層と硬い内層のハイブリッド構造を持っています。
これにより、ソフトな打感で心地よさを提供しながらも、内側の硬い層がボールをしっかりと押し出すレスポンスを生み出します。こ
れは、打感の良さとボール初速の一貫性という、相反する要素を両立させるためのAI設計ならではの複雑な構造です。
さらに、このインサートにはFRDグルーブ(Forward Roll Design Groove、順回転の溝)が深く刻まれています。
この溝は、ボールを打った瞬間に芝の上で滑る距離(スキッド)を最小限に抑え、すぐに前へ、前へと強い順回転をかける役割を果たします。これにより、グリーン上でボールが失速することなく「もう一転がり」をしてくれる効果が生まれ、特にロングパットの距離感のミスを大幅に減らすことが期待できます。
また同シリーズの#7パターについては以下でご紹介しております。
ツノ型が好みの方は、こちらがおすすめです!

性能評価レーダーチャート分析
S2S TRI-HOT ロッシーパターの性能を、6つの重要な評価項目について5段階で評価し、その理由を詳しく分析します。

S2S TRI-HOT ロッシー 性能評価レーダーチャートと理由(5段階評価)
| 項目 | 評価 (5段階) | 評価理由/説明 |
| 操作性 | 3 | ゼロトルクとフェースバランス設計により、直進性は高いが、意図的にフェースを開閉させてラインを曲げるような操作(ドローやフェード)は困難。 オートマチック性能に特化している。 |
| ミスヒット耐性 | 5 | 超低重心設計と140g以上のタングステンウェイトが、フェースのねじれを構造的に排除する。ゼロトルクによる、他の追随を許さない圧倒的な寛容性を実現。 |
| 打感 | 4 | Ai-DUALインサートはソフトさとレスポンスのバランスが秀逸。 極上の柔らかさではないが、距離感を掴みやすい明確なフィードバックを提供。 |
| 重量バランス | 5 | 重量の大半(80%以上)をヘッド下部に集中させることで、振り子運動が極めてスムーズに行える。 手元で操作する感覚がなく、ヘッドの重さを感じやすい。 |
| 重心設計 | 5 | 究極の低・深重心設計。 これにより、打点の上下のミス(天ぷらや、下すぎるヒット)にも強く、安定した打ち出し角と順回転を生み出す。 |
| 価格 | 2 | 最新素材と高度な技術設計、特に高密度タングステンの使用により、一般的なパターよりも高価であり、購入のハードルとなる。 |
この評価チャートの分析から、このパターの特性が明確になります。
特に注目すべきは、「操作性」が3であるのに対し、「ミスヒット耐性」と「重量バランス」「重心設計」が全て最高の5である点です。
これは、S2S ロッシーが、パターに「自分で繊細にボールをコントロールする能力」ではなく、「ミスを自動で減らす能力」を求めているゴルファーのために設計されたことを示しています。
通常、センターシャフトに近い設計のパターは、構えやすい反面、ヘッドのブレに対して弱い傾向があります。
しかし、S2S ロッシーは、超低重心とタングステンウェイトを多用することで、このセンターシャフトの欠点を克服しています。
つまり、このパターはフィーリングや操作性を重視する上級者よりも、パッティングの結果(直進性)*を求めるアベレージゴルファーや競技者に向けた、明確な「安定性」のソリューションであると言えます。
どんな人におすすめ?
S2S TRI-HOT ロッシー パターは、その先進的なゼロトルク技術により、特にパッティングに深刻な悩みを抱えるゴルファーにとって、最適な「救いの手」となります。
ショートパットに自信が持てないゴルファー(イップス対策にも)
パッティングのミスは技術的な問題だけでなく、精神的なプレッシャーからくる手元の動き(引っかけや押し出し)が原因であることが多々あります。
ゼロトルク設計は、ストローク中にフェースのねじれをシャットアウトするため、極度に緊張するショートパットにおいても、フェース角が安定します。
パターに「まっすぐ打つ仕事」を任せることができるため、ゴルファーは不安から解放され、よりスムーズにストロークすることに集中できます。
イップス対策や、短い距離での信頼感を高めたい人には、これ以上の選択肢はないかもしれません。
ロングパットの距離感に悩む人
ヘッドの重さを最大限に活用できる重量バランスと、FRDグルーブによる強い順回転は、ロングパットにおいて威力を発揮します。
多くのゴルファーがロングパットでショートしてしまうのは、ボールがグリーン上で滑ってしまい(スキッド)、初速をロスしてしまうことが原因です。
このパターは、打った直後から強い順回転を与えるため、カップに届かずに止まってしまう「もう一転がり」のミスを自然に減らしてくれます。
ストロークの再現性を高めたいゴルファー
S2Sホーゼルは、手元で細かく操作するのではなく、肩を支点とした大きな振り子運動を促します。
完璧な重量配分により、毎回同じ軌道でヘッドが動きやすくなるため、ストロークの再現性が高まり、結果として一貫したパットを打てるようになります。
特に、アウトサイドインやインサイドアウトなど、軌道にバラつきがあるゴルファーは、このオートマチックな補助機能の恩恵を大きく受けるでしょう。
クラシックなマレット形状を愛するテクノロジー志向のゴルファー
S2S TRI-HOT ロッシーは、オデッセイの中でも伝統的なマレット形状である「ロッシー」をベースにしています。
派手なネオマレット型には抵抗があるが、最新のブレない技術を享受したいと考える、保守的でありながらも先進的なゴルファーに最適です。
【ゴルフ歴5年・平均スコア80台】筆者の試打インプレッション
ゴルフ歴5年、平均スコア80台のアベレージゴルファーとして、このS2S TRI-HOT ロッシー パターを徹底的に試打しました。我々アマチュアが最も気にすべきは、カタログスペックではなく、「実際にコースで使えるか」「スコアに直結するか」という点です。

構えたときの印象:違和感と安心感の共存
まず、S2Sホーゼル(センターシャフトに近いネック形状)は、従来のヒール側にシャフトがついているパターに慣れている私にとって、最初は大きな違和感がありました。
見た目が独特で、「これで本当にまっすぐ打てるのか?」という不安がよぎります。
しかし、その不安はセットアップで解消されました。
このパターを地面に置き、ターゲットラインに対して構えると、ヘッドに刻まれたアライメント用のクロスヘアと、ホーゼルの形状が視覚的に完璧にラインと直角になるように誘導してくれるのです。
この視覚的な「セットアップの容易さ」は驚異的で、フェースが目標を向いているという確信を持ってテイクバックに入れる安心感は見逃せないメリットでした。
ストロークの感覚:オートマチックな振り子運動
実際にストロークしてみると、手元でボールを操作しようとする感覚が薄れました。ヘッドの重量バランスが完璧に整っているため、まるでヘッド自体が自動でレールの上を動いているかのような感覚です。
これは、タングステンウェイトがヘッド下部に集中しているゼロトルク設計の恩恵に他なりません。
センターシャフト特有の「まっすぐ引いて、まっすぐ出す」ストロークを意識するだけで、ヘッドはほとんどブレずに動きます。もし、普段から手首を使いすぎる傾向があるゴルファーであれば、このパターを使うことで強制的に肩を動かす振り子運動に矯正されるはずです。
打感と転がり:芯を感じる心地よさ
Ai-DUALインサートの打感は、従来のオデッセイの代名詞であった「ホワイト・ホット」のような、極端に柔らかく吸い付くような打感とは異なります。ソフトな中にも芯が感じられ、ボールを打った瞬間に「カチッ」という適度な打音と手応えが伝わってきます。
これは、アマチュアゴルファーが距離感を調整するために必要な、明確なフィードバックです。
そして、最も感動したのはボールの転がりの良さです。FRDグルーブの効果で、ボールは打ち出し直後からすぐに順回転に入り、グリーンを力強く転がっていきます。
特に、下りのロングパットで緩むことなく、最後までカップに向かっていく強さがあり、「距離が足りなかった」というミスが明らかに減りました。
スコアへの影響:短い距離の成功体験
平均スコア80台のゴルファーにとって、スコアを大きく左右するのは、1メートル以内の短いパットの成功率です。
試打ラウンドで、特に恩恵を感じたのは、この短い距離での安心感です。
もし芯をわずかに外したとしても、ゼロトルク設計のおかげでフェースはねじれず、ボールはターゲットライン上を保ち続けます。
この「ミスを許容してくれる」性能が、精神的なプレッシャーを軽減し、結果として短いパットの成功率が向上しました。
他の人気パターの比較
S2S TRI-HOT ロッシー パターが市場の中でどのような立ち位置にあるのかを明確にするため、同価格帯で人気のハイエンドパターと比較します。
S2S ロッシーが本当にあなたにとって最高のパターであるかを判断するためには、その独自の強みを、競合モデルの強みと比較することが重要です。
人気ハイエンドパター 性能・価格比較表
| パターの名称 | ヘッド形状 | 打感 | 操作性 (微調整) | ミスヒットの耐性 | 価格帯 (新品) |
| S2S TRI-HOT ロッシー | マレット | ○ (芯あり) | ○ | ◎ (ゼロトルク) | △ (高価) |
| SCOTTY CAMERON Phantom X 5.5 | ネオマレット | ○ (しっかり) | ◎ | ○ | ◎ (非常に高価) |
| PING PLD Milled ANSER 2 | ブレード | ◎ (軟らかい) | ◎ | △ | ◎ (高価) |
| オデッセイ Ai-ONE #7 | ネオマレット | ○ (ソフト) | ○ | ◎ (AIインサート) | ○ (中~高価) |
Phantom 5.5については以下でもご紹介しております。

比較分析から見える S2S ロッシーの特異性
この比較表から、S2S TRI-HOT ロッシーが持つ明確なポジショニングが見て取れます。
安定性へのコミットメント
スコッティ・キャメロンのPHANTOM X 5.5やPINGのPLD ANSER 2のような削り出しモデルは、「打感」や「操作性」において最高評価(◎)を獲得する傾向があります。
これらは打感のフィードバックが繊細であり、フェースを開閉させてラインを読み切る技術を要求されます。その代償として、ミスヒット耐性は標準的(○)あるいは劣る(△)傾向があります。
一方で、S2S ロッシーは、「ミスヒット耐性」で他の追随を許さない「◎」を獲得しています。
これは、ゼロトルク設計がもたらす構造的な安定性によるものです。S2S ロッシーは、操作性やフィーリングの繊細さよりも、スコアに直結する「直進性」と「ミス防止」を最優先するゴルファーのための、ハイテク安定性フラッグシップモデルとして、唯一無二の地位を築いています。
テクノロジーの方向性:
同じオデッセイのAi-ONE #7もAI技術で高いミスヒット耐性を誇りますが、S2S TRI-HOTシリーズは、タングステンを大量に使用し、重量の物理的な配置で安定性を追求している点で異なります。
これは、パターヘッドがストローク全体を支配し、手元のミスを許容する能力に優れていることを意味します。
結論として、S2S ロッシーは、「パッティングのミスを技術で根絶したい」と願うゴルファーにとって、最高の投資先となります。
一般ユーザーの口コミ・レビューまとめ:良い点、悪い点
実際にS2S TRI-HOT ロッシーを購入し、使用している一般のゴルファーは、このパターをどのように評価しているのでしょうか。ゴルフショップや通販サイトに寄せられた口コミを分析し、良い点と、購入前に知っておくべき悪い点を抽出しました。
良い点
「本当に曲がらない」という感動
最も多く見られる評価は、ゼロトルクの技術がもたらす「直進性」の高さです。
「今まで使っていたパターでは、少しでも芯を外すとすぐにフェースが開いてしまっていたが、S2Sはトウ側で打っても、なぜかボールがまっすぐ転がっていく。本当にパターが勝手に修正してくれているようだ」という声が多数寄せられています。
パッティングのミスが構造的に排除される感覚は、ユーザーにとって大きな驚きと自信につながっています。
「ショートが激減した」距離感の改善
FRDグルーブによる強い順回転と、超低重心の重量バランスのおかげで、特にロングパットの「ショート」が激減したという報告が多くあります。
「ヘッドが重く感じられ、軽く押し出すだけでボールがしっかり転がってくれる」「最後まで力が抜けることなくカップに向かう強さがある」といったコメントがあり、距離感に悩んでいたゴルファーにとって、このパターが提供する一貫した転がりは大きなメリットとなっています。
構えやすさによる安心感の向上
独特なS2Sホーゼルも、慣れてしまえば高い評価を得ています。
「最初こそ違和感があったが、ラインをセットアップした時の安心感が半端ない」「クロスヘアとネックの位置のおかげで、目標に対してフェースを直角に合わせるのが得意になった」という声もあり、セットアップ時のストレスが軽減される効果は確かにあるようです。
悪い点
独特な形状と使用感への「慣れ」が必要
S2Sホーゼルは機能的である反面、従来のピン型や一般的なマレットに慣れているゴルファーには、ストローク時の違和感として感じられることがあります。
「慣れるまでに時間がかかった」「手元で操作しようとすると違和感が出るため、練習で振り子ストロークを徹底する必要がある」といった意見があり、購入後すぐにスコアに直結させるためには、ある程度の慣らし期間が必要となる場合があります。
価格の高さが導入のハードルとなる
ハイエンドモデルであるため、新品価格が高く、気軽に試せる価格ではないという点がデメリットとして挙げられています。
最新のゼロトルク技術を搭載しているとはいえ、パターに対してこの価格を支払うべきか、という点で悩むユーザーは少なくありません。
【最も注意すべき点】新品時の梱包に対する不満
性能面ではないものの、購入体験における重大な指摘として、一部のユーザーから「新品を購入したのに、グリップにシュリンク(保護ビニール)がついておらず、ビニール袋を被せてあった」という報告が上がっています。
性能には問題ないとしても、高額な商品であるため、新品時の梱包状態に不満を感じるユーザーがいることは事実です。この点について、購入前に販売店や中古品ではないかを確認するなど、注意が必要であると言えます。
これは、製品の製造プロセスや流通経路において、品質管理にばらつきがある可能性を示唆しており、消費者は信頼できる販売店を選ぶことが重要になります。
このパターのメリット・デメリット
S2S TRI-HOT ロッシー パターは、その先進技術により多くのメリットをゴルファーにもたらしますが、同時に避けて通れないデメリットも存在します。購入を決断する前に、両面をしっかりと理解しておきましょう。
S2S TRI-HOT ロッシーのメリット
- 究極の直進性(ゼロトルク): ミスヒット時でもフェースのねじれを構造的に防ぐため、ボールがターゲットラインから大きく外れることがありません。ショートパットの成功率が飛躍的に向上します。
- 抜群の転がり: FRDグルーブと低重心設計により、打った直後から強い順回転がかかり、パットの失速を防ぎます。特にグリーンが重い時やロングパットで威力を発揮します。
- オートマチックなストローク: 完璧な重量バランスにより、手首を使わず肩の振り子運動だけでヘッドがスムーズに動きます。ストロークの再現性が高まり、常に安定したパットを打つことができます。
- 高い汎用性の形状: 伝統的なロッシー型のマレット形状をベースとしているため、大型ネオマレットに抵抗があるゴルファーでも受け入れやすいデザインです。
S2S TRI-HOT ロッシーのデメリット
- 高い初期投資: 最新の素材と高度な設計を要するため、新品価格が高価であり、手軽に試すことが難しい。
- 独特なルックスと慣れの壁: S2Sホーゼルは機能的だが、見た目が独特であり、特にセンターシャフトに慣れていないゴルファーは、最初は違和感を感じ、練習で慣れるための時間が必要となる。
- 繊細な操作性の限界: 直進性と安定性に特化しているため、フックやスライスラインに合わせて意図的にフェースを微調整したり、ボールをカットするように打つなどの繊細な操作は、従来のパターに比べて行いにくい傾向があります。
- 流通段階での品質管理リスク: 一部のユーザーから、新品時のグリップの梱包状態について不満の声が上がっており、購入チャネルによっては注意が必要である。
購入前のFAQ
- ゼロトルク技術は本当に効果があるの?大げさな宣伝ではないでしょうか?
-
ゼロトルクは、単なる宣伝文句ではなく、物理学に基づいた構造によって実現されています。
ヘッドの総重量の80%以上を、フェースの下部(低重心)に集めることで、インパクトの瞬間、フェースがねじれようとする力に対して、ヘッドの重さが強力に抵抗します。これは、パターをテコの原理で安定させているのと同じ効果です。
打球テストでも、芯を外した際の直進安定性が他のパターと比較して極めて高いことが確認されており、特にストロークが不安定なゴルファーほど、その恩恵を強く実感できます。
- 難しすぎて自分では使いこなせないのではないか?
-
心配は無用です。
むしろ、このパターは「パッティングのミスを減らしたい」ゴルファーのために設計された、究極の「お助けパター」です。
「使いこなす」ために繊細な技術は必要ありません。求められるのは、パターの性能を信じて、肩の振り子運動でストロークすることだけです。
独特なS2Sホーゼルに慣れるための練習は必要ですが、その慣れさえクリアすれば、パターヘッドが自動でミスを修正してくれるため、あなたのパッティングは劇的に安定します。
難易度が高いパターではなく、難易度の高いパッティングという行為を、最も簡単に実行するためのツールだと考えてください。
- パターは打感が命。Ai-DUALインサートの打感は硬すぎませんか?
-
Ai-DUALインサートは、軟らかい外層と硬い内層を持つハイブリッド構造です。この設計は、パッティングの距離感を掴むために必要な「芯のあるしっかりとしたフィードバック」と、耳に心地よい「ソフトな打音」を両立させるために工夫されています。
従来のオデッセイのソフトさを追求したインサートと比較すると、確かに硬く感じるかもしれませんが、それは打球の強さや方向性を明確にフィードバックしてくれる証拠です。
硬すぎず、軟らかすぎない、非常にバランスの取れた打感であり、特にアマチュアゴルファーが距離感を安定させる上で非常に役立つフィーリングを提供します。
- 中古相場でも比較的高いですが、最新モデルに投資する価値はありますか?
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パターは、ドライバーやアイアンと異なり、一度手にすれば何年も、場合によっては一生使えるクラブです。
パッティングはスコアの約40%を占めます。S2S TRI-HOTが提供する「究極の安定性」は、他のクラブでは得られない、スコア改善への最も確実な近道です。
パッティングの悩みが深刻であればあるほど、このパターへの初期投資は、すぐに元が取れるほどのスコア改善効果をもたらす可能性が高いです。
中古市場でも一定の価値を保っている(未使用品で58,000円の実績あり)ことから、その技術的な価値が市場でも認められている証拠です。
記事のまとめ
オデッセイ Square 2 Square TRI-HOT ロッシー パターは、単なる新しいモデルではありません。
これは、パッティングにおける人間のミスを、技術と物理で構造的に排除するという、革新的なアプローチから生まれた「パッティングの最終兵器」です。
このパターは、従来のパターが追求してきた「繊細な操作性」をあえて犠牲にし、その代わりに「究極の安定性」という一点に全てを賭けました。
ヘッドの重さの80%以上を下部に集中させた「ゼロトルク設計」は、短いパットでのフェースのねじれを根絶し、Ai-DUALインサートとFRDグルーブは、一貫した距離感と力強い順回転を保証します。
あなたのパッティングの最大の悩みが「フェースのねじれによる引っかけ・押し出し」や「ロングパットのショート」にあるならば、S2S TRI-HOT ロッシーはまさにあなたのためのパターです。
高価ではありますが、これほどの技術的な裏付けと、スコアに直結する可能性を秘めたパターは他に類を見ません。
パッティングで悩む時間はもう終わりにしましょう。
このゼロトルクの力をあなたの手に取り、自信を持ってカップを狙う喜びを、心から楽しんでください。
